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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ピンチはチャンス(伊豆大島のオトコエシ)

2018年12月02日 | 植物
今日、元町林道に行ってきました。

元町林道は標高300mぐらいの山腹に伸びる道で、5年前の大雨による土砂崩れ後、修復工事でしばらく通れなかった道です。


入り口から少し歩くと、こんな看板が出てきます。

「この場所危険。通行注意」

ここは、5年前に大きくえぐれ、道が無くなった場所(沢)です。

(2013年11月29日撮影)

当時は植物はなぎ倒され、沢の底を作る硬い溶岩がむき出しになっていましたが…

(2013年11月28日撮影)

今ではラセイタアマアジサイやヤナギイチゴが成長し、沢の底が見えないぐらいに緑に覆われています。

モミジの木も生えているらしく、紅葉も楽しめました。

ところで今日、この場所を訪ねたのは、ある植物を観察するためでした。
その植物とは…

これ。

枯れていますが「オトコエシ」です。

実は約2ヶ月前、この場所で、立派なオトコエシに出会いました。

沢沿いの開けた場所に、何本も生えていました。

大きな葉…


そしてビッシリ詰まった実。

女郎花(オミナエシ)よりも大きく立派なので、男郎花(オトコエシ)なのだそうです。

オトコエシは土砂崩れ前の林道で、小さな株を1つだけ見たことがあります。
でも場所は全く違うし、こんなに立派ではなかったような気がします。

それが、70~80cmぐらいはありそうな大きな株が4〜5本生えていたので驚きました。
ここだけではなく…

別の場所にも生えていました!

調べたところ「山野の日当たりのよいところに生育。造成地によく出現する」らしいので、土砂が沢を削ってできた空間に入ってきたのかもしれません。

神津島や八丈島の植物図鑑にも載っていて、神津島の図鑑には「本州のものと比べるとガッシリしており、つる枝も作らず1本立ちする、島嶼変異型としたいような個体」と書いてありました。

私は今まであまり目にする機会がなかったけれど、普通種なんですね。
今までどこで暮らしていたのかしら??

気づいたのが10月初旬だったため、花は見逃しましたが、実の変化は観察できました。
約2ヶ月前(10月7日)


約1ヶ月目(11月1日)


今日。

なかなかオシャレなデザインですね😀

土砂崩れという「破壊」は、こうやって新たな植物に「新天地で生きるチャンス」を与えるものでもあるのだなぁと、オトコエシを見ていて、改めて思いました。

来年は花の時期に、写真を撮りに行きたいと思います。

(かな)


コメント
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