医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

進行ガン対策と酵素療法の臨床症例について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-01-21 17:44:38 | 健康・病気

代替療法医が、ガンに対して実施した酵素療法の症例の要約が、米国で報告されたので紹介します。歴史的には、ガン治療における膵臓酵素療法の症例は、1900年代の初期にJohn Beard博士により報告されています。博士は、胎盤細胞が赤ちゃん誕生の準備のため増殖する時、悪性細胞と似ていることを、顕微鏡下で観察しました。胎児の膵臓酵素の産生が始まると、増殖する胎盤組織が8週間目に増殖をストップするのを観察しました。そこで博士は、膵臓酵素が十分量供給されるなら、悪性ガンは応答すると理論づけました。ヒトと動物のガン細胞を減らすため、膵液を用いて試験しました。この研究はKelly博士に引き継がれました。

Kelly博士は、栄養と大量の膵臓酵素サプリメントを用いて進行性膵臓ガンを治療し、また、何千という他の末期ガンを治療し、成功しました。

Gonzalez博士は、コーネル大学の医学生であった時、Kelly博士の研究を再調査し、このことが、進行性ガン患者に対する、酵素によるアプロ―チに結び付きました。彼は、Beard博士とKelly博士の自然療法(ビタミン療法、食事療法、酵素療法の併用療法)を実践し、ガン患者の治療を行いました。

健常人は、健康の維持と、年齢と共に欠乏する酵素を補うため、空腹時に食事性消化酵素と代謝酵素を少量摂取するのが、将来の疾患予防のため必要です。重大な健康上の問題を抱えた人も酵素サプイメントや酵素の多い発酵食品の摂取が必要、と考えられます。妊娠した女性は医師に相談して下さい。一般的には、妊娠時に医薬品の摂取は禁忌です。また、最高の健康状態が感じられるようになるまで、酵素サプリメントや酵素飲料の摂取量を徐々に上げるのが賢明、と考えられます。なお、食事と一緒に摂取してもいいですが、空腹時の摂取が酵素の吸収を高めるようです。

Miles Gibson氏の報告によると、愛犬は、5名の獣医師の診断により、攻撃的な骨腫瘍で、難しい末期ガンでした。そこで、彼は、獣医師に酵素療法(膵臓酵素、解毒、栄養療法よりなる)を依頼しました。愛犬は回復し、元気に、更に9年生存しました。これは、Gonzalez博士のヒトでの臨床結果とほぼ同じでした。ヒトと犬は同じ哺乳動物なので、犬でのデータも参考になります。更なる研究により、酵素・栄養併用療法が人の福音に寄与することを期待しています。なお、Howell博士の下記、著書も酵素療法の全般を述べ、参考になります。また、酵素療法単独でなく、ビタミンC点滴療法、抗酸化栄養素療法、マイルド温熱療法、乳酸菌を中心としたプロバイオティクス療法、そして食事療法を併用することにより寛解が得られ、体に負担をかけない、体にやさしいガンの代替療法になる、と考えます。

References

Enzyme therapy for cancer prevention and treatment :Natural News, January 04, 2008

 

Food enzymes for health and longevity:Edward Howell, 1994, National Enzyme Company