功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『一代天嬌/萬世天嬌』

2008-04-08 23:12:45 | 女ドラゴン映画
一代天嬌/萬世天嬌
英題:Revengeful Swordswoman
製作:1979年

●嘉凌(ジュディ・リー)主演の本作は、『太極八蚊』『黒名單』と同様の「辻斬りの旅」的な作品だ。
嘉凌は王侠に超スパルタな修行を受けていた。この王侠は嘉凌の両親を殺した仇敵であり、剣士の聞江龍と知り合った嘉凌は一矢報いようと動いた。しかし嘉凌と王侠の決闘のさなか、毒蛇に襲われそうだった嘉凌を王侠がかばった。嘉凌の復讐を手助けしようとした聞江龍によって王侠は死すが、今わの際に王侠は意外な告白をする。
実は、嘉凌の両親は王侠ではなく別の悪党によって殺されたというのだ。嘉凌の両親の使用人だった(?)王侠は、是が非でも嘉凌が復讐を遂げられるような腕前になるようにと、敢えてああいう指導をしていたという。王侠を弔い、聞江龍から謝罪の便を受け取ると、嘉凌は仇討ちの旅に出発した。
道中、おっちょこちょいな投石男と出会った嘉凌は彼を同行させるが、仇討ち相手を探ろうとする彼女の前には次々と敵が現れる。心配した聞江龍が影ながら彼女をエスコートしているが、彼とは別にたびたび嘉凌を助ける謎の覆面男がいる。果たして覆面男の正体は?そして、嘉凌の仇討ちは成就するのか?といった感じで物語は展開されてく。
本作は特に凄いスターが出ているわけではないが、他の「辻斬りの旅」系作品と違い、立ちはだかる敵の数が多いのが特徴だ。黒幕も含めると総勢10人以上もの敵が嘉凌と闘い、有名どころでは董力(トン・リー)、高飛(コー・フェイ)、嘉凱、王折生などが次々と登場する。
武術指導はテロップが無かったため不明だが、アクションに関してはなかなか面白く、武侠片なのに武打アクションがわりと多め。個人的に1番の収穫は嘉凌で、本作の彼女はちょっと『新桃太郎』を髣髴とさせるボーイッシュな姿で登場し、アクションでは高い蹴りを放ったりして見応えのあるバトルを繰り広げている。これまであまり彼女のアクションで「これは!」と思ったものに巡りあう事が出来なかっただけに、嬉しい驚きを感じることができた。
また、「辻斬りの旅」系作品は性質上ストーリーが薄くなりがちだが、この作品ではそういった事態になっていない点は評価できる。ストーリーは後半から種明かしになるにつれて解りにくい展開が続き、オチもそんなにビックリするようなものではなく、盛り上がりには欠けているものの、嘉凌のアクションが心行くまで堪能できる一本。
「辻斬りの旅」系作品の探求は、まだまだ続きそうです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿