グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

伊豆諸島

2022年02月15日 | 火山・ジオパーク
3日前の朝6時、港にいました。

3月に予定されているあるツアーの下見で、利島の宮塚山の下見をしに行く必要があったので、東京から着いた大型船に乗り込んで、利島滞在4時間の日帰りしようとしました。

しかし…利島に近づいたら、「欠航となりました」の船内放送が💦

確かに条件付きではあったけれど、海は静かになっていく予報だったので、なんとか上陸できるだろうと思っていたのですが…。ダメか〜!😅

目の前に見える桟橋は、確かに波をかぶっているから仕方がないか…

ということで、航路上の一番南にある神津島まで行って引き返してくる船に、そのまま乗って大島に帰ることになりました。

これは伊豆大島ジオパークのFBページに載っている写真ですが、船は、これらの島々の間を抜けてくような感じで往復しています。(全部火山なのに、一つとして同じ形はありません!)

なかなか行く機会のないほかの島々。下見の目的は果たせなかったけれど、久しぶりに島を近くから眺めるチャンス。「これを無駄にしてはいけない!」と、帰りはずっと甲板上から写真を撮ってきました。(めちゃ寒かった〜笑)

その時に撮った写真から、島々を紹介しますね。

神津島
伊豆大島とは正反対の個性を持つ、冷えると白くなる粘りの強い溶岩(流紋岩)の島です。

溶岩ドームが並んでできている島だから、伊豆大島と全然形が違うのが面白いです。

一番高い天上山! カッコいいなぁ〜💖

式根島
標高100mちょっとしかない島だけれど、こちらも溶岩の粘りが強くて白い島。

近寄ると、100mとはいえ十分高いし、伊豆大島の溶岩とは質感が違っていて、迫力ありました。


新島
こちらも溶岩ドームが連なる白い島。

でも大きいから、全体を入れるには離れないと撮れません。(まだ入りきらない〜💦)

で、そうとう離れてからパシャ!

(右側の端っこに早島が写っています)

早島(無人島)
やはり溶岩ドームが波に削られてできた島で、近世中期までは新島と砂州で繋がっていたのだとか。

それにしても、完璧なまでの断崖絶壁に囲まれた島ですね!
カンムリウミスズメの繁殖地として有名というのも肯けます。

地内島(無人島)
溶岩ドームが波に削られて、現在の姿になったようですが、新島の港を強い西風から守る役割を果たしてくれているようです(すばらし〜)

妙に黄色く目立ってたのは、木がなくて草ばかりだから。1934年から1969年までの間に、観光目的でヤギ、ウサギ、サル、シカが移入されたことで、植生が著しく破壊されてしまったそうです。

鵜渡根島(無人島)
赤い色が、ひときわ目を引く島です。

溶岩のタイプについては諸説あるようですが、この島の色が赤いのは、波に削られて噴火口の近くに積もったものが見えている、いうことなのでしょうか??

見る角度で、ずいぶん印象が変わりますね。
伊豆大島も、噴火活動が終わって波に削られると、こうなるのかなぁ…

利島
復路は無事、利島の港に船が着きました。

今まで見てきた白い溶岩の島々と違い、伊豆大島と同じ粘り気のない溶岩を流す島です。
なので島の周囲の崖には、何回も何回も溶岩が流れて積み重なっていった跡が見られます(黒い岩の横縞)

離れているので高さがわからないけれど、昔は随分活発に溶岩を流していたのだなぁと崖を観察していたら、その横縞を分断するように縦に伸びる溶岩が目に入りました!

これって、もともとあった地層を割って、地下からマグマが上がってきた証拠(岩脈)ですよね?
今は静かに見える利島も、活発に噴火を繰り返していた時代があるのですね〜。

全部、個性の違う火山の島々を船から見て、「地球ってすごいなぁ〜」と心から思った1日でした😊

(かな)
コメント
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