H's monologue

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祝 『A LONG VACATION』 40周年 〜ナイアガラーへの道〜

2021-03-21 | 趣味趣味


今年もナイアガラの日。ロンバケ40周年です!! 大滝さんにならって「Load to ナイアガラー」を書いてみました。

 

超歴史的名盤『A LONG VACATION』(通称 ロンバケ)を初めて目にした時のことは,今も鮮明に覚えています。

大学5年の頃です。当時は「レンタル・レコード」というのが全盛でした。下宿の近くにある行きつけの店で,いつものように店長の兄ちゃんと話しながら面白いレコードはないか物色していたときです。「おっ!?」と目を引くジャケットのアルバムを見つけました。それが『ロンバケ』でした。完全に「ジャケ買い」(買ってないけど)でした。

早速借りて,聴いてみたところこれが最高にカッコいい。美しい声とメロディライン,そしてぶ厚い音のシャワー(のちにナイアガラ・ウォール・サウンド,さらに言えばフィル・スペクター・サウンドと知る)がとってもいい!『ロンバケ』をカセットに録音して返却するときに,別のアルバムも借りてみました。「大滝詠一」名義で面白そうなジャケットのアルバムが他にも沢山ありました。同じような感じを期待して,次に借りたのは,たしか『ゴーゴー・ナイアガラ』か『ナイアガラ・ムーン』だったと思います。これが私の長い長いナイアガラー人生の始まりでした。

   

聴いてみるとびっくり仰天,有頂天。ロンバケ路線とは全く逆の面白い変な曲ばかり。何じゃぁコリャ??と,最初は正直ズッコケました。ところが,聴きこむうちにその面白さにどんどんハマっていきました。そして次々とアルバムを聴くようになりました。

音作りやアレンジが面白く,複雑な言葉遊びの歌詞など,聴けば聴くほどスルメのように味わいがあります。その究極が『レッツ・オンド・アゲイン』です。初めて聴いたときには,ほんとにひっくり返りました。色々,資料を漁ると細かい仕掛けが随所に隠されていることも分かってきました。1曲めは「峠の早駕籠」という曲ですが,のっけからアルバムのテーマのひとつである「エッホ,エッホ・・」という駕籠の掛け声がでてきます。LPレコードは33回転でレコードの溝から針で音を拾っていますが,曲が終了して一番内側の部分になると「エッホ,エッホ・・」の掛け声が出るようにうなっていたそうです。つまりオート・リターンじゃなければ,レコードが周り続ける限り永遠に約2秒で1回転のリズムで「エッホ,エッホ・・」が続くという・・・。ただし,これは初回プレス盤だけの仕掛けだったそうで・・そんなコダワリを確認したくて初回盤を探して入手したりしました。(結局アナログプレーヤーが壊れて確認できていません)。

個人的に一番好きなアルバムは『ナイアガラ・カレンダー』です。1月から12月に渡ってメロディックな曲からノベルティ路線までバラエティに飛んだ曲が並んでいるのが秀逸です。何度聴いても聴き飽きません。本ブログの「内科医のカレンダー」はこのアルバムにちなんでいます。本当は単行本で出したいと目論んでいたのですが,頓挫しているのでブログで細々と続けている次第(いつかまとめて「アルバム」に仕上げたい)。

「面白ソング(ナイアガラでいうところのノベルティソング」の沼は深く,パロディやオマージュの元ネタ探しの沼にハマるとえらいことになります。私はそこまで音楽に博識ではないので,ナイアガラー関連の書物で紹介されている音源を入手して聴いてみる・・といった感じです。同じ曲をいろんな人がカバーしているので,比べてみるのも楽しいです。こうして徐々にナイアガラ(大滝)の深みにはまっていくことになります。

特に私の場合,大滝さんを入り口に「クレイジー・キャッツ」に世界が広がりました。子供の頃にかすかにテレビで見た覚えがありましたが,あらためて聴くと一流ミュージシャンが音楽で「真面目にふざける」面白さを知りました。

面白いものつながりで,当時デビューしたばかりのタモリのアルバム(『タモリ1』『タモリ2』)を入手したのも,この頃でした。1枚めを聴いて面白かったのですぐに2枚めも買いに行きました。続けて買いに行ったのでレコード屋のレジのおねーさんに「なんだか変な趣味・・」みたいな顔をされたのを覚えています。(これについては,またいずれ書こうと思います)

その後の安定のクオリティの『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』そしてもう一つの超名盤『 Each Time』と続きます。ま,当然これらの40周年も来ることを期待しています。

ナイアガラーになると,次第に同じジャケのLPやCDを何枚も所有するようになり,それぞれを製品番号(35DH1とか・・)で区別するようになります。同じようなジャケを並べて眺めながらニンマリして家族に呆れられるようになるとナイアガラーの一丁上がりです。さらには周辺の分野に手を広げるともっと大変なことになります。

『ロンバケ』が発売された年にLPアルバム9枚組の『Niagara Vox』が発売されました。当時は学生時代でお金がなくて,欲しかったけれどとても買えませんでした。聴いていたアルバムはほとんどレンタルレコードからカセットに録音したもので済ませていました。ですから研修医になって初任給をもらったときは,真っ先に2万円を握りしめてレコード店(当時まだあったCHIYAMA 注)に『Niagara Vox』を買いに走りました。(注:サザンのファンには有名な店。「夕方CHIYAMAに集合」で検索のこと)

CDの時代になり,仕事が忙しかったり他の趣味に走ったりして,しばらくナイアガラから離れた時期があります。でも,ある時期からまたナイアガラーの血が騒ぐようになり関連ディスクをまたネットで漁るようになりました。あらかた集まったので,最近は毎年3月21日に「ペット・サウンズ・レコード」さんから「新譜」を購入するのが恒例になっています。

大滝さんを入り口に,いろんな世界が広がりました。アメリカンポップスの歴史,ノベルティソングから遡ると「クレイジー・キャッツ」さらには「小林旭」とか,こうしてナイアガラ関連でいろんな分野やアーティストの世界を知ることになりました。さらに後年は「映画カラオケ」でこれも驚きます。大滝さんの凄いところは,カバーする幅の広さと一旦極めるとその深さが尋常じゃないところでしょうか。

昨年の3月21日にリリースされた『DEBUE AGAIN』では,未発表音源によるニューアルバムに感激しました。これからも毎年3月21日に何が発掘されてでてくるのか,ナイアガラーの道は続きます。でも,師匠の言葉どおり「期待は失望の母」,期待せずに待ちます。

 

 

 

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