「酔拳3」
原題:醉拳III
英題:Drunken Master III/Drunken Master 3
製作:1994年
●中国皇帝の座を狙う何家駒は、結託していた白蓮教からヒスイの指輪を譲り受け、それを皇后として迎える李嘉欣(ミシェル・リー)に預けていた。革命派の劉華(アンディ・ラウ)は彼女を誘拐するが、逃走中に鄭少秋(アダム・チェン)と遭遇する。
政府に追われている劉華は、すぐに動けない李嘉欣をいったん預かってくれと依頼。鄭少秋はこれを承諾し、しばらくして息子である季天笙(ウェイ・テンサン)に彼女を送り届けるよう言い付けた。
だが、刺客の任達華(サイモン・ヤム)に襲われた2人は、勢い余って劉家良(ラウ・カーリョン)の酒蔵に突っ込んでしまう。壊した酒蔵を弁償するため、やむなく2人は住み込みで働くはめに…。
酒蔵での生活は大変であったが、季天笙は酔拳の達人である劉家良から功夫を習い、高飛車だった李嘉欣も態度を軟化させていく。しかし平和な時間は続かず、政府長官の劉家輝(ラウ・カーフェイ)に踏み込まれてしまった。
李嘉欣は皆を助けるために投降するが、大事な指輪を壊していたため何家駒の怒りを買い、白蓮教の生贄にされようとしている。季天笙と劉家良と鄭少秋、それに劉華を加えた一行は最後の戦いを挑んだ!
色々と曰くがあることで知られる本作ですが、まずはその経緯を大まかに整理してみましょう。『酔拳2』を監督した劉家良はジャッキーと対立したことで降板。自分なりの黄飛鴻映画を作ろうと『酔拳3』を撮った…というのが表向きの話です。
でも本当は『酔拳2』を降りた彼が本作のヘルプに入り、結果的に監督として現場を任されたのが真相とのこと。確かに本作は酔拳や黄飛鴻の描き方が悪く、とても劉家良がこだわって撮ったとは思えません。
それどころか劇中のギャグは絶望的に面白くないし、ストーリーの運びもグダグダの極みです(特に酒蔵に突っ込んだあたりのドタバタが一番酷い)。
また、『ワンチャイ/天地大乱』を意識したのか西洋的な要素が多く、必要以上にインターナショナル化が進んでいます。おかげで清朝末期の作品には見えず、黄飛鴻映画らしさは微塵も感じられませんでした(爆
ちなみに本作の脚本を書いたのは映画監督でもある蕭榮という人。のちに季天笙を主演に迎えて『少林キッズ』を製作し、こちらも二番煎じの凡作に仕上がっています。ひょっとして本作、もともと監督はこの人だったのでは…?
個人的にはゲス野郎だった劉家輝が死なないラストや、日本語吹き替えのクオリティの低さ(時代にそぐわない横文字をバンバン使うので違和感ありすぎ)にも釈然としなかったのですが、さすがにアクションだけは決まっています。
中盤までは無難な立ち回りに終始しているものの、劉家良が出てきてからはボルテージが急上昇! ラストバトルでは対戦相手が目まぐるしく入れ替わり、軽快なバトルが展開されていました。
特に最後の季天笙VSジョルジョ・パソッティ(6歳から武術を嗜んでいた本格派…現在は母国イタリアで普通の俳優として活動中。代表作は『トリノ、24時からの恋人たち』他多数)と、劉華VS劉家輝のウェポンバトルは良かったですね。
なお本作には『阿羅漢』の胡堅強(フー・チェンチャン)が白蓮教教徒として登場し、酒蔵での戦いとラストバトルで劉家良と闘っていますが、扱いは一番強いザコ程度。私としては幹部クラスで戦う彼が見たかったなぁ…。
決して見どころが無いわけではないけど、やはり残念なフォロワーの域を出ない本作。これで「酔拳」のタイトルさえ冠していなかったら、おそらくは有象無象の便乗作として埋没していたでしょう。
劉家良の監督作としてはワースト中のワーストですが…私としてはこれが彼の監督作だと思いたくないですね(汗
原題:醉拳III
英題:Drunken Master III/Drunken Master 3
製作:1994年
●中国皇帝の座を狙う何家駒は、結託していた白蓮教からヒスイの指輪を譲り受け、それを皇后として迎える李嘉欣(ミシェル・リー)に預けていた。革命派の劉華(アンディ・ラウ)は彼女を誘拐するが、逃走中に鄭少秋(アダム・チェン)と遭遇する。
政府に追われている劉華は、すぐに動けない李嘉欣をいったん預かってくれと依頼。鄭少秋はこれを承諾し、しばらくして息子である季天笙(ウェイ・テンサン)に彼女を送り届けるよう言い付けた。
だが、刺客の任達華(サイモン・ヤム)に襲われた2人は、勢い余って劉家良(ラウ・カーリョン)の酒蔵に突っ込んでしまう。壊した酒蔵を弁償するため、やむなく2人は住み込みで働くはめに…。
酒蔵での生活は大変であったが、季天笙は酔拳の達人である劉家良から功夫を習い、高飛車だった李嘉欣も態度を軟化させていく。しかし平和な時間は続かず、政府長官の劉家輝(ラウ・カーフェイ)に踏み込まれてしまった。
李嘉欣は皆を助けるために投降するが、大事な指輪を壊していたため何家駒の怒りを買い、白蓮教の生贄にされようとしている。季天笙と劉家良と鄭少秋、それに劉華を加えた一行は最後の戦いを挑んだ!
色々と曰くがあることで知られる本作ですが、まずはその経緯を大まかに整理してみましょう。『酔拳2』を監督した劉家良はジャッキーと対立したことで降板。自分なりの黄飛鴻映画を作ろうと『酔拳3』を撮った…というのが表向きの話です。
でも本当は『酔拳2』を降りた彼が本作のヘルプに入り、結果的に監督として現場を任されたのが真相とのこと。確かに本作は酔拳や黄飛鴻の描き方が悪く、とても劉家良がこだわって撮ったとは思えません。
それどころか劇中のギャグは絶望的に面白くないし、ストーリーの運びもグダグダの極みです(特に酒蔵に突っ込んだあたりのドタバタが一番酷い)。
また、『ワンチャイ/天地大乱』を意識したのか西洋的な要素が多く、必要以上にインターナショナル化が進んでいます。おかげで清朝末期の作品には見えず、黄飛鴻映画らしさは微塵も感じられませんでした(爆
ちなみに本作の脚本を書いたのは映画監督でもある蕭榮という人。のちに季天笙を主演に迎えて『少林キッズ』を製作し、こちらも二番煎じの凡作に仕上がっています。ひょっとして本作、もともと監督はこの人だったのでは…?
個人的にはゲス野郎だった劉家輝が死なないラストや、日本語吹き替えのクオリティの低さ(時代にそぐわない横文字をバンバン使うので違和感ありすぎ)にも釈然としなかったのですが、さすがにアクションだけは決まっています。
中盤までは無難な立ち回りに終始しているものの、劉家良が出てきてからはボルテージが急上昇! ラストバトルでは対戦相手が目まぐるしく入れ替わり、軽快なバトルが展開されていました。
特に最後の季天笙VSジョルジョ・パソッティ(6歳から武術を嗜んでいた本格派…現在は母国イタリアで普通の俳優として活動中。代表作は『トリノ、24時からの恋人たち』他多数)と、劉華VS劉家輝のウェポンバトルは良かったですね。
なお本作には『阿羅漢』の胡堅強(フー・チェンチャン)が白蓮教教徒として登場し、酒蔵での戦いとラストバトルで劉家良と闘っていますが、扱いは一番強いザコ程度。私としては幹部クラスで戦う彼が見たかったなぁ…。
決して見どころが無いわけではないけど、やはり残念なフォロワーの域を出ない本作。これで「酔拳」のタイトルさえ冠していなかったら、おそらくは有象無象の便乗作として埋没していたでしょう。
劉家良の監督作としてはワースト中のワーストですが…私としてはこれが彼の監督作だと思いたくないですね(汗
>ジャッキー・チェンが師匠で、その弟子がトニー・ジャーで、更にジージャーも出演する「酔拳3」
あくまで噂だったようですが、その後『新酔拳(醉拳1945?)』なる作品の話が持ち上がっていましたね。こちらはトニーと無関係らしく、未だに続報は発表されていません。
なんにせよ、いつかはジャッキー&トニーの本格的な共演が見たいところです。
>後半になると、酔拳の動きにマーシャルアーツやキックボクシングの激しい動きをプラスした現代的な振り付けに変化させてきましたね。
『酔拳2』は彼らの見せるアクションの個性がハッキリと別れており、実に興味深い作品でした。私としては作品自体の評価は微妙なんですが、アクションは文句なしだったと思います。
惜しむらくは、劉家良御大が存命中の間に「自分なりの黄飛鴻映画」を撮れなかった事でしょうか(合掌…)。
よろしくお願い致します。
本作は、以前、日本語吹き替え版のビデオ(VHS)で見たことがありますが、確かに、アクションはそれなりに楽しめましたが、ギャグやストーリーはグダグダでしたね。
以前、インターネット上で、ジャッキー・チェンが師匠で、その弟子がトニー・ジャーで、更にジージャーも出演する「酔拳3」の記事をよく見掛けましたが、あの話題いつの間にか、どこかに消えてしまいましたね。
いつか、もう一度、ジャッキー・チェン主演の本当の「酔拳3」を観てみたいですね。
>『酔拳2』を監督した劉家良はジャッキーと対立したことで降板。
降板したことにより、前半は、劉家良の型を重視した伝統的な旧式の振り付けでしたが、後半になると、酔拳の動きにマーシャルアーツやキックボクシングの激しい動きをプラスした現代的な振り付けに変化させてきましたね。あのダイナミック且つスピード感のある振り付けが古くからのジャッキーファンだけではなく、新規のファンの心を鷲掴みにして、ヒットに繋がったと推測しています。
それでは、失礼致します。