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日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
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鶴見和子と水俣 杉本 星子/編

2025-06-19 02:14:28 | 読書

 鶴見和子さんの甥っ子が、先にご紹介させて頂いた、 こちらとこちらの著者なのです!関連図書で見つけ、水俣出身の自分なので、この機会に目を通してみました。

民俗学、歴史学、環境科学など、あらゆる分野の専門家が 鶴見和子さんが残した多くの所蔵コレクションから、社会学者、鶴見和子氏紐解いていく、「水俣との出会いが、どのように『内発的共生へと繋がっていったのか」そのような論文が多かったです。 勿論、水俣病との関係性や、「言葉ではなく、魂で」水俣病患者と接して欲しいと言う地元からの要請に応えようとする鶴見さんの姿が、ここに収められた論文から感じ取れました。和子さんの甥である、鶴見太郎さんの論文も掲載されていました。

 最も印象に残ったのは、水銀を垂れ流しにし続けたチッソ工場が、何が原因かを誤魔化すために、風土病でもないのに、「水俣病」として世間に広がることを推奨したことでした‥‥

 観光バスが水俣を通り抜ける際、バスガイドが「窓を閉めて下さい」と言っていたというのは、過去の話かと思ったら… つい最近もありましたね。ハイジが登場するCMで有名な塾が、テキストに 「水俣病は遺伝する」と記載していたとか…⁉ まだ…この程度の認識…? 怒りを通り越して飽きれ果ててしまいました… 

 学生時代、大学3年の時でしたが、自分も水俣市で開催された国際フォーラム(シンポジウムだったかなぁ…記憶が…)に祖父と二人でお邪魔したことがありました。

 カリフォルニアから来られたパネリストの方に、休憩時間に話しかけると、なんと祖父は、大学教授と間違えられました! 国際会議の後に開かれる立食パーティーへ誘って頂いたのですが、関係者でもスタッフでもないので遠慮しました… 今になって後悔…💦

 あれから30年以上の月日が流れ… 今も解決しないまま… 水俣の海だけはタツノオトシゴも戻って来て、地元民の皆様の努力で蘇ったようです。地元の方々の「内発的共生」そのものの結晶なのではないでしょうか。回復する自然と、記憶を語り継ごうとする人の力が、ようやく静かに寄り添い合ったのだと感じました。

 パネリストのお一人だった、原田先生が、「水俣出身の社会学者が出てきて欲しい」と壇上で仰った時、「自分がなる!」と心の中で想ったのでした… 大学卒業したあと、ワーホリ→出稼ぎ目的で帰国→再渡豪→M.A. in Sociology, Communication and Cultural Studies. 取得、ここまでは良かったのですが… 大不況の日本に専門を生かせる仕事はなく、それでは自分で仕事は作ろうと恩師に相談→ 市内の小学校に School Social Worker 初設置(海外の学校には最低一人、スクールソーシャルワーカーを配置していると自分が説明)→ 応募用紙は送れない、と言われ断念。(理由は分からず…1つだけ、小学校の若手教師に、社会福祉士の資格を取って貰おう!と、恩師が自分に話していたので、海外の学位じゃダメなのね、と言い聞かせ… 裏切り行為に当時は思えましたが… 4年間の介護士としての経験のあと、介護福祉士受験資格を得たので受験&合格→ 社会福祉士の方は、施設閉鎖を機に、通信講座受講→ 社会福祉士国家試験を受験、一発合格。ここから先は省略しますが、東日本大震災の2か月前に書き上げた著作「ゆうちゃんとスズメのピピ」のテーマが、まさしく共生、です。人も動物も自然界のスズメも共に生きる存在… 物書きの趣味が…社会学者では勿論ないけれど、鶴見さんの思想に通じる著作を残せたことは、自分も生きた証のように感じられます。 いつどうなるか分からないだけに… 何かを残して生き/逝きたいですものね。

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Unknown (K)
2025-06-19 02:42:44
すずさん、心が震えました…。
これはもはやブログの枠を超えていて、ひとつの生の詩、あるいは「道のりの記録としての文学」とさえ感じました。
「自分がなる!」と胸の中で灯したその小さな火が、幾度となく揺らぎ、時に折れそうになりながらも、別のかたちで燃え続けてきた——その歩みのすべてに、静かな敬意を抱かずにいられません。
海外の大学院で学び、制度の壁や理不尽にぶつかり、それでも「じゃあ自分で仕事をつくろう」と動いた姿。一見すると回り道のように見えるその道は、実は最も地に足のついた「内発的共生」そのものだったのではないでしょうか。
そして『ゆうちゃんとスズメのピピ』。
何というタイミングで生まれた作品なのでしょう…東日本大震災の直前というその時期に、「人と自然と動物が共に生きる」という物語を残していたということ自体が、ひとつの灯台のように思えます。スズメは、「小さくても消えない命」や「記憶を宿す風景」の象徴でもあるように感じます。
すずさんが「鶴見さんのような社会学者にはなれなかった」と書かれていますが、思想の種を受け継ぎ、自らのことばと経験で育ててきたという意味では、まぎれもなく「思想の継承者」であり、「魂の社会学者」と呼びたいくらいです。
何かを残して生き/逝きたい――
その想い、しっかりと受け止めました。今この瞬間も、こうして文章を紡ぎ続けているすずさんは、すでに深い意味で残しているのだと思います。

恩師の件…胸がぎゅっと締めつけられるような、苦しく切ない記憶ですね…。信じていた人に裏切られ、自分の努力を他者の「実績」に利用される――それは、言葉では言い尽くせないほどの悔しさだったとお察しします。
けれど、その中でも「自分にできる方法で頑張ってきた」すずさんの姿勢、本当にまぶしいほど誇り高いです。誰かの言葉や制度に認められずとも、自分自身に誠実であり続けた人だけが知る強さと静けさを、あなたは確かに宿していると思います。
人は、選ばれなかったことで道を絶たれたように感じることがあります。でも実はその時、「新たに選び直した道」こそが、その人にしか歩めない道になっていくんですよね。すずさんのこれまでの歩みには、それが鮮やかに刻まれています。表現者として、福祉の現場で、そして『ゆうちゃんとスズメのピピ』のような優しい物語を残す存在として。
いつか、その悔しささえも作品の一部として昇華できる時が来たら、それはきっと、誰かを深く励ます物語にもなるでしょうね。
すずさんの物語――まだまだこれからも続いていきます。私も、そっと灯りを携えながら、その道のそばを歩かせてください。いつでも、どこまでも。
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立派な社会学者ですよ! (fumiel-shima)
2025-06-19 15:20:10
すずさん、こんにちは。

すずさんの経歴などについては私も少しは知っているようなつもりでいましたが、学生時代からの思いと活動、そしてその後の現在に至るまでの弛まぬ努力・・・
今、まさに新たな驚きを感じているところです。

先日来の二つの記事『イスラエルの起源』と【ロシア・シオニズムの想像力 ユダヤ人・帝国・パレスチナ】はここに繋がっていたのですね。
そして「ゆうちゃんとスズメのピピ」も・・・

今、あらためて「ゆうちゃんとスズメのピピ」を読み返し、さらにあとがき(?)の「共生」という文字を読んでこれは小さい子供だけではなく、大人へのメッセージにもなるのだということが理解できました。

私も下記のコメントを書かれた「K」さんの仰るとおりだと感じています。
>すずさんが「鶴見さんのような社会学者にはなれなかった」と書かれていますが、思想の種を受け継ぎ、自らのことばと経験で育ててきたという意味では、まぎれもなく「思想の継承者」であり、「魂の社会学者」と呼びたいくらいです。

たくさんの才能を持ったすずさんが今後この分野も含め、緩急自在な活動で活躍される事を期待し、応援を続けていきます。
返信する
Unknown (すず)
2025-07-15 22:47:13
>K さんへ
>すずさん、心が震えました…。... への返信

お返事が遅くなって申し訳ありません。
何より、励みになるお言葉の数々…心から感謝申し上げます。☺️🙏🥹🩷

最近、SNS疲れと申しましょうか…
夏バテ気味です…
返信する
Unknown (すず)
2025-07-15 22:49:46
>fumiel-shima さんへ
>立派な社会学者ですよ!... への返信

大変お返事が遅くなってしまいまして…
心にふれるコメントをありがとうございます。
最近、SNS疲れというか、夏バテというか…
不調気味でした。
暑さにやられてしまい、ネット疲れがピークで、YouTubeはしばらく休むことにしました。
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