コンサルティングは自転車に乗って⇒企業年金総合プランナーのブログです。

企業年金・退職金制度全般に関するご相談を行っています。
お気軽にご連絡下さい。

逆風のなかでこそ、良い退職給付制度ができるのではないでしょうか。

2009-01-29 10:21:04 | 企業年金・退職金制度

今年1月4日に、昨年4月から11月までの企業年金の運用利回りが公表
されました。格付け情報センター(R&I)が約140の企業年金の運用利回り
を調べたところ、マイナス16%ということです。

100年に一度という金融危機が、企業年金の運用利回りを直撃したという
ことになります。

マイナス16%ということは、予定利率が2%~4%の企業年金にとっては、
企業年金の資産が、マイナス18%~マイナス20%になったということに
なります。

適年の移行については、考えたくないという気持ちになります。
でも、そうでしょうか?

厳しい時だからこそ、しっかりを事態を見つめて、退職給付制度全体を
どうするか検討できる好機ではないでしょうか。

企業年金の運用利回りが回復した時期に、適年の移行をするよりも、運用
が厳しい時の方が、いい制度設計ができるのではないかと思います。
運用が好調の時は、企業の判断も甘くなります。でも、運用が厳しい時は
自社にとっての退職給付制度の意味や、企業風土にあった内容、企業の
財務との兼ね合いをしっかり見据えて検討できると思います。

事業主のビジョン、経営方針が大事です。
そのなかで、退職給付制度を考えることです。
お手伝いできることを願っています。


彩コンサルティングのホームページも是非ご覧下さい。
左下のブックマークにある「適格退職年金の移行コンサルティング」です。

ご質問やお問合せは、メールまたはお電話で。
 goo0218_2007@mail.goo.ne.jp
 04-2958-7612


「ポイントが分かりやすくまとめられている。」「実際に適年の移行に
携わった人が書いていて参考になる。」と好評です。

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適年の移行は、もう待ったなしです。

2009-01-27 08:00:00 | 適格退職年金

適格退職年金の移行は、もう待ったなしの情勢です。
制度廃止まで、後残すところ3年しかありませんから。

厚生労働省のホームページでも早めの着手を呼びかけています。

http://www-bm.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/tekikaku.html

適年を移行しないでいる企業の特色としては、
事業主が直接、適年の移行に関与していない会社が多いように思います。
担当の取締役や部課長に任せていると、判断ができないでそのままになって
しまっていることが多いようです。

事業主が関与しないと進まないですよ。

また、担当の部課長が50代半ば以降であると、自分の退職までは現行制度で
いきたいという気持ちが働くのか、結論を先延ばしにする傾向にあるようです。

更に、担当部署は総務であることが一般的ですが、中小企業の総務は、あまり
にもいろいろな業務を抱え込んでいるため、適年の移行について検討したくても
その時間がないということもあります。

もうひとつ、適年の移行が進まないことを、別の視点で見ると、金融機関からの
提案がミスマッチであったため、結論が出ないままになっていることです。
金融機関が勧める移行プランは、その金融機関が売りたいプランであることが
多く、その企業にあったプランではないからです。
このようなケースの場合、金融機関が勧めているプランは確定給付企業年金で
あることが多いようです。それと、養老保険を使ったプランです。
どちらも、企業の負担が重くなるので、企業としては、受け入れられないと考え
ることになります。

今は電話とメールで、かなりの情報をやりとりできます。
是非、ご相談ください。


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「どてら」を着た退職給付制度⇒確定給付企業年金+養老保険②

2009-01-22 10:37:41 | 保険商品

適格退職年金の移行に際して、確定給付企業年金に養老保険のハーフタックス
をプラスした提案の問題点は、大変重たい制度ということと、もうひとつは、退職
給付会計の問題があります。

保険商品の積立金は、退職給付会計上の年金資産にはならないので、退職給
付制度の一部に保険商品を持ってくると、退職給付引当金と保険商品の保険料
と2重に負担が発生してきます。

企業が、まだ退職給付会計を採用していないから大丈夫でも、いずれ退職給付
会計を採用することになりますから、トラブルとなることが予想されます。
そもそも、退職給付会計を採用していない規模の企業に、確定給付企業年金と
養老保険を勧めること自体が問題なのですが。。。

退職給付債務を簡便法で計算している企業では、確定給付企業年金の運用が
予定利回りを下回ると、退職給付引当金への負担が即、増えてきます。簡便法
では積立不足を遅延認識できませんから。

では、退職給付債務を原則法で計算している場合はどうでしょうか?
原則法を採用している企業への確定給付企業年金と養老保険の提案というのは、
ありえないです!!
なぜなら、原則法による退職給付債務の計算での退職時給付率は、定年時の給付
率、すなわち会社都合支給率です。
簡便法の場合は、退職給付債務を自己都合要支給額とするのが一般的なので、
自己都合と会社都合の支給額の差額に養老保険という良心的な提案はあり得る
かもしれませんが、原則法の場合は、ありえないです。


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「どてら」を着た退職給付制度⇒確定給付企業年金+養老保険①

2009-01-20 09:58:07 | 保険商品

「どてら」を着た退職給付制度?
「どてら」って何?ですよね。
どてら=かいまき、とも言います。
普通の着物より大き目の袷(裏のついた着物)に綿が入ったものです。
昔の日本家屋は、冬には隅間風が入り寒かったので、どてらに掛け布団を
重ねて寝ました。今は、どてらなんか姿を消しています。
(と思っていたら、通販で売っていました。)

つまり、どてらを着たというのは、企業負担の重い制度を意味して使いました。
過剰な掛金を企業に負担させる制度です。

金融機関は、適年の移行に際して、企業規模や企業に合っている制度は何かを
考察せずに、とにかく確定給付企業年金を進める傾向にあるようです。
適年の移行先が確定拠出年金では、適年の年金資産と制度変更後の掛金は、
確定拠出年金制度のなかで用意されている運用商品に分散され、適年を受託し
ていた金融機関には戻らないことになります。が、移行先が確定給付企業年金で
あるなら、適年の年金資産は、その全額がまた金融機関のところに戻ってきます。

さらに、確定給付企業年金に養老保険をプラスすると、これは、保険会社にとって
大変美味しい契約となります。

企業からすると、大変重たい内容を提案されたということになります。
これはちょっと負担が重すぎるということで、受け入れられないということになると、
それは大変賢明な判断なのですが、金融機関からは別の提案がされず、確定給付
企業年金+養老保険を断った企業の適年は、放っておかれることになります。

企業の退職給付制度は、金融機関のために存在するわけではないのですから。
ひどいですよね。
                                    →続く


「中退共、会計処理、仕訳」について②

2009-01-15 10:23:23 | 中小企業退職金共済

退職給付会計を導入している企業で、退職給付制度を中退共と退職一時金
で構成しており、退職一時金の支払い準備のために養老保険を契約している
場合、従業員退職時の会計処理はどうなるのでしょうか。

退職一時金の支払いについては、会計上では、退職給付引当金を取り崩して
処理します。

退職給付会計を導入している企業の場合、従業員から労働サービスの提供
を受けた時点で、退職給付引当金繰入という費用を計上しているため、退職
一時金を支払った段階では、新たな費用は発生しません。

では、退職した従業員を被保険者とする養老保険の解約返戻金や満期保険
金は、どう処理されるのでしょうか。
解約返戻金または満期保険金>資産計上額の場合は、雑収入になり、課税
対象となります。
逆に、解約返戻金または満期保険金<資産計上額の場合は、雑損失となり、
利益が減ることになります。

退職給付会計を導入していない、退職給付引当金を計上していない企業の
場合は、退職一時金を支払った時点で費用が発生するので、養老保険の返
戻金などを、それにあてることが出来ます。

しかし、このブログのタイトルでもあり、先日1月13日のブログで書いた通り、
「中退共と会計処理、あるいは仕訳」といったことを気にしている企業は、前者
の退職給付会計を導入している企業だと思います。
そうすると、既にお分かりいただけていると存じますが、養老保険は無駄という
ことになります。

企業によっては、退職給付会計を採用しているにもかかわらず、適年を解約し、
退職給付制度を退職一時金制度のみとして、その準備手段に保険商品を契約
しているとしたら、大変問題ではないかと思います。
退職給付会計を導入している、あるいは導入しようとしている企業で、退職金の
支払い準備のためとして保険商品を使っている場合は、再検討をお勧めします。


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「中退共、会計処理、仕訳」について①

2009-01-13 10:12:43 | 中小企業退職金共済

少し前にも、ブログで書きましたが、私のブログを訪れていただいた方々
なかに、以下のような検索ワードによるもの昨年来目だっています。

・中退共 退職給付債務
・中退共 会計処理
・中退共 仕訳
・退職給付引当金 中退共

これが、確定拠出年金や確定給付企業年金ではありません。
つまり、
・確定拠出年金 退職給付債務 とか
・確定給付企業年金 会計処理 とかは
ないのです。

なんでかな~と、考えてみました。

的外れかもしれませんが、これは適年を中退共に移行したあとで、退職給付
会計による会計処理が問題となっているケースではないかと思います。
そして、養老保険のハーフタックスも絡んでいるのではないかということです。

「中退共と退職給付会計」については、昨年5月13日のブログで説明してい
ます。中退共が退職給付制度の内枠で、簡便法により退職給付会債務を
計算している場合の会計処理は、次のようになります。

①退職給付債務
  退職金規程に基づき、期末自己都合要支給額で計算します。
②中退共の退職金額
  中退共は退職給付債務の認識がいらない制度です。
  退職給付債務を計算する時には、中退共による積立額を控除します。
  そのためには、加入者である従業員の中退共での退職金額を決算月
  に受けとれるように中退共に頼んでおくと、計算し郵送してくれます。
③退職給付引当金
  ①から②を控除した金額です。

さて、ここで、適年の移行に際して、保険会社や保険代理店に勧められる
ままに、中退共と養老保険のハーフタックスにしている場合はどうなるで
しょうか。

既に何度もご案内しているように、保険商品での積立金は、退職給付会計
上の年金資産とはなりません。よって、退職給付引当金は減らないことに
なります。

では、退職一時金の支払いが発生した時は、どうなるのでしょうか。
                                  →続く


「仕事は退職金規程を作ることですか?」という質問について

2009-01-08 09:31:50 | 企業年金・退職金制度

時々、「仕事は、退職金規程を作ることですか?」と聞かれることがあります。
そう質問されるのは、ほとんどが保険会社の方です。

質問の背景には、適格退職年金の移行に際して、必要な計算は金融機関=
運営管理機関がやるのだから、企業年金コンサルタントといっても、やることは
せいぜい退職金規程を作ることだけだろう、といった勘違いがあるようです。

確かに、金融機関は、適年の移行に関する、様々な計算を行います。
が、私たちも行います。

金融機関の計算と私たちの計算には、違いがあります。
どこが違うのか?

退職給付制度は、企業ごとに様々です。
その企業にとって退職金とは、いかなる意味、位置づけを与えられているか。
在職中の貢献度をどう評価するか、勤続か成果か。給与制度との関係はどう
なっているか等など。一つとして同じものはありません。
似ている制度はありますが、従業員の構成や給与制度が全く同じということは
ありえませんので、すっかり同じ退職給付制度は存在しません。

金融機関が行う適年の移行では、その企業の退職給付制度の特徴は、全く無視
されて、移行に関する計算が行われているのが一般的です。
すなわち、「うち(金融機関)の計算はこうだ。」というやり方です。
その企業の退職給付制度に込められている思いなどは、考慮されません。
結果、本来の退職給付制度とはずれた、ちぐはぐな制度となってしまいます。

企業では、金融機関から「こうだ」と言われれば、検証できないので、「そうかな」と
思うほかありません。

金融機関のうち、損害保険会社や証券会社にとって、適年の移行は、企業年金
制度に参入できるチャンスですので、受託が合戦を繰り広げており、とくかく数を
こなすことに精一杯で、細かな制度設計までやっていられないのです。
適年を受託している生命保険会社や信託銀行は、受託分の適年の移行で手一杯
です。やはり相手先の企業の内容を考慮している余裕はありません。

ということで、私たちが行う適年の移行に関する制度設計は、もうお分かりと思いま
すが、企業の退職給付制度の内容にあわせた制度設計をするということです。

保険会社の、特に生命保険は、目的とする金額を決まると、年齢や加入期間から
保険料が決まるということで、保険料率に基づく計算だけすれば済む世界です。
そこからは、退職金・企業年金のコンサルティングの内容が理解できないという
のは、分からなくはありません。
しかし、標題の質問をされる度に、保険会社の傲慢さを感じてしまいます。
せめて、「不勉強で済みませんが、退職金のコンサルティングとは、どういうこと
をされるのですか?」という質問であってほしいと思います。



「適年移行ハンドブック」の紹介記事が新たに掲載されました。

2009-01-06 07:17:14 | 適格退職年金

新年おめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

さて、新年早々嬉しいことがありました。
「適格退職年金の移行先の選択に失敗しない 中小企業のための
適年移行ハンドブック」の紹介が二つの雑誌に掲載されました。

一つは、ベストプランナーという保険業界向けの雑誌です。
その1月号の情報掲示板(44ページ)で、次のように、取り上げていただ
いています。
「適年移行プランを企業に提案する上で押さえておくべき点、企業年金
の運用利回り、退職給付会計、適年からの移行の方法など重要ポイント
を網羅する実践的な内容となっています。」

もう一つは、TLC(トータルライフコンサルタント)会の会報116号です。
TLC会とは、生命保険協会認定FP会、略称TLC会のことです。
その機関紙(年3回発行)の、115号(8月末発行)に引続き116号(12月
末発行)で、「退職金制度の準備手段として保険商品を販売する前に、
おさえておきたい『退職給付会計』」の2回目を書かせていただきました。
その記事の中で、「適年移行ハンドブック」を紹介しています。

既に、ベストプランナーの記事を読んでのご注文を頂きました。

「適年移行ハンドブック」は、1冊ずつですが、注文が続いています。
ブログも毎週いろいろな人に読んで頂いています。
昨年から、ひたすら感謝の毎日です。
今年も、感謝の気持ちを忘れず、継続していきたいと思います。
「継続こそ力なり」を信じて。


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左下のブックマークにある「適格退職年金の移行コンサルティング」です。

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