H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

Morning Report (MedPeer channelで放送分)をご覧いただけます

2020-01-19 | 臨床研修


当院の教育カンファレンスである Morning Report の様子がインターネットTV(MedPeer channel)の番組で放送されたのは先日お知らせしましたが,許可をいただき当院のHPで公開しました。以下のリンクよりご覧いただけます。

https://www.ofunachuohp.net/r_resident_news/morning-report_2/

 

今回の症例は,食思不振,嘔気などで内科コンサルトになった高齢者でした。当初は診断が絞りきれませんでしたが,polypharmacyがあって内服薬にビタミンD製剤が含まれていたことから,一気に皆の思考過程が高Ca血症に向かった症例でした。

症例によっては,有力な鑑別診断が想起されずに最後まで「ぐだぐだ」になる場合もあります。それもリアルワールドでは起こることなので,最終診断が判明したあとで,なぜ当初迷うことになったのか,その思考過程をを後から検証すれば非常に意味があるものになります。

当院のMorning Reportでは,プレゼンする研修医以外は,誰も内容を知らされないで行うのが原則です。興味深い症例を経験して医師の間で少し話題になったときでも,研修医はほとぼりがさめるまでしばらく「寝かせる」ことがよくあります。ある程度,議論がすすんだところで「あの症例だったのか・・」と判明するわけです。これにより自分が関わった症例であっても,参加者と司会が白紙の状態から一緒に考えてゆく過程を共有できるように思います。

臨床推論のカンファレンスといっても,参加者と症例提示者の間で「〇〇はどうですか?」「●●でした」という問答がひとしきり続いたあと,それでは鑑別診断を挙げて下さい・・となりがちです。これだと,ある程度の情報のかたまりと診断を1対1で挙げて,いわば当て物のようになってしまう危険があります。実際には「なぜその質問をするのか,何を考えたからなのか」あるいは「なぜ思いつかなかったのか」という部分に焦点を当てることが重要だと考えています。

今回の収録は初めての試みでしたが,自分達にとっても客観的にカンファレンスを見直す良い機会になりました。今後も数ヶ月に1回くらい収録される予定です。決まりましたらまたこのブログでも紹介します。

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