久しぶりにお気に入りの箱根の散歩道に出かけてみました。去年の台風19号の豪雨による被害で一時通行止めになっていたようで,どんな様子か心配でしたが整備されて通行可能になっていました。崖崩れのため10mほど道が崩落しているところがあり被害の大きさがしのばれます。きちんと迂回路が整備されており,ありがたいことです。以外に知られておらず歩く人が少ない遊歩道ですが,関係者の方々には感謝です。
いつも紅葉のショットを狙う木はこのあたり。今はさすがにまだ地味です。新緑の青もみじも綺麗なんですが,まだもう少し先ですね。
道沿いには沢山のすみれが咲いていました。
キブシ(木五倍子)という花だそうです。
ホトケノザという小さな可愛らしい花。
(注:ヒメオドリコソウではありませんでした。似てるけど違いました。訂正します。)
紅葉の時期は特に素晴らしいのですが,新緑の頃にまた来ようと思います。
今年もまたこの季節がやってきました。2年間の臨床研修を終えて今年も研修医達が巣立って行きます。皆それぞれが,自分の新しい夢に向かって一歩を踏み出してゆきます(東海大学から6ヶ月研修の先生も巣立って行かれます)。
この時期になると,30ウン年前の自分に思いを馳せます。皆それぞれ別の道に進むわけですが,医師としての最初の一歩を過ごした時間は,良きにつけ悪しきにつけ一生残るものです。願わくば彼らにとって,それが良いのものであったことを望みます。
毎年話していることですが,これからの長い医師人生の中で何かの縁で,また一緒に仕事ができる日がくれば我々にとって指導医冥利につきるというものです。
皆さんの今後の健闘を祈ります!!!
ちょっとした用で銀座まで出かけました。今まで何度か近くを通ったことがあったのに,こんな岡本太郎のオブジェがあるのは知りませんでした。「太陽の塔」のミニ版みたいです。ネットで見ると,夜のイルミネーションも綺麗みたいですね。今は寒いけど,今度は夜に見てみたいです。
少しづつ眩しい新緑が見られるようにもなりました。
通りがかりのお菓子の店で。
古いビルの階段で。歴史を感じさせる文字が面白くてシャッターを切りましたが,面白い造形になりました。
この本については,恥ずかしながら翻訳書が出るまで知りませんでした。以前に慶応大学の門川俊明先生が紹介されていたのを見て知りました。かなり前に購入してあったのですが,落ち着いて読む時間がなく何度も自宅と病院の間を持ち歩いていました。
このところの新型コロナ絡みの対策会議などで連日忙しく,少し嫌気が差していたのでふと思い立って朝から読み始めました。軽い気持ちで読み始めたのですが,一気に最後まで読んでしまいました。Cover to coverで本を一気読みしたのは久しぶりです。読み終わった時は,心が穏やかになったような,何と表現すればいいんだろう・・・「静かな感動」がありました。忘れないうちに書き留めておこうと思います。
第1部は「歴史上のヒーラーたちから学べること」と題して過去から現在に至るまでの医療の世界での偉人とされる人たちについての記載があります。
紀元前の時代からイムホテップやヒポクラテス,さらに漢方医学や中世医学の世界など古今東西の偉人の言葉が紹介されています。なかでもアヴィセンナについては「おや,ここで再会」と思いました。アヴィセンナは中世ペルシャ時代の医師であり哲学者で,別名ハキーム・イブン・スィーナーとも呼ばれていたとあります。私が翻訳に関わった『サパイラ』の第2章医療面接の項(第2版 p40)で「イブン・シンナ」という医師のエピソードが書いてありましたが,これが同一人物であることを知りました。ある国の王子が病に伏せってしまい原因が不明だったが,この医師が王子から脈をとりながら話を聞いたところ,王子が一言も話さずとも脈の変化からその原因が,町で見かけた若い女性に一目惚れした「恋の病い」であることを突き止めたというのです。
もちろんウィリアム・オスラー卿のことも書かれています。医師だけでなく,ナイチンゲールのことも,そして何名かの現代の偉人にも触れられています。
第2部は「現代のヒーラーへの実践的なアドバイス」がまとめられています。前半部分は,プレゼンの仕方,コミュニケーション能力や心構えといった実践的な内容について書かれています。私が特に印象に残ったのは,後半の「医師の日誌」という章でした。日々過ごす臨床の経験から著者が印象に残った患者についてのエピソードについて書かれており,これを著者は「人生における真実の詩」と呼んでいました。詳細な内容には触れませんが,この中で「2度謝った患者」のエピソードは強く印象に残りました。
これを翻訳して下さった塚原和樹先生は直接面識はありません。著書やブログを拝見しただけですが,内科医としての実力と穏やかで沈着な心を持った腎臓内科医だろうなということが推察されます。付け加えると,先生が共著で出されている『腎臓診療の考具箱』という本は「重要な考え方だけどちょっと理解しにくいトピック」を非常にわかりやすく解説した素晴らしい本だと思います。
本書は医学的な内容だけでなく,文学的な内容もあって元の英文は意外に難しいのではないかと想像しました。しかし翻訳は自然な文体でとても読みやすい文章です。相当推敲を重ねられただろうと思います。また一人で翻訳するのは大変な作業だっただろうなあ・・と思いました。そのおかげで私などはサクサク読めるわけで,訳者の塚本先生には感謝の気持ちしかありません。本当に素晴らしい本に出会えました。ありがとうございました。きっと,これから何度も読み返すことになるでしょう。