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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

2日間のツアー

2010年09月16日 | ツアー
一昨日、昨日とツアーに行ってきました。

一昨日は1人旅の3名の方と、三原山火口展望台一周コースへ。

歩き始めてすぐ、安永の縄状溶岩を紹介しようと立ち寄ったところ、
お客様がトノサマバッタを発見。

縄状溶岩から15cmぐらいしか離れていないスコリアの上で
緑色のバッタはやけに目立っていました。

皆で近づいて写真を撮っても、まったく動きません。
「バッタって、すぐ飛んで逃げちゃうのにどうしたのだろう?もしや…?」

これを読んでくださっている読者の方なら、この「もしや・・・」の続きを
想像してもらえるのではないでしょうか?

そう、産卵していたのです!!
太い産卵管を黒いスコリアの中にシッカリ差し込んで、卵を産んでいました。
皆で10cmまで近づいて激写しても全く逃げようとしませんでした。

皆、大興奮です!

230年前の噴火で流れ出た縄状溶岩のすぐ脇で、寿命3週間のトノサマバッタが
次の世代に自分の命をつなぐために卵を産んでいる…その膨大な時間の隔たりを思う時、
命というものの奥深さを感じずには居られませんでした。

ここにある溶岩が230年という歴史を持つ事を知ったことで、
目の前の光景がより深みを持って感じられて、「すごい、凄い~!」と何度も叫んでしまいました。

カルデラの中では全てのハチジョウイヌツゲが、新緑を伸ばしていました。
イヌツゲって春と秋の2回、成長するのですね。それとも今年は異常(?)。
これは来年ちゃんと観察しなくては!

そして中には半年間違えて花をつけているものまで…。

こんなに時期がずれて咲いて、はたして実を作れるのでしょうか??
これも経過観察しなければ。(宿題ばかり…)

その他にもいろいろな発見があって、楽しく歩いた半日でした。
全コースは写真上には描ききれません。

参加された皆さん、お疲れさまでした。

さて昨日です。
鴻池と二人で、T大学の学生さんたちのショートツアーをご案内しました。
「持続可能な観光」を考えるために、初めてのエコツアーに参加していただきました。

この日もトノサマバッタがあちらこちらで観察できました。
…というか、学生さん達が見つけてくれました。

男性軍はすっかりハンターの目になり(?)すばしこいトノサマバッタを捕まえて
見せてくれました。いや~、ハンターが居ると盛り上がりますね~(笑)。

つかまって困った顔の褐色型のバッタ君です。

前日の産卵の後の卵を探そうともくろんだのですが、
どこにも見つかりませんでした。
産み終わった後ちゃんとスコリアをかけて、隠したのでしょうね。

1986年の溶岩流の上。

皆でガラガラの溶岩の下からハチジョウイタドリの種を探しました。
噴火のダメージに負けずに生きようとする植物達の姿に、何かを感じていただけたでしょうか?

お泊まりが温泉ホテルだったので、樹海10分コースも歩いてみました。

山頂へ向かう道では、ホタルガがまるで行く手を阻むかのように飛び回っていました。
ものすごい数です!並みの量ではない感じです!!

樹海には幼虫のご飯になるヒサカキが多いので、きっと親もここに集まっているのでしょう。
ホタルガファンの人(誰?)、今が旬ですよ~、温泉ホテルへ急いでください。(笑)

短時間でも歩くことで、様々なものを見つけたり、感じたりすることができます。
遠くから見るだけでは決して味わうことのできない自然の多様さや輝きに
自分自身の五感を使って触れることで、なにか心に響くものを残せるはず…。

今回のツアーに参加された学生の皆さんが、“持続可能な観光のためのエコツアーの役割”を、
何か感じてくれていたら嬉しいです。

(カナ)

コメント (2)
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