1986年10月25日のニューヨーク。
レッドソックスが68年ぶりのワールドチャンピオンに王手をかけて試合に臨むこの日、大のレッドソックスファンで劇作家のニック(マイケル・キートン)は、新作の初演を迎えようとしていた。
しかしそのときのニックは、浮気がばれて妻に三行半をつきつけられるわ、娘に愛想をつかされるわ、さんざんな状態だった。
更には、悪名高い批評家のスティーブン・シュウィマー(ロバート・ダウニーJr)が彼の舞台を見に来るという情報を耳にて…
原題は「GAME6」。
これは、ボストン・レッドソックスファンにとって“大リーグ史上最悪”と言われる逆転負けをした86年ワールドシリーズ第6戦を指すのだとか。
タイガースになぞらえれば、さしずめ昭和48年の最終戦か。
レッドソックスが大阪弁で言うところの“ドインケツ”な試合をかましたその日、同じように“ドインケツ”に向けてまっしぐらに突き進もうとしている劇作家。
徹底的なマイナス発想にとりつかれた男の一日を、野球の試合と並行させながらユルユルと描き、最後には、まあ人生そんなに悪いもんやないで♪と思わせる小品。
それにしても贔屓チームの動向が生活に連動しているファンというのは、洋の東西を問わず存在するのだということがよくわかった。
エンドロールで流れる「野球場へ連れてって(Take Me Out To The Ball Game)」が味わい深い。
「
ライフ・イズ・ベースボール」
2005年/アメリカ 監督:マイケル・ホフマン
出演:マイケル・キートン、ロバート・ダウニーJr、キャサリン・オハラ、グリフィン・ダン