きょう1日に報告された新型コロナの日本の死者数は319人だという。過去最高である。これが100日続けば3万人となる。
日本総研の主任研究員が、BS TBS『報道1930』にでて、新型コロナの死亡率はインフルエンザと同じくらいだから、たいしたことはない、みんな無知で恐れ過ぎだ、と言っていた。新型コロナの扱いを変え、感染者や濃厚接触者も早く職場復帰して、社会活動を維持すべきだと言っていた。
これに対して、医療関係者が、インフルエンザは届けが義務化されていないから、本当の感染者数がわからない、だから、インフルエンザの死亡率も おおざっぱな話である。オミクロン株の死亡率がインフルエンザと同じであるとは言えない、と注意した。また、日本人がマスクをし、換気を行なうように、なってから、インフルエンザのクラスター(集団感染)が起こらなくなった。それに対し、オミクロン株の感染力はすざましく、家庭で一人が感染すると、みんなにうつると言い返した。
1日あたりの死亡者数が増えているのに、新型コロナが恐れないでいいというのは、おかしいと思う。恐れて感染予防対策を行うのは、いいことではないか。
今月、さいたま市で、10代後半の男子学生が発熱し4日後に新型コロナへの感染が確認された。その翌日、体調が急変し、救急車で病院に搬送されたが、基礎疾患がないことに加え、血液中の酸素の値などに問題がないと、自宅療養となり、その翌日に死んだという。死亡の病因は血栓であるという。
新型コロナのウイルスは血管壁の細胞に侵入することがわかっている。アストラゼネカのワクチン接種で、血栓でヨーロッパで若者の死者が発生し、国によっては使用をやめた。
もう少し、医療研究者はさいたま市の事例に注目して良いのではないか。血液中の酸素濃度で入院か否かを決めるのはオミクロン株では通用しない。
私のNPOでは、放デイサービスをやっているので、2週間に一度スタッフ全員にPCR検査を行っている。いままでは、翌日に検査結果がでたのだが、先週の検査は結果が出るのに1週間かかった。もし、スタッフに一人でも陽性者がいたら、1週間の間にまわりにうつしまくってクラスターが発生するかもしれない。
去年、ヨーロッパやアメリカでオミクロン株感染が大流行していたのだから、第6波にむけて、日本でも検査体制や治療体制を拡充すべきだったのではないか。とくにPCR検査体制が整っていれば、感染者や濃厚接触者が市中を動き回るのを 一定程度 防げる。
また、水際対策で入国人数の緩和を経済界から求められているが、その入国人数制限はPCR検査能力つぎつぎと出現しているので、遺伝子分析の能力が求められている。日本では検査機器を製造している会社があるのだし、どんどん購入して強化すればよいように思える。人手に関しては、大学や研究機関や薬品業界に協力を要請すれば良いように思える。
きょう、テレビ朝日の『モーニングショー』で、国立感染研究所が3回目接種で、ファイザー、ファイザー、ファイザーよりファイザー、ファイザー、モデルナのほうが予防効果が高いと発表したことを紹介していた。在庫があるモデルナのワクチンを打てということである。
ウイルス学者の北村義弘は、モデルナの接種事例が一桁少ないので、国立感染研究所の結果は将来否定されるかもしれないとコメントしていた。
ワクチンの効果を比較するためには、ランダムにどちらかのワクチンを接種し、効果を比較しないといけない。極端にモデルナの接種数が少ないのは、ランダムではなく、接種を受ける側がファイザーかモデルナかを選択したからだ。
第2に、ワクチンの有効性が、接種後の抗体価だけで判定している。抗体価がどれだけ高いと、感染をどれだけ防ぐか、重症化をどれだけ防ぐかは、詳しくは わかっていない。北村は、ファイザーもモデルナも十分に抗体価を高めているから、どちらも効果があるとして良いのではないか、と言う。
結局、政府側の発表は、戦争中の大本営発表と同じく、厚労省の失策をとりつくろうために言っているだけで、今後の感染対策に役立っていない。
『報道1930』で医療関係者は、感染者数が多いと、つぎからつぎと変異株がでてくるので、感染者数を減らさないといけないと警告していた。