去年震災のために中止となった水戸若手医師セミナーが,今回リターンズとしてあらためて開催された。
今回はやらかしてしまった。水戸駅に到着してまっすぐ水戸協同病院に直行。病院の受付で
「あの~,地域医療研修センターはどこでしょうか?」と訊ねると,
「は???」という反応をされてしまう。何やら様子が変だ。開催要項をよく見ると水戸は水戸でも「水戸医療センター」が会場であった。慌ててタクシーに飛び乗り何とか間に合った。げに思い込みは恐ろしい。
さて内容はどれも素晴らしいものばかり。皿谷先生の「染め太郎,染め子」になろうというグラム染色にまつわるパール,知念先生の死亡前に診断できなかった症例集。30分という時間制限の中でコンパクトにまとめられたクリニカル・パールが満載。自分の発表「輸液のコツ」を30分でというのは難しかったかもしれない。
続いての3例の症例カンファレンスは,どれも非常に面白いものだった。1例目が,失神・頭部打撲で来院した一酸化炭素中毒。2例目が大腿痛,脱力で受診した若い男子大学生のdry beriberi。3例目が便秘を主訴にした甲状腺機能低下症。どれも病歴がやっぱり重要というメッセージが明快な症例ばかり。
トリの成田先生の講演「ツツガムシ病のすべて」には圧倒された。基本的なことから,疫学,臨床徴候,最新の知見に至るまで網羅して,しかも聴衆をentertainして飽きさせない素晴らしいレクチャーだった。これは小規模のカンファレンスだけではもったいない。内科学会総会の教育講演としてもいいのではないだろうかとの参加者の声しきり。
勉強会のあとは,大洗の民宿で先生方と宴会でアンコウ鍋料理。いや楽しかった。是非2回目を!