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目先と後先

2011年07月03日 | 野球
阪神打線爆発! 先発全員安打で横浜を3タテ(サンケイスポーツ) - goo ニュース


城島“亡き後”の“後妻”藤井が試合も“アフター”も大活躍で、大阪出身ならではのお立ち台コメントでスタンドを沸かせ、非常にイイ雰囲気になってきたタイガース。
週末の横浜3連戦で、今季初めての同一カード3連勝。
ゴールデンウィークに3タテを食らわされた復讐を、ようやく果たすことができたとは何とも不甲斐無い話。
改めて現首脳陣のテイタラクぶりを思わされるが、真弓監督の後を襲う人材は誰かを考えると、これまたウーン…。
目先の1勝を取りにいける態勢が整ってきた気配はできてきたが、「将来の勝ち」を取りにいける態勢は整っているのだろうか。

そもそも、岡田監督で長期政権を続けるつもりだったのが、“まさかの逆転負け”でチームを去ることになってしまったのが計算違いだったろう。
しかし、岡田が逆転V逸での辞意を表明した時点で、果たして球団フロントは何を考えていたのだろうと思うと、甚だこころもとない。
その後の状況を見ても、岡田の次をどう考えていたのかは不明確極まりない。

二軍監督の平田が次の候補かと思ったものの、星野さんがタイガースを出て行った途端に馘首されてしまったところに、いかに阪神球団が星野さんを疎ましく思っていたかを感じたもの。
今年の株主総会で、阪神球団フロントに対して2軍で実績を残していた平田を切って、大戦力を整えながら使いこなせない真弓監督以下を残すことの不明を訴えた株主がいたが、全くその通り。
星野さんがSDとして残ってくれたにも関わらず、結局は昔ながらの阪神独特のドロドロした人間関係・派閥争いに伴う情実監督人事の体質を変えられなかったのかと思うとイヤになる。
「星野色」を払拭したかっただけのヤカラ共がせせら笑っている、としたらタイガースに未来は無いのだが果たして…?

過去のタイガースを振り返ると、幹部候補生として現役時代を過ごし、将来の監督含みでコーチや二軍監督を経験してきた選手で優勝できたのは岡田監督が初めてだった。
安藤監督はもう少しで優勝…というところまでいったものの、1984年限りで退任せざると得ず、優勝の栄冠は後任の吉田監督に掬い取られてしまったのがケチのつき始めか。
次の幹部候補生だった中村勝広は、ロクな実績を残せないまま終わってしまった。
これは彼の力不足によるものに他ならないのだが、球団の育て方が悪かったのか、はたまた本人がそもそもそんな器ではなかったのかは分からない。
まあ、オリックスに移ってからの業績を考えると、なんとなく理由は推察できるというものかもしれないが。

そして“3代目”幹部候補生だった岡田は、まずは“野村・星野遺産”で優勝を勝ち取って実績を残し、自分の地位を確保したのは見事だった。
いくら遺産とはいえ、それをしっかり勝ちに結び付けられるのは、やはり手腕を持っているというもの。
その後は、シーツや新井のファースト起用や平野の獲得など、自分のチーム作りを進めて本当の意味での長期政権を築けるかと期待した矢先に退陣してしまった。

その後任に真弓が座ったとき、暗黒期へと転落していった頃のタイガースが戻ってきたような気配がして、イヤな予感がした。
今、どう考えても阪神球団には、日本ハムのような確固たる球団経営理念はなく、ヤクルトの小川監督のように地に足をつけて人材を育てようという思いも感じられない。

チームの上昇は今季だけの楽しさ。
これがそのまま有終の美に完結したとしても、宴の後の寂寥感は並大抵ではないのだが…