面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

紫亭京太郎 in 「同志社大学喜劇研究会『OB寄席』」

2011年10月03日 | 落語
10月1日、母校・同志社大学寒梅館にて開催された、「同志社大学喜劇研究会・OB寄席」。
我が“出身母体”である喜劇研究会OB会による初の試み。
と書くと何やらタイソウな趣になるが、単に“出たがり”のOB有志が集まって寄席を開いた、というワケで。
しかし、大トリに大先輩である噺家・二代目森乃福郎師匠を迎えて、それなりに“ハク”を付けたりなんかしているところは姑息!?

OB会の宴席を催したり、OB名簿の管理をされている「裏方大好き」というありがたい14上の大先輩が、今回の寄席でも様々な段取りをとられて開催に至ったのであるが、その方からお声かけいただいて自分も出演した次第。
出演するからには自分も何か役に立たなければと、普段使っている見台とめくり台、それに寄席囃子のCDをかついで参加した。
そして自分の出番は、「『社会人落語日本一決定戦』にも出てるし」というようなことから、なんと大トリ・福郎師匠のヒザ(大トリの前)というエライ出番!

開場から上々の入りで(ほとんどがOBなのだが)、声をかけてくださった“段取り”の先輩の開口一番でスタート。
中入りに入ったところで客席から控室に移動した。
着替えて出番に備えているところで福郎師匠から、
「(お客さんを)笑わしてや」
と“指令”を受けて、気合いを入れ直す。

舞台そでにあるミキサールームに入ると、前の先輩がまだ落語に入らずに、タイガースの法被を着ながらマクラをふっていた。



しかしこのマクラが爆笑モノで、喜んで聞いていると突然、落語を知っている人間ならビックリするようなシーンから噺に入った。
そして少し経つと今度は、「そこで終わりかい」という場面で、ふいに噺が終わってしまった!
慌ててミキサーを担当している先輩が出囃子が鳴らして、頃合を見計らって高座へ。
先の先輩をダシにマクラをふると、上手い具合に笑いが沸き起こった。
無事に自分のペースに入っていけるとエンジン全開!
後は勢いに任せての「ちりとてちん」



要所要所で笑いをとることもでき、なんとか福郎師匠からのミッションを達成して高座を降りた。
控室へ戻ると襦袢は汗だく。
すぐに着替えると、ペットボトルの茶をイッキ飲みして一息ついた。
心地よい疲労感を覚えながら、差し入れでいただいたいくつかの菓子類をつまんで、しばし休憩…

汗が引いたところで、福郎師匠の高座を、客席の入口脇から見守った。



改めて自分の“ガチャガチャ”した高座との大きな差を思い知らされる。
やっぱり、心地よく落ち着いて楽しく聴けて当然笑える。




オチの前に客席を出て、控室の片付けに取りかかった。
全てが終了したとき、ミキサーの先輩がつけていたタイムテーブルによると、自分が一番長い時間しゃべっていたことを知って愕然!
大トリの師匠の直前に、なんと35分も高座に“居座った”のだから、失礼にも程がある。
なんともはや…
しかし、ここがアマチュアの悲しさということで、勝手に自分で納得して開き直った♪

福郎師匠は生業であるから別にして、第10代会長である先輩が寄せたプログラムの「ご挨拶」にある一文が、出演者の気持ちを代弁する。
「『おやじバンド』をやっている連中の気持ちがよく分かります。」
ギターを扇子に持ち替えて、高座に座り込んで歌声ならぬバカ声を張り上げる姿は、正に「おやじバンド」そのもの。
(…「そのもの」というのは語弊があるか)

70年代に喜劇研で青春をほとばしらせた諸先輩との“夢の共演”のひと時は、あっという間に楽しく過ぎていったのだった。


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