グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

1年後の元町溶岩流。

2014年10月21日 | 火山・ジオパーク
昨年の台風26号土砂災害で土砂が流れた“元町溶岩流”に行って、写真を撮ってきました。

土砂は溶岩の幅の半分ぐらいを埋めて流れ、溶岩の隙間を埋めて歩きやすくなりました。そしてその土砂の上では、様々な植物が成長を始めました。

昨年の11月10日の元町溶岩流から目の前の山を見上げた風景。
 

こちらは今日の風景です。

斜面に凹みがある所には、かなり密集して植物が生えているようです。

そして、沢を流れ下った溶岩の上。
写真左側が土砂が流れた場所、右側はもともとあったゴツゴツガラガラの溶岩です。

右と左で植物の生え方が、全然違っています。

1年前のほぼ同じ場所。

写真の左下に私の足の付け根ぐらいの高さのニオイウツギの木があったのですが…

それが今日は、見上げるような高さになっていてビックリしました!

2mぐらいの高さにまで成長したのではないかと思います。
(たった1年で1m以上伸びるのですね!)

さらにふと足もとを見ると、大小さまざまなニオイウツギの芽生え。

まったく栄養分のない溶岩の上には、生え始めることができないニオイウツギですが、土砂の上では天下をとっている感じでした。

ニオイウツギのタネ達は、土の中で眠ったまま機が熟するのを待っていたのでしょうか??、

驚いたのは、時期外れの花があちらこちらで咲いていたことです。

本当は5月ぐらいに咲く花なのに…台風が大変だったので、少しでも繁殖の確率をあげようと頑張っているのかもしれません。
ニオイウツギのたくましさにやや茫然となりました。

では最後に、今日見つけた奇麗なものを少し…。

溶岩を飾る、ツタの紅葉。


ノコンギクの花束。


(カナ)




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大島歩いてみました

2014年10月20日 | その他
歩き初めは大島温泉ホテルから

外輪山を下って

いつもは右側へ行くのですが、今日は左側の道へ

車も通る道です

それもそのはず、温泉ホテルの心臓部。温泉の取り込み口がありました

もう車は入れませんね

道が無くてもどんどん進め

昔は炭焼きなどをしていた森

でもね、やはり目印があるから大丈夫

今日の目的地は『千日岩』でもこの名前は仲間内で付けた名前です
18世紀の溶岩でこのあたりではごつごつした姿を残していました

5メートルくらいあるのでしょうか?上の人がわかりますか?

岩の割れ目から木が生えていますし、根も岩肌に張り付いて長く伸びています

私も上から?

最後の登りは少々キツイね

『サザンカの道』にサザンカが咲き始めました

これが咲くと大島は冬に入って来たなと感じます

冬になると大島は山道本番です。草が枯れて歩きやすくなりますし、危険なマムシも冬眠に入るからです。しかし、安心はできません 枯れ草に生息しているダニにたかられてしまう可能性が有るのです。それでも山歩きは楽しい!(しま)
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ハートの奥の風景。

2014年10月19日 | ツアー
海の常連のKさんからのリクエストで、三原山を歩きました。

目が良くて海の中でも様々な小さな生物を見つけるKさん。
今日も次々に「おお~!」と思うものを見つけて、教えてくれました。

まずは、今年初開花のセンブリの花。1cmないぐらいの可愛い花です。

昨日まで「まだ咲かないなぁ」と思っていたのですが、ついに咲き始めました!

イズホソバテンナンショウの実。
何者かが食したあとのようです。

お菓子みたいな色使いで、とても美味しそうでした。(実は毒があるのですが…)

ノコンギクの花弁の上の、細かい水滴。

かなり細かい透明な粒々なのに、よく気がつくなぁと、感心しました。

つややかな緑色のクサギの実!

藍色の大きな実は普通に見かけますが、小さなうちはこんな色をしているのですね。

そして、こんなものも見つけてくれました。

タネが捻れてる…ってことは、ネジバナ!?
ネジバナのピンク色の可愛い花は目立つけれど、タネをじっくり観察したことはありませんでした。

割れて隙間ができた鞘もあれば…


鞘がボロボロになっているものにも、出会いました。

ネジバナのタネは、はじけて飛んだりもするのでしょうか?

ところで今日「きちんと写真を撮りたい」と思っていたものが3つあります。

その1「アザミに集まるハチ。」

ハチ達が花粉を舐めているのか蜜を吸っているのかを追求したかったのですが、
あまりに深く頭を突っ込んでいるのでナニが行われているのかはわかりませんでした。

唯一これが、何となくわかるような?

その2「大きなススキと人」
風にたなびく黄色い穂と、青空の組み合わせが最高です。




その3「溶岩の隙間ごしに見えるイタドリ」
昨日のツアーでこの風景に気づき、ゆっくり時間をかけて撮りたいと思っていました。

溶岩が焼き尽した台地の上に一番最初に芽生えるイタドリ。
生命の象徴のようなイタドリの葉が、ハート型の溶岩の隙間に見えています。

近づいて撮ってみました。

ちょっとハートが崩れちゃいましたが…。

「この位置からなら、ハートに見えるかな?」と研究中のKさん。


転がっていた石に、風が砂を吹き付けて、出来上がった半分粘土細工を施したような風景。




溶岩と青空!


などなど、楽しいツアーでした!

(カナ)
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ハシブトガラスとか

2014年10月18日 | 
今朝の撮影です。

まずはハシブトガラス。
風に乗りながら楽しげに遊んでいました。
見ると1羽がなにかをくわえて他の2羽がそれを追いかけています。











撮っているときはわかりませんでしたがくわえているのはからしのチューブですね。
得意げに逃げ回っていました。


エゾビタキさん。

もうそろそろ見納めでしょうか。


キジバトたち。

北国から渡ってきたチームだと思います。


カワラヒワ。

大陸からやって来たオオカワラヒワっぽい。
今日、かなりの数を見ました。


ツバメたち。



電線で一休み。
ここ数日はいいナギで距離が稼げそうですね。


タイワンリス幼獣。

道路にポツンとしてました。
このあとバイクが来て藪に逃げ込んで行きました。

あとアトリも来て昨日は声を、今日は姿も確認しました。
冬鳥たち、楽しみです。

                           がんま
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秋真っただ中のツアー

2014年10月17日 | ツアー
今日は秋真っただ中の三原山を、Nさんご夫妻と歩いて来ました。
朝8時50分頃の風景です。

私の大好きなススキが、道の両側でキラキラ光っていました!

足もとでは、ハチジョウアキノキリンソウがノコンギクと一緒に咲き始めました。
私は今年、初確認です!

秋のキク科の花々が並んで咲いていると、豪華な感じがします。
そして、もうひとつの代表的なキク科の花“イガアザミ”には…

ハチ達が集まってスゴイ状態に…。

他にもアザミの花は咲いているのに、なんで1つにこんなに集まっているのでしょう??

歩き始めは雲に隠れていた富士山も、少しずつその姿を見せてくれました。

昨日が初冠雪だったそうです。

火口展望所に向かう道も、いつのまにやらすっかり“秋の色”です。


様々な形の黒い溶岩が、キラキラのススキの合間に見える風景。

今年もこの景色を見ることができて嬉しいです。

人の顔のような溶岩も、ジッとススキを見つめていました(?)。


そして、全体がキラキラするススキ野原に負けず劣らず見事なのが…

一カ所にまとまって生える、存在感のあるススキ。

ここも昨年同様、華やかでした。


ところで今日のお客様は、私の大先輩にあたる年代の方達でした。

休憩の時、青空に浮かぶ雲の形があまりに素敵だったので
「写真を撮りませんか?」と声をかけました。

長年一緒に年を重ねて来られたお2人の笑顔が、まぶしかったです。

奥様はこの後「月も出ているわ」と教えてくれました。


真っ白な雲の上に、うっすらと雲と同じ色の月が浮かんでいました。

(私は教えてもらうまで、全然気づきませんでした。)
なんとも爽やかな、秋のツアーでした。

Nさん、楽しい時間をありがとうございました!

(カナ)


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災害後、1年目のツアー

2014年10月16日 | ツアー
昨年の土砂災害後、今日で丸1年が経ちました。
もう1年…まるで昨日のことのようにも思えるのに、月日は確実に過ぎているのですね。

伊豆大島では犠牲者を悼み、黙祷、献花などがおこなわれました。

私が献花に行った時は、保育園の子どもたちも来ていました。

さて今日は朝7時半出発で、広島から来た高校生達31人の三原山ツアーに行ってきました。本当は昨日の予定だったのですが、昨日がずっと雨だったので、今日に振替えての弾丸ツアーでした。(朝10時40分の船で帰る予定だったため)

町が用意してくれたヘルメットを1人1個ずつ配り、2班に分けて嶋田と2人でガイドしました。


昨晩の雨で道路が濡れて、銀色に光って見えました。

とても奇麗!
…ですが、時間がないので脇目も振らずに、ゴツゴツ溶岩へ。

つきました!

溶岩の上でポーズ!

溶岩の周囲にこれだけの人数がいると、楽しいです。

逆光で人がシルエットになって、まるで溶岩の一部みたいに見えました。

「ブログに載せるよ。」と言ったら、集まってポーズをとってくれたみんな。

「溶岩歩き」楽しんでくれたでしょうか?

登りきった所でふと振り向くと、独自のルートを行く3名。

あら、いつの間に??「みんな待ってるから戻っておいで~!」と叫ぶ私…
3人は「ア~楽しかった!と言って戻って来ました。

日程の変更で、行程は予定の半分しか回れなかったけれど、それでも「変更して良かった!」と思えるような快晴でした。

富士山もキレイに見えていました。

もちろん、火口もクッキリ見えました。

雄大な姿を見せてくれた三原山に感謝です!

同じような土砂災害を経験した広島から高校生達が、大島の土砂災害後ちょうど1年になる今日、ツアーに参加してくれたことに不思議な縁を感じました。

改めて、各地域で自然災害の犠牲になられた方達の、ご冥福をお祈りいたします。

(カナ)






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コシアカツバメ

2014年10月15日 | 
今日、雨の中を飛んでいるのを見つけました。
局地的にやって来る夏鳥(今の時期は南へ渡る途中ね)で大島では珍しいです。

えーっと、これは飛び去る後姿。
赤い腰がわかりますよね!



ツバメよりもちょっと大きいです。



あっという間に飛び去ってこの3カットしか撮影できませんでした(涙)
きっといつかまたチャンスがあると思います!

                             がんま
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地球は美しい!

2014年10月14日 | 今日の大島
台風19号が過ぎ去った、今日の伊豆大島"砂の浜”です。

抜けるような青空に、白い雲が浮かんでいました。

台風19号は幸いなことに、強い雨も風も予想よりずっと短時間ですみました。
…が、波はまだ高く、広範囲に海岸を洗い…

人の足跡も全て消し去って、美しい黒い砂浜を再生していました。
波がおさまったら滑らかな黒い砂の上を歩いて、最初の足跡を付けてみたいなぁ…。

青空の下には、赤く熟したマルバアキグミの実が!


表面の白い小さな粒々を取って、3個だけいただきました。

美味しかったです!

空には夕方まで沢山の雲が浮かんでいたので、店に居合わた数人で夕日を見に行きました。

三原山の上の雲がピンクに染まって、なかなか豪華!

そして海の方向は…

おお~!

雲の切れ間から光が…!

伊豆半島の上にも、雲がいっぱいです。

伊豆半島ジオパークの皆さんは、どんな空を見上げているのでしょう?

海からは時々ドド~ン!と大きな音がして、波しぶきが上がるのが見えました。

「波しぶき越しに夕日を撮りたいなぁ」とつぶやいたら、一緒にいたSさんが「柳場さんは既に、それを狙っていますよ。」と教えてくれました。

本当だ!


狙ってます!

…もちろん、私もチャレンジしました。

数分おきに2回ずつ、大きな波しぶきがあがりました。
ドド~ン!

来た~!!

…のは良いけれど、太陽が波に隠れちゃいました。
でも一瞬、波の縁がオレンジ色に縁取られているように感じました。

写真をズームで見てみると…

波が溶岩のしぶきに見えました!

これは?

波がキラキラしてとてもキレイだけれど、ちょっと迫力がありませんでした。

数回のチャンスの中で、一番キレイに写真が撮れたのはこの時です。

太陽が伊豆半島に沈む直前、波越しに夕陽が見えました!

ご覧ください、この美しさ!!

もう、言葉になりません…。

そして、太陽が完全に沈んでからは、波が輝くことはありませんでした。

たった1度の一瞬の輝きを見ることができて、とても嬉しいです。
「地球は本当に美しい。」今日も心から、そう思いました。

お知らせ
鎌倉のカフェレストラン、ソンベカフェで、伊豆大島を応援する物産展を開催してくれるそうです。(ありがとうございます!)

詳細はこちら。http://song-be-cafe.com/info/754127
お近くの方は、ぜひお立ち寄りください。

(カナ)


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嵐の前の…

2014年10月13日 | 今日の大島
本日の三原山

ここまで登って来る道は霧が出てセンターライン波線が3本ぐらいしか見えていない濃霧でしたが山頂は比較的晴れていました。


お昼になりました。こんなにクリヤ!  これから山に行きたいな~

しかし、山頂のお茶屋さん(お店)は?

途中でシャッターが半分開いたのでマスターはいるようでした


ここは誰も居ない様ですね

山にいるのは

ここは派出所 警察官が1名やってきます

合計3人かな

時々  定期バスが

空気を沢山運んで来ます

本日の昼ごろ九州に上陸した台風19号はまだ大島には影響が無いようでしたがその後、大島全島に避難情報が出て、各地区に避難所が設けられました。
夜には大雨警報も出たので土砂災害の可能性も!

島の足は台風や低気圧の通過等でなかなか予定が立ちませんが、それにも増して自然が沢山有るのが好きです。今の台風が何事も無く通過します様に!(しま)

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山頂口でヘルメットの貸し出しが始まりました。

2014年10月12日 | 火山・ジオパーク
また大型台風が、日本を縦断しはじめました。各地でケガ人も出ているようです。
これ以上、被害がでないことを祈るのみです。

ところで台風の狭間の昨日、伊豆大島では御岳山の噴火を受けて、山頂口でのヘルメット配備とポスター掲示が始まったそうです。

「三原山登山の観光客に対する火山防災対策の緊急安全点検を行って、実施可能なものから直ちに行うことにした。」とのことです。

ポスターの内容を、部分ごとに紹介します。
まず、現在の伊豆大島火山の状況。



続いてQRコードつきの「火山情報の入手先」の案内と、ヘルメット無料貸し出しの案内。



「噴石」「火山灰」「火山ガス」それぞれから身を守る方法



ヘルメットの貸し出し場所と…



避難経路などの案内。

ポスター内容は以上です。

実は、御岳山の噴火以降、本気で「ツアー用に、ヘルメットを20個ぐらい買おうか?」と考えていました。

「御岳山と同じような水蒸気噴火は、どの活火山でも起こる可能性がある→将来避難壕が増える可能性があるとしても、予算も時間もかかるものだから急には無理→では、せめてヘルメット持参でツアーに行こうか?」と、このような思考回路でした。

それがヘルメットの無料貸し出し開始!…大島町の素早い対応が、とても嬉しかったです。(ヘルメットは山頂口駐車場以外の2か所合計で50個配備してくれたそうです。)

この情報をくれた気象庁伊豆大島火山防災連絡事務所の加治屋氏は「噴火予知連絡会藤井会長の噴火予知の技術レベルに関する発言の主旨が一部で誤解されている。」と感じているようです。

加冶屋氏は「本当は 『火山は噴火すれば甚大な被害になることがあるが、噴火の仕組みなどは分かっていないことが多いので予知は確立されていない。 だから、火山観測体制を強化し専門家を育成することが必要である。そして、予知できない突発的な現象が起こりうることを理解し、 行政機関と防災機関と専門家による火山防災協議会で火山防災計画を策定することが必要である。 登山観光客の方は、その山の火山活動の状態や噴火リスクと、それに備える方法などを知っておくことが重要。』という主旨だと思います。」 と語っていました。

確かに、国内の火山研究者は40人ほどしかいないと様々なメディアで報道されていますよね。
これってかなり、深刻な問題なのですね…。

ところで私は今までジオパークを通して火山を学び「大島でも過去に“溶岩を流さない火山灰だけの噴火”は起こっていて、それは予測がしにくい。」と理解していたはずでした。

でも今回の御岳山の噴火を見て「理論でわかる」のと「事実を見てわかる」のとでは、全然違うということを実感しています。この感覚は、1年前の土砂災害の時と全く同じです。

ヘルメットをかぶっても100%の安全は確保できません。
でも…では火口だけが危険なのかというと「そうではない」ということだけは、わかります。

知らないこと、わからないことがいっぱいある…それが事実。
私たちは過去に起きたことに学びながら、できる限りリスクを減らして暮らすしかないのだと思います。

だから…台風が過ぎ去ったらヘルメットを持って山を歩いて、自分なりの「火山とのつき合い方」を探したいと思います。

(カナ)

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