グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオガイドな人たち

2017年03月24日 | 火山・ジオパーク
毎月第3火曜日はジオガイドの会の定例会。
(参加者はもっといるのですが写真に入りきらず)


今年に入ってからは毎回メンバーが模擬ガイド・プレゼンを披露しています。
今回は3名。


まずは先祖代々岡田に住んでいるKさんが
岡田の地形と暮らしについての模擬ガイドをしてくれました。


岡田はここ↓


まず「岡田港行ったことない人いますか??いませんよね~」
と笑わせ、「是非はともかく、岡田港に船が付くのが多いのはその地形に深く関係します」と切り込んでいきます。
そして人が住むような平地ができた理由も。

Kさんは30年前の噴火を体験してから、自分がいかに自分の住んでいる土地に無知だったかを思い知って、勉強を始めたとのこと。
そしてこのとき読んだ本「火山の話」中村一明著 岩波新書
の中で書いてあったこと

火山島が波に削られないでその形を保っているのに必要なのは、海まで流れだす固い溶岩流であり、その例は
「岡田港付近の突き出した溶岩扇状地である」

その意味が長年分からなかった。
しかしこの写真を見て意味が分かった。
とのことでした。


確かに扇状地なのがよくわかります!
流れることで、人の住みやすい土地ができるという事も。


でも、元々谷になって沢になって、という経緯がなければ、溶岩流は流れないだろう、という考察も。
赤色立体地図も使って考察。


あと、八幡神社の裏に露出している溶岩流跡が何年の噴火のものか、もいずれ解明して、地質図に載せたいという熱い思いも語ってくださいました。

近いうち、実際のツアーもお願いしたいです。



次は郷土資料館で働いているHさん。
「郷土資料館とジオガイド」というテーマで、
普段どんな観点で案内しているか、わかりやすくプレゼンしてくれました。


今、大島の博物館にはそれぞれジオガイドとなった人が所属していることもあり、
連携して立体的にガイドしていこうという動きが出ています。


郷土資料館では主に3つの事を説明しています。

1つ目は大島の成り立ちについて


2つ目は歴史について


3つ目は大島の民俗について


来場者数はここ何年かで増えている!とのこと。


お客さんは、実際に「見てきた」の後に来られる方が多いが、
郷土資料館に来たことで、より知ることができて楽しかった、と言ってくださる。
もっとよかったと言ってもらえるように、今後はもっと山に行ったりいろんな人の活動から吸収したり、現場体験を踏まえて資料館でのガイドに生かしていきたい、と語ってくださいました。



最後は山頂ジオパーク展で解説をしているTさん。
興味のありそうなお客さんの時は紹介しているというプレートの話をしてくれました。


そもそも伊豆大島はなぜこの場所に火山島として存在しているのか?
それを知るには、伊豆大島だけでなく、地球のプレートの動きを知る必要があります。

今回は3月11日が近いこともあり、あの時どこのプレートがどんなふうにはぜたのか、
そして今どこにひずみが溜まっているといわれているのか、なども解説。
大変勉強になりました。

こうして海水を取り除いて&プレートの構造を改めてみると、とんでもないところに住んでいるのが実感できます。



ジオガイドな人たちの研鑽の夜は熱く過ぎていきました。(あい)


コメント
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