猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

プーチンのウクライナ軍事侵攻にひとかけらの正当性もない

2022-02-27 23:02:53 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

きょう東京で、プーチンのウクライナ軍事侵攻に反対するウクライナ人のデモが、また、べつの場所でロシア人のデモがあった。ロシア人も反対のデモをしたということは、将来のウクライナ人とロシア人との友好のために、とても良いことだと思う。

私の息子はロシアを社会主義国と思っていた。それは間違いである。1991年12月25日にミハイル・ゴルバチョフがソヴィエト連邦大統領を辞任することで、ソヴィエト連邦は名実とも崩壊し、「鎌と鎚の赤旗」の国旗も降ろされ、社会主義国を自称することもやめた。ロシアはボリス・エリツィン大統領のもと、各自、自由に金儲けができる国になった。

自由に金儲けができる国では、汚職は頻発する。社会的ルールを破ることが金儲けの一番の近道であるからだ。

1999年に、汚職で追求されたエリツィン大統領は、KGB出身のウラジーミル・プーチンを首相に任命した。さらに、12月31日に、後継の大統領として、プーチン首相を指名した。プーチンの最初の大統領令はエリツィンを生涯にわたって刑事訴追から免責するというものだった。

プーチンは最初は慎重に行動したという。しかし、21年間も、権力の座にいると、自分の力を過信するようになるようだ。2014年のクリミア軍事侵攻が、世界からの非難が弱かったことで彼は味をしめたようだ。

プーチンがウクライナに軍事侵攻する理由は、ウクライナがロシアの領土だったことしかない。正義やイデオロギー的なものは全くない。

ドイツで、緑の党も社民党もプチーンへの処罰、資産凍結を決め、また、ウクライナに武器を供与を決めたという。軍事侵攻に正当性はない。

ウクライナがロシアの領土というのは、モスクワの皇帝が、ウクライナのコサックを力をもって抑えたことである。コサックは英語読みで、ウクライナ語ではカーザクで、自由の民を意味する。帝政ロシアは農民の移動を禁止し、領主のもとに縛り付けようとした。いわゆる農奴制が17世紀にはじまる。そこで、ヨーロッパとアジアの競合地帯のウクライナに農民が逃亡し、一部はコサックになった。

土肥恒之は『ステンカ・ラージン 自由なロシアを求めて』(山川出版社)で、モスクワが懐柔と暴力でコサックをいかに抑えたかを書いている。ヴォルガの舟歌にでてくるステンカ・ラージンはコサック反乱のリーダだった。彼は「富裕なコサック」に裏切られてモスクワに送られ、「右腕が肘のところで、左足が膝のところで切断された。そして手斧で頭が切り落とされた」。


ウクライナの人びとの抵抗が世界大戦を防ぐかもしれない

2022-02-26 21:54:18 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

ウクライナの人びとが抵抗していて、プーチンの軍事侵攻が遅れているとの報道がある。本当に報道の通りならウクライナの人びとの勇気に感謝する。

ウラジミール・プーチンは2000年からロシアの最高権力者の地位にいる。暴力でその権力を守ってきた。暴力を使うということは、プーチンを好まないロシアの人びとがかなりいるということである。ウクライナの人びとがプーチンの軍事的支配をはねのけたら、プーチン政権が崩れるであろう。

だから、プーチンがどんなことをしてもウクライナを屈服させようとするだろう。だから、プーチンが怖いのだ。

第2次世界大戦前夜の、ヒトラーによる近隣国侵略には、戦争反対の声はあったが、軍事侵略反対の声は少なかった。軍事侵略は、自国内の権力維持のために、戦線を限りなく拡大する。そして世界大戦に発展する。

だからこそ、軍事侵攻を許さないというウクライナの人びとの勇気は、核戦争、世界大戦を未然に防ぐ役割を果たしている。また、現在の世界の戦争反対の声は軍事侵略反対の声と一体になっている。

アメリカのバイデン大統領はよく自制を保っている。アフガニスタンから軍を撤退したし、アメリカの軍をウクライナに派遣していない。彼がウクライナからアメリカ人の退去を勧告したことは失敗だと思うが。

気になるのは、日本のメディアは、ロシアに経済封鎖をすれば、自国の経済にそれが跳ね返るとさかんに報道していることだ。ロシアでのトヨタ、日産の工場の稼働が、部品が入ってこないで止まるとか、石油の価格がもっとあがるとか、言われている。それは本当だろうが、経済封鎖に反対しているのか、それとも賛成なのか、立場をはっきりしたほうが良いと思う。

ウクラナイの人びとの勇気を思うとき、プーチンの狂気を抑えるための経済封鎖で跳ね返ってくる経済的苦境は、我慢すべきものと思う。

それにしても、現在、ロシアのプーチンだけでなく、ミャンマーの国軍、タイの国王ラーマ10世、サウジアラビアのムハンマド皇太子など、独裁を好む人たちが政治の表舞台に多くなっている。21世紀は20世紀に続いて戦争の世紀になるのだろうか。


ウクライナとロシアは兄弟国と言うな、軍事侵攻とは力づくで人を従わせること

2022-02-24 23:44:45 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

いま日本のテレビでは、軍事専門家や研究者は、ロシアがこんなに露骨にウクライナに軍事侵攻をする思っていなかったと言う。

私が推察するに、介入してくるなら核を使用する覚悟をもって、小国を軍事侵攻する限り、核戦争を恐れている世界は軍事をもって反撃しないと、ロシアのプーチン大統領が確信しているからだと思う。

現在の事態は、そのように動いている。だれもウクライナを守るために兵を送らない。核は戦争の抑止力になっていない。核を使うと覚悟を決めている者のやり放題となる。いまから90年以上前のヒトラーがオーストラリアやチェコやポーランドに進行したときと同じことが起きている。

ロシア内で反プーチン運動が起きて政権が倒れれば、ロシアによるウクライナの軍事的支配を止めることができるだろう。しかし、EUやアメリカの経済制裁だけでは、プーチンの狂気を止めることはできないだろう。

もしかしたら、プーチンの狂気を止めるために、核戦争が起きるかもしれない。

きょう、日テレで宮根誠司が、ウクライナはロシアの兄弟国だとやたらと言っていたが、そんなことで軍事侵攻を正当化されたら、たまったものではない。軍事侵攻とは力づくで人を従わそうということである。ウクライナの人びとがロシアの政治体制を嫌っているから、別の国としてあるのだ。

私はウクライナの歌が好きである。ケイシー・シシック (Квітка Цісик)の歌が好きである。

ウクライナは17世紀から18世紀にかけてコサックが民主的な自治を行う国であった。王がいなかったのである。それが、ウクライナの中央を流れるドニエプル川をはさんで、東側がロシアに侵略され、西側がポーランドに侵略された。単純にロシアとウクライナは兄弟国とはいえない。両国がスラブ語を話すからと言っても、ヨーロッパの東側は広範囲にスラブ語を話す。それは、ゲルマン語をドイツでもオーストラリアでもスウェーデンでもノルウェーでもオランダ―でもデンマークでも話すのと同じである。それぞれの抱えている歴史が違い、自分たちの文化・社会制度を維持したいと思うから、国がわかれる。国が大きいだけが良いのではない。


世界はプーチンのウクライナ軍事侵攻に本気で対峙しないといけない

2022-02-23 22:29:41 | ロシアのウクライナ軍事侵攻

いま、ロシアがウクライナに軍事侵攻をしようとしている。ウラジーミル・プーチンのやり方は同胞が不当な扱いを受けていると言って、軍事侵攻でまわりの国の領土を削っていく。まわりのまわりの国が戦争をしたくないという気持ちや事情を利用して、なし崩し的に軍事侵攻をしている。

プーチンをみていると、アドルフ・ヒトラーを思い起こす。1936年2月に冬季演習を名目にフランスとの国境近く兵を集め、突然、非武装地帯のラインハルト侵攻した。当時の平和を維持したいというヨーロッパの国々の気持ちに押されて、フランス軍は反撃しなかった。

当時のドイツ軍部首脳は、フランス軍より自分たちの兵力が劣るとし、ヒトラーの賭けに反対した。しかし、ヒトラーはイギリス、フランスがドイツと本格的な戦争をしようと思っていないとみて、軍部首脳の反対を押し切って軍事侵攻した。

このあと、ヒトラーはドイツ人が不当な扱いをされているといって、つぎつぎと周りの国々に侵攻した。そして、1939年に第2次世界大戦がはじまった。

プーチンも、まわりの弱小国への軍事進攻を繰り返すことで、国内的に強いロシアのイメージで国民の人気を集めている。戦争をしたくないという国々の人びとの気持ちを利用している。ロシアに全世界を敵に回すだけの国力があるはずがないのに、軍事的賭けを続けないと、自分の政権が維持できな状況に陥っている。正気でない。

2月7日のプーチンとフランスのマクロン大統領との会談の後、記者たちにヨーロッパは戦争をしたいのか、「ロシアは核保有国の1つ」と言って、すごんだという。

プーチンは正気ではない。いま、核を使うと周りを威嚇しているが、数年後に本当に核を使うかもしれない。

アメリカのバイデン大統領は、今年、自国民をウクライナから引き揚げさせたのは失敗である。アメリカは戦争をしないと、プーチンに足もとを見られた。

アメリカとイギリスの誤りは、いまに始まったことではない。

30年以上前にミハイル・ゴルバチョフがソビエト連邦(ロシア)に現れ、民主化を進め、ソビエト連邦の初代大統領になった。正気の人で、外交交渉ができる。核軍縮が進んだ。ソビエト連邦の経済的苦境の援助をアメリカのレーガン大統領やイギリスのサッチャー首相に頼んだ。このとき、レーガン、サッチャーは共産党政権を倒す絶好の機会を見て、ゴルバチョフを助けなかった。その結果、ソビエト連邦に軍部によるクーデターが起き、エリツィンの反クーデターが成功し、力による統治が始まった。エリツィン、プーチンの系譜はレーガン、サッチャーの落とし子である。

正気なゴルバチョフ路線が定着していれば、世界はもっと平和だっただろう。

いま、キチンとプーチンのウクライナ軍事侵攻に対峙しないと、新たな歴史の歪みを生むと思う。

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新型コロナの重症者数や死者数が増加している、もっと恐れていいのではないか

2022-02-22 22:35:52 | 新型コロナウイルス

きょう1日に報告された新型コロナの日本の死者数は319人だという。過去最高である。これが100日続けば3万人となる。

日本総研の主任研究員が、BS TBS『報道1930』にでて、新型コロナの死亡率はインフルエンザと同じくらいだから、たいしたことはない、みんな無知で恐れ過ぎだ、と言っていた。新型コロナの扱いを変え、感染者や濃厚接触者も早く職場復帰して、社会活動を維持すべきだと言っていた。

これに対して、医療関係者が、インフルエンザは届けが義務化されていないから、本当の感染者数がわからない、だから、インフルエンザの死亡率も おおざっぱな話である。オミクロン株の死亡率がインフルエンザと同じであるとは言えない、と注意した。また、日本人がマスクをし、換気を行なうように、なってから、インフルエンザのクラスター(集団感染)が起こらなくなった。それに対し、オミクロン株の感染力はすざましく、家庭で一人が感染すると、みんなにうつると言い返した。

1日あたりの死亡者数が増えているのに、新型コロナが恐れないでいいというのは、おかしいと思う。恐れて感染予防対策を行うのは、いいことではないか。

今月、さいたま市で、10代後半の男子学生が発熱し4日後に新型コロナへの感染が確認された。その翌日、体調が急変し、救急車で病院に搬送されたが、基礎疾患がないことに加え、血液中の酸素の値などに問題がないと、自宅療養となり、その翌日に死んだという。死亡の病因は血栓であるという。

新型コロナのウイルスは血管壁の細胞に侵入することがわかっている。アストラゼネカのワクチン接種で、血栓でヨーロッパで若者の死者が発生し、国によっては使用をやめた。

もう少し、医療研究者はさいたま市の事例に注目して良いのではないか。血液中の酸素濃度で入院か否かを決めるのはオミクロン株では通用しない。

私のNPOでは、放デイサービスをやっているので、2週間に一度スタッフ全員にPCR検査を行っている。いままでは、翌日に検査結果がでたのだが、先週の検査は結果が出るのに1週間かかった。もし、スタッフに一人でも陽性者がいたら、1週間の間にまわりにうつしまくってクラスターが発生するかもしれない。

去年、ヨーロッパやアメリカでオミクロン株感染が大流行していたのだから、第6波にむけて、日本でも検査体制や治療体制を拡充すべきだったのではないか。とくにPCR検査体制が整っていれば、感染者や濃厚接触者が市中を動き回るのを 一定程度 防げる。

また、水際対策で入国人数の緩和を経済界から求められているが、その入国人数制限はPCR検査能力つぎつぎと出現しているので、遺伝子分析の能力が求められている。日本では検査機器を製造している会社があるのだし、どんどん購入して強化すればよいように思える。人手に関しては、大学や研究機関や薬品業界に協力を要請すれば良いように思える。

きょう、テレビ朝日の『モーニングショー』で、国立感染研究所が3回目接種で、ファイザー、ファイザー、ファイザーよりファイザー、ファイザー、モデルナのほうが予防効果が高いと発表したことを紹介していた。在庫があるモデルナのワクチンを打てということである。

ウイルス学者の北村義弘は、モデルナの接種事例が一桁少ないので、国立感染研究所の結果は将来否定されるかもしれないとコメントしていた。

ワクチンの効果を比較するためには、ランダムにどちらかのワクチンを接種し、効果を比較しないといけない。極端にモデルナの接種数が少ないのは、ランダムではなく、接種を受ける側がファイザーかモデルナかを選択したからだ。

第2に、ワクチンの有効性が、接種後の抗体価だけで判定している。抗体価がどれだけ高いと、感染をどれだけ防ぐか、重症化をどれだけ防ぐかは、詳しくは わかっていない。北村は、ファイザーもモデルナも十分に抗体価を高めているから、どちらも効果があるとして良いのではないか、と言う。

結局、政府側の発表は、戦争中の大本営発表と同じく、厚労省の失策をとりつくろうために言っているだけで、今後の感染対策に役立っていない。

『報道1930』で医療関係者は、感染者数が多いと、つぎからつぎと変異株がでてくるので、感染者数を減らさないといけないと警告していた。