当院の「モーニング・レポート Morning Report（MR）」がインターネットTVで紹介されます。
医師向け会員制情報サイト『MedPeer メドピア』で，放送が開始された MedPeer channelの「潜入！隣の症例検討会」という番組です。今回収録をお受けするまでこのサイトを利用してなかったので，エラソーなことは言えませんが，もし視聴可能な先生がおられましたらご笑覧ください（MedPeerは医師であれば無料で登録できます）。
2020年1月8日（水）18:30からの放送予定です。
モーニング・レポートは，当院で毎週月曜から水曜の朝に1時間行っている研修医向けの教育カンファレンスです。もともとは米国の内科レジデンシー・プログラムでは，ごく一般的に行われているものです（昨今は国内の研修病院でも，名称はともかく同じような形式で導入している施設は多いと思います）。大体はチーフレジデントが司会役となり，レジデントが自分が経験した症例を経時的に情報を出しながら，皆で鑑別診断やマネジメントを考える形式で行われます。
施設によって多少の違いはあるようですが，フォーマットは大体同じです。「年齢・性別・主訴」を導入として，時間的経緯にしたがって追加情報が提示され，その時何を考えどう行動すべきかなどについて，皆で意見を出し合ってホワイトボードに記入していきます。特に当院では，病歴と身体診察（H&P)で何を疑い「どんな質問をするか，どこに注目して診察するか」に重点をおいています。このためH&Pだけで30分が過ぎてしまうこともしばしばです。その後，鑑別診断を元にどんな検査をするか，並行してどのように初期治療に動くか，最後の10分ほどで検査結果，最終診断や経過，およびその症例から学ぶべきポイントを確認して終了です。私が主宰する『大船GIMカンファレンス』の短縮バージョンのような体裁ですね。それぞれ研修医自身，何か学ぶことあった症例を持ってくるので，研修医だけでなく我々ベテランにとっても学ぶことが多いカンファレンスです。
10年来続けていますが，数年前からは「どの診療科を回っていても研修医は参加」を義務付けているため繰り返し良いトレーニングになります。月に約10回は行うことになるので，当初はまったく意見が言えなかった初期研修医も，次第に意見が出るようになってきます。２年間の初期研修を通して，全員がほぼ基本的な「型」は身につけてくれると感じています。内容や質はともかく，まずはこの「型」を身につけることが重要だというのが，これまで沢山の研修医と接してきた実感です。
今回の番組は，ある日の普段どおりのモーニング・レポートを収録した内容を短くまとめたものです。１時間のカンファレンスが放送向けに15分程に編集されたのを拝見しましたが，さすがプロだなあと感心させられました。以前，何度か雑誌に掲載されたこともありますが，動画と文章ではその場のニュアンスなどの伝わり方が全く違いますね。
放送はアーカイブとして後からみる方法は現時点ではなさそうです（未確認）。でも再利用の許可をいただいているので，放送終了後に当院の臨床研修のHPにアップする予定です。
※『MedPeer Channel』は 平日 12:00～24:00まで放送されているインターネットTVで，医療関連ニュースやちょっとした情報が眺めているだけでも得られるというのが基本コンセプトで，１本あたり15分程度の番組で構成されていると伺っています。
※追記 放送予定が変更になったようです。以下の通りです。
《#4 大船中央病院》
1月9日（木）18：30～、20：30～、22：30～
1月10日（金）12：30～、13：45～、14：30～、16：30～、18：45～、20：45～、22：45～
