猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

岸田政権は科学者の声に耳を傾けないと先端研の児玉龍彦は言う

2022-02-04 22:27:17 | 新型コロナウイルス

(聞き上手の岸田文雄が聴かない)

きょう、ひさしぶりに、BS TBSテレビの『報道1930』に東大先端研の児玉龍彦が出た。私は彼の話を全部聞きたかったのだが、途中から聞くことになった。息子は児玉の頭が少しオカシイと思っていて、チャネル権がすぐ回ってこなかったのだ。

児玉は相当の歳だと思うが、論理的に説明するので、科学者のはしくれの私からみれば、わかりやすい。

じつは、2日前に、後藤茂之厚労相が、「濃厚接触者が7日間発症なければ検査なしに隔離を解く」というオミクロン株対応を説明するのに、「2次感染者が7日以内に発症する確率は99.98パーセントという調査結果が出ている」と言ったのを聞いて、私は唖然とした。

99.98%というのは、発症者の1万人に2人しか例外がないという確率のことで、それが統計的に正しいというには、オミクロン株だと確定した10万人の、感染した日時を正しく特定しなければいけない。現実には、デルタ株かオミクロン株かどうかも、検査薬が足りず、サンプル調査で、大ざっぱに、市中感染はオミクロン株に入れ替わっていると言っているだけである。いつどこで感染したかの調査も大変で、日本の現状では、人手がたりず、実施がむずかしい。

ネットで調べると、日本では99.98パーセントというのは、ほぼ間違いという意味の枕詞(まくらことば)で、裏付けがなくても政治家は使うようである。

本題に戻ろう。きょうの『報道1930』のゲストは、児玉のほかは、自民党参院議員の佐藤正久と国際医療福祉大の松本哲哉であった。

岸田政権になってから、分科会が長らく開かれていなかったという。東京オリンピックも無事に終わり、デルタ株もピークアウトし、良かった良かったで終わり、聴く耳をもつはずの岸田文雄は医療関係者や科学者の声に耳を傾けなかった。岸田政権は、社会医療費の削減を優先した。

これが、ほかの国と比べ、検査体制や医療体制がととなわず、また、3回目のワクチン接種も進んでいない、という現状を招いている。

児玉は相当数のデルタ株感染が日本で見られるという。松本も同意していた。ふたりとも自分のところで遺伝子解析をしている。キャスターの松原耕二は10%もあるとコメントした。

児玉は、デルタ株にも変異がどんどん進んで分岐しており、日本でピークアウトしたのは自滅する弱いデルタ株であった、という。

いまのワクチンは、アルファ株、ベータ株、デルタ―株に効くので、児玉、松本は、3回目のワクチン接種を早急にすすめるべきだという。

いっぽう、オミクロン株にはワクチンが効果あるという確証はでていないという。確かに、メディアでの医療関係者の発言は、ワクチンが免疫力全体を強化するので、重症化を防ぐ、という願望にすぎない。オミクロン株に効くワクチンが早く開発される必要がある。

児玉は、4回目接種が進んでいるイスラエルでは、もはや、ワクチンの効果がでなくなっているという。打っても副作用があるだけになっているという。それだけ、新型コロナは変異が早いという。松原は、分科会長の尾身茂の言葉「まだ新型コロナは退化に向かっていない」で、それを裏づけた。

分子生物学では、「遺伝子の変異は中立的」だと、私の若い頃から、約50年前からいわれている。薬を使えば、必ず耐性菌が出てくる。ウイルスでも同じだ。コロナウイルスは変異が他のウイルスより遅いと思っていたが、そうではないという。感染が拡大すれば、世界のどこかで変異が起きるから、つぎからつぎから変異株が現れるということである。ほっといて弱毒化するのではなく、恐れて、人間が感染しないように行動を抑制するからである。

児玉は、ヨーロッパやアメリカの政府がどのような対策を行っているかを日本の感染対策の根拠にしてはいけないという。全世界で、政治家が科学者や医療関係者の意見を聴かなくなっているとの報告があるという。政治家は財政を気にし、自分の支援者である経済界を気にする。そして、自分たちの誤りを選挙民から覆い隠すために、ウソをつき続ける。

児玉は検査体制を強化し、医療体制を整えるのが基本であるという。欧米だけでなく、カンボジアのような経済的後進国でも、遺伝子解析がなされているという。どんな変異株が出てきているのか、どのように広がっているのか、調べないといけない。新しい変異株がつぎつぎとでてくる株は生命力があるということ、退化の途にないということだ。

日本はOECD諸国の最低レベルの検査体制であるという。日本の科学技術力は高く、PCR機器や遺伝子解析機器を開発生産し輸出しているし、日本の大学や研究所には遺伝子解析の機器もあり技術もある。それなのに、政府は新型コロナウイルスの遺伝子解析を国立感染研究所に限っていると、児玉はいう。2年前から言われていたことだが、少しも改善されない。

このような岸田政権の実態では、不要不急の外出を控え、マスクをし、換気をし、大人数で会食をしないなどの自衛しかない。

[補遺]

きょう2月4日の新型コロナによる日本全国の死者数は92人である。

[補遺]

2月15日に発表された新型コロナによる日本全国の死者数は236人で、一日の死者数として過去最高である。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿