その前に再度。
尊富士。
日本への批判、科学に対する批判を行うと、ヤフコメ民(ほぼ日本の大衆の総意)は拒絶反応を示すのですね。
「ライオンは治療しない」
「サプリ飲むの人間だけ」
いやもう、よく言ってくれたです。
ヤフコメ民は、
>「傷ついたライオンは、ほうっておけば死んじゃうんだぞ。医学はそれを助けることが出来る。もっと科学を尊重し、世の中を勉強しなさい」と批判します。
いや、そうとも限らんのですよ。
以前、毎年のように小笠原に通っていた頃、
ある年、野犬が瀕死の重傷を負っていた。
一目見て、これはもう助からんだろうと。
しかし翌年訪れた際には、治っていた。
どの生き物も、そうとうの生命力(自己治癒力)を持っているのです。
人間の病気だって、治すのは自分、医者は手助けをするだけ(それが大きな意味をもつ)。
それが、いつしか医学が主役になって、手助けではなくて、医学の力で治す、という思い上がりに。
一般社会においても同じです。科学(文明)が全てを支配してしまっている。
科学を否定しているわけではありません。人間を助けてくれ、潤いを与えてくれる。科学が全能であるごとき過信することに、危惧を覚えるのです。
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大谷選手のインタビュー。
「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた。うまく言葉にするのは難しいなと思っています」「気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、お話できて良かったと思っている。今日は質疑応答は、これがお話できるすべてなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います」
「うまく言葉にするのは難しい」
本意でしょうね。
この問題、主役は大谷選手でも一平さんでもないのです。
一平氏が(結果として)大金を盗み出し、大谷はそのことを知らなかった、それ自体は事実なのでしょう。
しかし、俯瞰的に見渡せば、様々な次元において、遥かに大きな問題を伴っている。
答えが出るのは(答えなんてないとは思うけれど)、大谷がキャリアを終え、2人や関係者がいなくなった、遥か未来の事だと思う。
秀逸のコメント(スーパジェットさん)がありました。
>野球で夢や希望とやらを与えるよりも、よほど人生に役立つ教訓を大谷さんは人々に与えることになるのでしょうか。 だとしたら二人を掲載した教科書の差し替えなど安易に行わず、結末まで付け加えるのが教育というものだと思うのであります。
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大谷選手には、今後ともベストのパフォーマンス(様々な記録の更新)を期待しています。と同時に、(主にアメリカ国内からの)批判・疑念の声を一生受け続けなくてはならない。それは、彼にとって、必ずしもマイナスの要素だけではないのではないかと思います。
一平氏には、あえて“ドンマイ”、と言ってあげたい。神(?)が与えた試練です。反省して、いつか大谷君に謝ろう、と。
重ねて言いますが、日本の社会にとっても、大衆の崇拝・妄信の危うさに気付くきっかけになって、良かったのではないかと思います。
まあ、人を安易に信用してはいけない、みたいな教訓に、これまで以上に向かうのだとしたら、情けない限りですが。