医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンとビタミンDについて 栄養医学ブログ

2011-03-10 12:31:53 | 健康・病気

 Creighton大学の研究によると、ビタミンDとCaを併用したヒトでの研究では、77%ほどガンのリスクが減らせることが、明らかになりました。この研究には、1,179名の婦人が参加し、一つのグループに約1500mg/日のCaとビタミンDを1100国際単位/日、投与し、もお一方のグル―プにはプラセボを投与しました。4年にわたってVDとCaを投与されたグループはガンの60%の減少が認められた。最近の3年の研究を考察すると、VDとCaの栄養サプリメントの投与による、ガンの77%の減少は印象的です。これらのガンは、乳がん、結腸癌、皮膚がん、その他のガンです。VDとCaは併用投与でした。これらの研究はVDとCaの併用投与が他の抗ガン剤に勝る、有効な薬であることを提示しています。VDはVAやVE,VCその他のビタミン、ミネラルと連携して、協働して体内で代謝し効力を発揮しているので、毒性の発現防止、効果の増強の点でも併用が重要と考えられます。なお、上限許容量の範囲での使用は安全と考えられます。すでにVDも他のビタミン・ミネラルと併用して臨床で使われ、効果を発揮しています。

 それらの臨床例では、化学療法、放射線療法と共に,VB1,VB2,VB6,VB12,VB3,VH,beta-carotene,VA,VD,VC、VE それにCaを併用し、生存期間の延長、QOLの改善、副作用の軽減、応答率の向上を認めました。

 HoustonのReagan博士の症例では、糖分の少ない食事、VC、VD,α―リポ酸、セレ二ウム、Mg,Cu,VK等をガンのいろいろなステージに対する処方として、ビタミンC点滴に加え、化学療法剤の量を減らすのに、成功しています。場合によると、化学療法剤がいらない可能性が有ります。ビタミン、ミネラルは野球やサッカーのように連携して、化学反応を体内でスム―ズにしているので、併用投与が賢明であります。単一のビタミンやミネラルを大量に投与すると、思わぬ毒性が出る可能性があります。単一のビタミンやミネラルのガンに対する研究でうまくいかないのは、連携プレイを無視したためと考えられます。鉄には注意が必要です。また、鉄は潰瘍性大腸炎にも禁忌となっています。

ビタミンDが、次の健康状態の予防と治療に有益である可能性が、報告されています。

喘息、アテローム性硬化症、膀胱がん、乳がん、慢性疲労症候群、結腸ガン、うっ血性心不全、クローン病、卵巣ガン、うつ症状、てんかん、フィブリン血症、心臓発作、高血圧、炎症性腸炎、インスリン抵抗性、腎臓病、らい病、肝臓病、メタボリック症候群、多発性硬化症、骨そしょう症、歯根病、耳鳴り、リゥマチ性関節炎、結核、ニ型糖尿病、潰瘍性大腸炎、直腸ガン、老年性痴呆、疥癬、発作性耳鳴り,筋膜痛症候群。

Reference: Road to Health Catalog.  Envita`s Natural Issues Blog. The Blog of American College for Advancement of Medicine.

なお、当方の、別の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。