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厚生年金基金からの事業所脱退⇒会社分割等の方法はできません!

2012-05-29 09:54:47 | 厚生年金基金

厚生年金基金から事業所が脱退する場合、いまだに間違った情報があるようです。

別会社を作って従業員を転籍させる。
    会社を分割する。

こういった方法では、基金から脱退する時の脱退時特別掛金の徴収を免れる
     ことは、できません。

根拠は、基金の規約と昨年8月10日に公布された「年金確保支援法」です。

基金の規約には、設立事業所の減少に係る掛金の一括徴収について定めています。
  設立事業所の減少としては、 以下の事由となります。
  (1) 設立事業所の事業主が基金あてに任意脱退を申し入れ代議員会が認めた場合
  
(2) 合併又は営業譲渡による場合
  
(3) その他上記の事由に準ずるものとして代議員会が認めた場合

「年金確保支援法」には、次のように定められています。
 厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)、厚生年金基金令(昭和41年政令第324号)
 及び厚生年金基金規則(昭和41年厚生省令第34号)の一部改正
  (1) 従業員減少に係る掛金の一括拠出
    
設立事業所の事業主が分割又は事業の譲渡により他の設立事業所の
    事業主以外の事業主にその事業の全部又は一部を
承継させる場合及び
        規約で定めるところにより設立事業所に使用される当該厚生年金基金の
       
加入員の数が減少する場合において、当該減少に伴い他の設立事業所に
    係る掛金が増加することとなるときは、
当該基金は、当該増加額に相当
    する額を、当該減少に係る設立事業所の事業主から掛金として一括して
    徴収するものと
すること。

 今までは、脱退時特別掛金徴収の根拠が、基金の規約でしたが、昨年8月10日に
    公布された「年金確保支援法」により、法律になりました。

      くれぐれも、ご注意ください

厚生年金基金の事業所脱退と解散⇒代行部分や加算部分はどうなるのか?

2012-05-22 08:10:25 | 厚生年金基金

厚生年金基金からの事業所脱退及び解散により、代行部分(厚生年金の報酬比例部分)、
基本上乗せ部分、加算部分が、その後どのようになるか、企業型DCへは移換可能か?
ということについて説明したいと思います。

 基金から事業所脱退した場合

  代行部分と基本上乗せ部分⇒基金から年金で受け取る権利(受給権)がある人は、
                     基金から基本年金を受け取る。
                   ⇒受給権のない人は、企業年金連合会から基本年金を
                     受け取る。

  加算部分⇒受給権がある人は、基金から年金で受け取る。
        ⇒受給権のない人は、 企業型DC(脱退事業所が企業型DCを導入) 
                         企業年金連合会の通算企業年金
                         一時金で受け取る。         

 基金を解散した場合

  代行部分⇒通常の解散⇒企業年金連合会の代行年金
        ⇒特例解散⇒国の厚生年金(報酬比例部分) 

  加算部分と基本上乗せ部分は残余財産分配金となります。

  残余財産分配金⇒年金者(既に年金を受け取っている人)は、
                                                        企業年金連合会の通算企業年金
                          一時金で受け取る。

             ⇒ 年金者以外は、 企業型DC(解散事業所が企業型DCを導入) 
                           企業年金連合会の通算企業年金
                               一時金で受け取る。 

   解散では、残余財産がほとんどないこともあります。  

  脱退の場合も、解散の場合も、厚生年金の報酬比例部分の金額が変更されることは
     ありません。つまり厚生年金の受取額に影響はありません。   


厚生年金基金からの事業所脱退について

2012-05-15 10:06:50 | 厚生年金基金

AIJ投資顧問の問題を受けて、総合型の厚生年金基金からの脱退を真剣に考えている
企業もあると思います。

厚生年金基金からの脱退は、次の要件が必要です。

 当該脱退事業所の事業主の同意
 当該脱退事業所の被保険者の1/2の同意
 脱退後の厚生年金基金における人数要件を満たすこと
 代議員会における代議員数の2/3以上の議決

以上の要件を満たしたうえで、

 脱退時特別掛金を基金に一括納付すること
  (脱退事業所が負担すべきであった不足分)

が必要です。

脱退時特別掛金は、基金の事務局へ問い合わせると計算してくれます。
計算方法は、基金の規約に記載されています。

脱退時特別掛金は、脱退日が属する月の翌月末日までに基金に納付します。

代議員会は年2回2月と9月に開催されますので、脱退の機会は年2回しかありません。

脱退時特別掛金の計算の基になる数字は、決算の数字です。
今年3月末の決算の数字は、来年2月と9月での脱退における特別掛金の計算に用い
られます。

つまり、脱退する時期により、脱退時特別掛金の数字は違ってくるということです。

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退職給付制度と負担額・・・⇒負担が大きい制度、少ない制度

2012-05-08 09:08:59 | 企業年金・退職金制度

6回行った「厚生年金基金」に関するセミナーでお話しした内容の一部です。

退職給付制度による企業の負担額に違いです。

どの制度が一番重くなるか?

退職一時金制度です。

どの制度の企業負担額が少なくてすみか?

企業型DC(Defined Contribution=確定拠出年金)です。

退職一時金制度で、勤続40年の退職金を1,000万円とした場合、1,000万円を
準備するのに、いくら必要か?

約1,700万円の利益が必要です。

非課税で社内に退職金を貯めておける「退職給与引当金」は、廃止されています。
ですから、1,000万円を事前に準備するためには、税金を考慮すると、1,700万円
必要になります。(法人税の実効税率を約40%として計算)

もちろん、退職者が出た時に、1,000万円支払い、損金処理することができますが、
その時、企業に利益が出ていないと支払えないことになります。

確実に支払うために、税金を払った後の利益で準備すると、1,700万円必要です。

負担の少ない企業型DCでは、想定利回りを2%とした場合、約650万円の掛金額
で済みます。(毎月13,500の掛金を2%で40年間運用したと仮定して計算)

確定給付企業年金という考え方もありますが、 こちらは5年に一度の財政再計算及び
毎年の財政検証(継続基準・非継続基準)が義務付けられており、積立不足が発生す
ると、それを解消することが必要になります。
積立金の運用は金融機関に委ねることになるので、「事業主が管理」できません。
つまり、AIJ投資顧問の問題でも明らかなように、企業年金の積立金の運用は、事業主
がコントロールできないリスクなのです。

確定給付型の企業年金は、あまりお勧めできません。
特に中小企業には、向かないと思います。


厚生年金基金に関するセミナーを3月初旬から5月初旬まで、6回開催しました。

2012-05-01 09:27:21 | 厚生年金基金

厚生年金基金についてのセミナーを3月上旬から5月上旬にかけて6回行いました。
(5月上旬は、これからですが。。。)

FPの勉強会で4回、保険代理店が開催した事業主向けセミナーが1回、DC協会の
主催によるセミナーが1回です。

レジュメは基本的に同じですが、少しずつ違います。
FPの勉強会の内容は、統一しました。
事業主向けは、厚生年金基金以外の退職給付制度の問題点を入れました。
DC協会は、厚生年金基金からDCへの移換について触れました。
セミナーの評価は、概ね好評でした。

・難しい内容をソフトな口調で話す。
・分かりやすく、話のテンポも良かった。
・図を使って説明したので、理解しやすかった。
・難しい!!
・内容が内容なので、難しいくらいでいいのではないか。

等々です。

厚生年金基金の問題は、AIJの件を受けて、注目されています。
特に総合型基金の深刻な状況がマスコミ等での報道されています。

自分の加入している基金は?
基金からくる情報だけでは不安?
うちの会社はどうしたらいいのか?
クライアントの困って状況を何とかしたい!

是非セミナーを開催し、講師として呼んでください。

 04-2955-3407

 sai@rice.ocn.ne.jp