功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『Shaolin Dolemite』

2009-10-28 23:00:41 | カンフー映画:駄作
Shaolin Dolemite
製作:1999年(?)

●羅鋭(アレクサンダー・ルー)のニンジャ映画には幾つか謎が存在する。
まず1つは『忍者大戦』におけるオープニングの挿入映像だ。この作品ではストーリーの背景が最初に語られるのだが、ここで使用されている映像は『忍者VS阿羅漢/遥かなる王道』のものだった。『忍者VS阿羅漢』という映画も羅鋭の主演作で、更に言えば同じ戴徹(ロバート・タイ)の監督作でもある。そうすると『忍者大戦』は『忍者VS阿羅漢』の続編だと思うかもしれないが、『忍者大戦』のオープニングで語られた以外に両作品の繋がりは確認できないのだ(双方に出演している羅鋭の役柄もまったく違う)。
次に『ニンジャキッズ』全長版の存在だ。この作品は日本でもリリースされているが、海外で発売されている同作品は何故か三部作の大長編となっている。日本のデータベースサイトによると『ニンジャキッズ』は90分の作品とされているが、全長版は累計257分にも及ぶ。一体、このあまりにも違う尺の差異はどうしたことだろうか?
この他にも、フィルマーク産ニンジャ映画『Ninja The Battalion』の存在など、不可思議な話が羅鋭には付きまとっている。無関係な続編設定・無駄に長い全長版・出自不明の映像…まったくもって訳が解らない。一部では「これら一連の羅鋭作品は元が電視劇であり、続編設定や全長版はその名残」とする説がある。確かに羅鋭は電視劇に出ていた事があるし、この説なら謎に関しても説明がつく。だが、暴力とセックスに彩られた羅鋭作品がお茶の間に放送されていたとは考えにくいし、物語にも繋がりや一貫性が見えてこない。よって、電視劇が元ネタであるという説は肯定できないのだ。

そんな謎を抱えた羅鋭のニンジャ映画に、今回新たな謎が加わることになった。この『Shaolin Dolemite』は黒人ラッパーのルディ・レイ・ムーアとトビー・ラッセルが製作したもので、羅鋭作品に新規撮影をプラスしたニコイチ作品である。ここで使用されている羅鋭主演作も出自が解らない正体不明の作品だが、どうやら『忍者大戦』の続編的な内容であるようだ。忍者首領・李海興(アラン・リー)も続投し、ユージン・トーマス率いる謎の密教集団まで出てくるなど、前作以上の無法地帯と化している(笑
ストーリーについては事細かに語るまでも無い。少林寺に居候している日本人・羅鋭に五獣拳を教えていた少林僧・戴徹が、密教のユージンと手を組んだ忍者軍団に殺害されてしまう。少林寺は武當派&ジョン・ラダルスキーとトビー・ラッセル&変なロシア人サーベル使いと協力体制を敷き、血を血で洗う死闘を繰り広げていく。…ま、要するにいつもの羅鋭映画と言ったほうが手っ取り早いか。
作中の功夫アクションはたっぷりとあるのだが、今回もおなじみの早回しアクションがフル回転。殺陣のレベルは高いものの、あまりの新鮮味とインパクトの無さには最早笑うしかない(涙)。ラストは少林寺連合軍VS忍者連合軍と人喰い銅人の総力戦で、25分にも及ぶ団体戦は羅鋭作品でも屈指のロングバトルだろう。ただ、いくらなんでもこの長期戦は長すぎ。普通に闘うだけでも大変なのに、それが早回しの羅鋭アクションでやられると凄まじく疲れるのだ。
新撮部分はムーアのおっさんが「マザーフ○ッカーマザーフ○ッカー」とグチるだけの酷い内容ということもあってか、本作に『ニンジャキッズ』がダブって見えました。

幾つもの謎をはらんだ羅鋭主演作。果たしてその正体は何なのか…気になるところでありますが、こういうグダグダな作品ばっかりだと流石に辛いので、これ以上の詮索は止めにしたいと思います(苦笑

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