医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

統合失調症とビタミンについて その一 栄養医学ブログ

2011-03-18 22:18:05 | 健康・病気

 1969年、米国で1500人の統合失調症状患者に、連続してビタミンCの大量投与とビタミンB群の大量併用投与を行い、80%が回復するか、症状が著しく改善されたという、報告がありました。ルクシュは「ビタミンCと統合失調症状という論文を1940年に発表しました。1940年、ロシアのソロウエバーは、いろんな精神症状にビタミンCを用い、良い成績を得ています。いくつかの論文では、精神症状患者にビタミンCを大量に与えなければいけないと、述べています。バンダカンプは1966年、統合失調症状者のビタミンC代謝速度が健常者の10倍に達するこを、発見しました。彼は統合失調症状者10名に対し、ビタミンCを4時間ごとに6~8g与えました。これは1日あたり36~48gとなり、その結果、10名の患者全員に明らかに臨床症状の改善が認められました。さらに、精神機能が正しく行われるためには、ビタミンB群やビタミンCなど、さまざまな栄養素の分子が脳に存在するすることが必要で、最適の濃度が保たれないと脳の機能に障害が起こることが、知られています。ポーリング博士は1969年、ビタミンCを適正量摂取すれば、身体ならびに精神の健康水準は10%向上すると、述べています。ところで、メガビタミン療法はガン、統合失調症状者で特に成功し、統合失調症状で用いられたビタミンはVB3,VC,VB6,VB12です。ミルナーが行った臨床試験では、ビタミンCを毎日、1g摂取すると、抑うつ症状、分裂病性興奮、偏執症状、偏執性統合失調症、破瓜型統合失調症などの症状が軽減されました。

 また、通常肉体の病気に伴った精神症状は、次のビタミンのうちどれか一つの脳における低濃度から生じます。VB1,VB3,VB6,VB12,VH,VCおよびVM等です。さらにVB1,VB6,VM,亜鉛イオン、Mgイオン、尿酸、トリプトファン、L―グルタミン酸およびγーアミノ酪酸等は脳の機能に影響します。

 脳の機能は、脳に普通に存在する、多くの物質の分子濃度により、影響を受けます。ヒトでのこれらの物質の最適濃度は、正しい食事と正常な遺伝上の機構により、供給された濃度とは、非常に違っている可能性があります。そして、脳に重要な、普通に存在する成分の最適濃度を個人に供給してやることが、精神症状者にいいのではないかと、考えられます。ビタミン欠乏症による精神症状は、時には肉体的症状が現れる前に、長い間観察されます。脳はその他の器官や組織よりは、生命に必要な物質の濃度の変化に敏感です。他の器官でその物質の濃度が正常でも、脳では低い可能性があります。精神に対する、最適の分子環境による、精神の良好な健康保持は、とくに、ビタミンのようなヒトの体に普通に存在する栄養素の最適濃度に依存しています。結局、VC,VB3,VB6,VB12等を含む、いくらかのビタミンの摂取の増大は、統合失調症の予防、治療に有益と、考えられます。また、うつ症状も、VB群、VC,イノシト―ル、トリプトファンで改善できると、研究は示しています。VB3はグラム単位/日で摂取する場合、肝機能を調べながら、悪化した場合、休薬したり、量を減らしたりして肝機能のモニターが必要です。トリプトファンも大量投与は危険だと、考えられます。量さえ気をつければ、安全です。遺伝子に悪さをするとは、考えられません。

 精神症状の栄養療法に詳しい、東京新宿溝口クリ二ック、沖縄糸満のハ―トフルクリ二ックの先生に相談ください。なお、当サイトの記述は正確をきしていますが、実際に起こった紛争に関して、責任はとりかねます。なお、このサイトは、栄養医学情報提供を目的としています。

 話は変わりますが、11日に起こった東北・関東大震災で亡くなられた方々には、心よりお悔やみ申しあげます。生還された方々には、西日本よりサポートさせていただきますので、希望をもって、生きてください。

 また、福島第一原発の爆発で、自衛隊、消防隊員、パイロットその他の被爆された方々には、ビタミンC,αーリポ酸が被爆の害を改善するという、研究もあります。東京の健康増進クリニック、新宿溝口クリニック、鎌倉のスピックサロンメデカルクリ二ックそれに点滴療法研究会の先生のクリ二ックでビタミンC点滴されているようです。不幸にも被爆された方々は、一生、ビタミンCを飲み続けなければいけないと、考えます。

References

ガンと栄養、藤井毅彦、日本ビタミンC研究会。

Linus Pauling, Science,Vol 160,265~271,1968

なお、当方の、別の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。