功夫電影専科

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『霊幻百鬼』

2008-08-30 23:26:25 | カンフー映画:佳作
「霊幻百鬼」
原題:人嚇鬼
英題:Hocus Pocus
製作:1984年

●それにしてもポニーキャニオンはどうしてこんな作品を買ったんだろうか?
日本では「霊幻道士元祖シリーズ」という無理矢理なくくりでソフト化された本作だが、たぶん『霊幻道士』と一緒に抱き合わせで買わされたのだろうと思われる。ちなみに本作は「霊幻道士元祖シリーズ」の第三弾で、第一弾は『鬼打鬼』、第二弾は『霊幻師弟・人嚇人』となっている(この2本は既にレビュー済み)。
ストーリーは例の予告で語られた限りなのであまり書くことは無い(笑)。林正英(ラム・チェンイン)が座長を勤める京劇一座は、ある日の公演で奇怪な騒ぎに出くわす。実はこの騒ぎは成仏できない幽霊・錢月笙(チン・ユーサン)によって引き起こされたものだった。
団員の董[王韋](トン・ワイ)らと共に事情を知った林正英は、錢月笙のお骨を掘り出して弔う事に。ところが間違えて悪霊の鐘發(チュン・ファット)の骨を埋めてしまったからさぁ大変!林正英たち京劇一座と鐘發の死闘が始まるのだった…。
「霊幻道士元祖シリーズ」と謳っているだけあって、本作にも未完成な『霊幻道士』テイストが盛り込まれている。『鬼打鬼』ではキョンシーを、『人嚇人』ではクリーチャーを持ち出していたが、本作ではワイヤーを駆使したサイキックバトルを展開。悪霊に翻弄される人々が投げ飛ばされて痛いスタントをかましたりと、『霊幻道士』でのキョンシーとのバトルに繋がる要素が本作のラストバトルで見ることが出来る。
武術指導は洪家班で、『鬼打鬼』や『人嚇人』と同様に素晴らしいアクションを披露。シリーズの中で唯一サモハンが出演していない本作だが、その代わりにワイヤーを使った殺陣で盛り返しているのは流石だ。それ以外に関してはさして取り上げることの無い作品だが、『鬼打鬼』『人嚇人』と共に間違いなく『霊幻道士』の礎となった作品として、記憶に止めておきたい一本である。

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