明日,郷里にもどるという先生から心のこもったお礼のメールをもらいました。
ちょうど「抽選で当たって実家から送ってもらったのでどうぞ」と,先日彼からいただいた焼酎を開けたところでした。「なんという旨い焼酎だ!」と感動していたところに,その彼からメールが届いたのでした。
「明日,鹿児島に帰ります。2年間ありがとうございました。」
その後に続いた感謝の言葉は本当に嬉しいものでした。旨い焼酎が,さらに美味しく感じられました。この2年間が彼にとってよい経験だったこと,言葉として直接言ったことはなかったけれど伝えたかったこと「謙虚に学び続ける姿勢」を彼が身につけたことがよくわかりました。これぞ指導医冥利につきる思いがしました。今年はコロナのせいで,最後にゆっくり盃を交わしながら語り合うことは叶いませんでした。とても残念なことでしたが,それは将来への楽しみということにしました。
これまで何人もの研修医を送り出してきました。あまりに数が多くて,誰が誰の上の学年とか,もう分からなくなります。最近は立場上,研修医達と長い時間を過ごすことは減ってしまいました。でもたとえば病棟などで,研修医と一緒に過ごしたふとした出来事は,不思議によく覚えています。みんなそれぞれに思い出があります。今年巣立っていった4人の研修医達もみんな優秀で,それぞれ違った「持ち味」があって印象深いです。
帰ろうかなと思った矢先に,DKAの患者を一緒に夜中まで診たT先生,上記のメールをくれた先生とはTorsade de Pointesで何度も目前でVTを起こす患者を一緒に診たこと,そして転院搬送の添乗を(君なら大丈夫!と肩を叩いて)彼に任せたこと,録音聴診器を発明したI先生とは,何度もフィジカルオタク談義に花が咲きました。そして一見派手さはないけれど,着実に患者さんの診療にあたってくれ信頼感抜群だったK先生。全員が私にとっては大切な教え子「大船の卒業生」です。きっとこれから各自の分野で成長して,自分のようなオジサンを超えていってくれることでしょう。いつの日にか再開する日が楽しみです。
そんなことをぼんやり考えて飲んでいたら,つい飲みすぎてしまいました。イカンイカン,こんな旨い焼酎,パカパカ飲んではもったいない,もうやめておこう・・・(笑)