猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

日本政府のデマに騙されるな、北朝鮮の弾道ミサイル騒ぎ

2023-05-31 21:46:37 | 戦争を考える

日本政府は、軍事力拡大路線を走るために、北朝鮮のミサイルの脅威を誇大に語っている。そんなバカなことは止めて欲しい。北朝鮮の脅威はない。

2日前、TBSかテレビ朝日かのいずれかだったと思うが、午前11時台のニュースで、人工衛星打ち上げと称する北朝鮮の弾道ミサイルが日本を横断するので、官邸が自衛隊にそれを破壊するよう命令した、と報じた。

私の妻も一緒にニュースを見ていて、びっくりして私に人工衛星打ち上げロケットを日本が打ち落として良いものか、聞いてきた。私は、妻に、ニュースの原稿を書いた記者の言葉足らずだと答えた。人工衛星打ち上げと称するロケットを日本が打ち落として良いはずない。

正午のNHKのニュースで私の発言は裏付けられた。日本の領域内に落下してきたなら、迎撃しろと命令したという、いつもの破壊措置命令であった。

じっさいには、日本が落下してくる北朝鮮の飛行物体を迎撃したとは、これまで一度も聞いたことはない。迎撃できないからか、迎撃する必要がないからか、私には、わからない。しかし、結果的には、破壊措置命令は安倍晋三によってはじめられた北朝鮮脅威論の演出の1つにすぎない。

けさのニュースでは、北朝鮮の衛星打ち上げは失敗で朝鮮半島と中国の間の海に落下したという。日本を横断するというが、その軌道は沖縄と台湾の間の上空を通過するはずだった。ショボい話である。

北朝鮮の脅威は、軍備増強のために、誇大に語られているにすぎない。一部の日本人の朝鮮人蔑視の感情を利用した悪意に満ちたデマである。

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本当の北朝鮮問題は、70年前の朝鮮戦争が終結していないことである。朝鮮戦争は、アメリカ合衆国と中国・ソ連との代理戦争だった。今回のロシアのウクライナ侵攻と違って、アメリカ軍は、韓国の南端まで進撃した北朝鮮軍を、韓国に上陸して38度線まで追い返したのである。そして、休戦協定が結ばれたが、和平はしていない。

沖縄がアメリカの海兵隊の基地なのは、そのとき韓国に上陸したアメリカ軍の名残りである。

アメリカは、休戦協定を結んだ後、「共産主義陣営」の封じ込めをはかった。これを東西冷戦という。1989年のベルリンの壁崩壊以降、朝鮮半島でも、和平が求められたが、アメリカはそう動かなかった。

私は外資系に務めていたから、アメリカで韓国人の同僚と話す機会がよくあった。彼らが言うには、戦争が終わっていない、和平条約が必要だ、ということである。

韓国人の同僚によれば、朝鮮戦争を終結させない限り、韓国で軍人が政治的に強くなり、民主主義が実現できないという。

2017年のムン・ジェイン政権は、これまでのどの政権よりも安定した民主主義的政権であった。トランプ大統領に働きかけ、アメリカを巻き込んで、和平に持ち込もうとした。これに反対して動いたのが安倍晋三である。結果的にムン・ジェインの和平の試みは失敗した。

北朝鮮はアメリカを仮想敵国としている。しかも、一見矛盾して見えるかもしれないが、アメリカと貿易をしたがっている。どの国も豊かになりたいのである。アメリカの軍事力に怯えて、身の丈を超えた軍事力を持とうとしているが、本当はアメリカと戦争したくないのだ。

北朝鮮は別に日本と戦争したい理由はない。しかし、日本が北朝鮮を脅威だと言い続けて軍事力を拡張していくと、北朝鮮もいずれ日本を脅威と思うかもしれない。日本はバカなデマを言い続けるのを止めて、朝鮮戦争終結をはかる韓国の邪魔をするのをやめるべきだ。

岸田文雄も安倍晋三と同じく頭がイカレている。


日本政府とメディアを通じたアメリカのイメージに騙されるな、『自発的対米従属』

2023-05-28 23:30:04 | 国際政治

土日に猿田佐世の『自発的対米従属』(角川新書)を読む。松田武の『自発的隷従の日米関係史 日米安保と戦後』(岩波書店)は、「自発的対米隷属」を強いてきたアメリカ政府の狡猾さに焦点があたっているのに対し、猿田は「自発的対米従属」する日本政府の狡猾さを明るみにする。日本の支配層は、アメリカの外圧を演出して、自分たちの都合を日本の国民に押しつけている、と彼女は告発する。

猿田は本書を、ドナルド・トランプが2016年11月にアメリカ合衆国の大統領選に勝利した半年後に出版した。アメリカ・ファーストを主張するトランプが大統領になったことに慌てふためく日本の政界、メディアに対して、対米関係を見直す好機だと主張する。

これまでの対米関係は、日本の支配層とアメリカの少数の知日派によって作られてきた。猿田によると、「実際に影響力を有する知日派の数は、5~30人程度」という。

日本支配層は、日本国内に政府の方針を徹底させるに、アメリカの少数の知日派に働きかけ、発言させることで、「アメリカ」が支持しているかのように、見せてきたという。これを猿田は「ワシントン拡声器」と呼ぶ。

知日派とは日本通ということであって、別に親日派ではない。日本政府はこの少数の知日派に情報とお金を渡し、互いにウインウインの関係を築いてきた。

この知日派は、アメリカの保守派であり、ほとんどは共和党系である。トランプ出現の日本側のろうばいは、このウインウインの関係を飛び越えて、在日米軍の引き上げを言うなど、トランプの言動の予測不可能性にあるという。

猿田はアメリカの政界・経済界・メディアのほとんどが日本に関心をもっていないと言う。

私の狭い経験でも、日本のバブルが崩壊した1990年以降、アメリカ人は日本に関心をもたなくなった。アメリカはふたたび日本に勝ったからである。

アメリカの経済界の関心は、アジアでは中国になった。中国は10億人を超える人口をかかえており、その高い経済成長率とともに、アメリカの経済界は、未来の巨大消費市場に期待を膨らませていた。中国の敵視は、米中の経済摩擦が高まったこの10年である。特に、トランプ、バイデンが、根拠なく、中国への憎悪を駆り立てている。

猿田は、日米関係を、日本政府とアメリカの少数の知日派を通してでなく、幅広い多様な層からなる関係にもっていくべきだと言う。私もその通りだと思う。アメリカには多様な意見があるのに、保守派の知日派を相手にしていては、日本の選択肢が狭まる。

アメリカ人の多数は、共和党を含め、日本人のために血を流そうとは思わない。朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争と経験したアメリカ人が、戦争で自分や自分の子どもが死んだり 障害者になったり したいと思わない。これは、ロシアの侵攻でウクライナ人が苦しんでいるのに、アメリカが参戦しないことに通じる。アメリカにはウクラナイからの移民が多数いるのにウクライナ本国が見捨てられている。

このことから、アメリカ政府が中国を敵視しても、直接の戦争にならず、台湾、朝鮮半島、沖縄、日本本土の一部が戦場になるだけと想定される。日本が軍備を増強すればするほど、日本がアメリカのために最前線で戦うことをアメリカ政府は期待する。

冷静に考えれば、日本に米軍基地がある必要はない。特に、沖縄にアメリカの海兵隊が駐屯していることに何のメリットもない。日本が、社会福祉や教育の予算を削減してまて、軍事力を拡大する必要もない。それより、平和憲法のブランドで、中国とアメリカのあいだの戦いの機運を、未然に鎮める方向に走り回るべきである。アメリカだって、中国だって、軍備拡張競争の経済的負担に苦しみたくない。

ところが、岸田文雄は安倍晋三の敷いた路線をひたすら走っている。安倍は左翼憎しだけの男で、理想も哲学も展望も何もない。統一教会、日本会議を利用して、首相の座についただけである。

岸田政権の支持率が広島G7サミットで9%上がったという。

しかし、G7は、広島を舞台にした見世物であって、何かG7で世界が変わる方向性が打ち出されたわけではない。岸田を有頂天にした責任は日本のメディアにある。メディはG7、G7と持ち上げたが、その中身は初めからなにもなかった。

生成系AIに関しても、日本政府はそれによる経済効果を期待し、いっぽう、欧米の政府は、技術が悪用されないよう規制したいと考えていた。G7は、今後、また討議しましょうと、お茶を濁しただけである。イギリスのテレビ BBCは、広島G7のニュースを、ほとんど取り上げなかった。

外交を日本政府にまかしておけない。そのまえに、日本人は英語など外国語をせっかく習っているのだから、アメリカやヨーロッパで人びとは何を言っているのか、インタネットで知り、自分も意見を発信すべきではないか。


宇野重規の朝日新聞論壇時評「生成AIとの対話」に妙に納得

2023-05-25 23:03:45 | 脳とニューロンとコンピュータ

きょうの朝日新聞に宇野重規が担当して2回目になる『論壇時評』がのった。今回の彼の時評対象は、いま お騒がせ中の生成AIである。読んで妙に納得感があった。

私はIBMの子会社、日本IBMに務めて 3回 AIのブームに遭遇している。そして、私の務める前にもAIブームがあった。だから、私から見れば、現在のAIブームは5度目である。だから、たいしたことでないのに、何を大騒ぎしているのか、と思ってしまう。

宇野も、「気になる」が、みんなが大騒ぎするほどのことでもないと思っているようだ。

何年か前に、YouTubeで1927年のドイツの映画『メトロポリス』を見たとき、帳簿をつけてお金を勘定することが、知的な労働とされていることに驚いた。映画のテーマは、未来都市メトロポリスで、地上に住む知的な労働者(HIRN脳)と地下に住む肉体労働者(HÄDEN手)が仲介者(HERZハート)によって仲良くなるというものである。

帳簿をつけて勘定することなど、だいじな仕事かもしれないが、機械的な単純作業である。それなのに、100年前は、知的な業務としていたのである。

宇野はつぎのように書く。

「会議の議事録やメールの文面作りも可能で、現在、人間がやっている仕事のかなりの部分を代替することになる。医療や法律関係など高収入の職業にも影響があり、……」

「判例などの大量のデータを活用して法律家の業務を支えることは充分に可能であろう。」

現在、人のやっている知的であろうと思われていることは、じつは機械的な作業であることが多い。AIによって、医療従事者や法務関係者がいらなくなることではなく、高い給料をとるということができなくなるだけである。AIによって「民主化」が進むことは望ましいことである。AIによって、医療費が削減され、多くの人に高度の医療が行き渡ることは良いことではないか。

宇野はつぎのように結論する。

「新たなテクノロジーを恐れるだけでは、問題は解決しない。「わたし」はどこにいるのか。「わたし」と「わたし」でないものを区別できるのか。人はいったい何を信じればいいのか。人間にとっての「意味」を再考する好機としたい。」

大したことのない生成AIに大騒ぎしないとともに、大したことをしていない「高級労働者(エリート)」が反省する「好機」として欲しい。

今のAIはあくまで単純なことしかできない。バカなのである。しかも間違いをしでかす。しかし、IT関係者は、何か素晴らしいことができるかのように、意図的にウソをつく。ITバブルが崩壊した2000年ごろからその傾向は強まった。

しかし、人間のやっていることも、ほとんどがバカなことしかしていない。なのに、社会的地位や待遇に格差がある。格差があることは、おかしいのだ。徹底的に民主化しなければならない。宇野が「民主化」とは「平等化」と発見したが、この「平等」とは「対等」という意味である。

宇野は、生成AI が誤りをしでかすだけでなく、「生成AIのポリシーやアルゴリズム次第で言論空間が大きくゆがめられ、国家の命運も左右される」という。

「国家」は不要なもので死滅すればよいが、個人の生活が左右されるのは、困る。「独裁国家」だけが危険なのではない。資本主義社会の枠組み自体が危険なのだ。儲けることを目的化している。いま、IT会社は自己利益の拡大のために研究開発を行っている。あるいは、研究開発を行っているフリをしている。

ソフトバンクの宮川社長は和製のチャットGPTの立ち上げに1000人を選んだという。株価対策のため、やっているフリをしているだけであろう。

「民主化」というた立場からは、「研究開発」の中身をオープンにしてもらわないといけない。また、テクノロジーの適用範囲に倫理的観点から制限していかないといけない。この観点からすると、現在の日本政府のやっているIT政策は、お金儲けしかない、危険極まりのないものである。


中間貯蔵地の汚染土、福島第1原発事故の後始末は終わっていない

2023-05-23 22:12:24 | 原発を考える

先日テレビで、福島第1原発の事故による放射能汚染土を2045年までに福島県外に持ち出すことに法律で決まっている、と言っていた。

日本政府は、「除染」という名のもと、放射性物質に汚染した表土を黒いゴミ袋に詰めて集めた。2015年に、この汚染土の中間貯蔵地を福島県内に設定するにあたって、30年後に県外に持ち出すと、法律を作って約束した。現在、この中間貯蔵地の汚染土は約1347万立方メートルに上るという。どこに汚染土を移動するか、何も決まっていないという。

汚染土を移動するというのは、汚染を拡散するということになるので、本当は賛成できない。しかし、そう約束して中間貯蔵施設を作ったのだから、約束は守るべきである。また、県外に搬出するといっても、汚染土を貧しい地方自治体に押しつけるのも心苦しい。

日本に原発を建設した責任は誰にあるのだろうか。国会議員にある。通産省の官僚にある。

そうすると、永田町の国会議事堂や霞が関の通産省の地を汚染土のゴミ捨て場にするしかない。責任をとってもらおう。

広島の原爆ドームのように、汚染土のゴミ捨て場を原発重大事故の記念碑としよう。

約1347万立方メートルということは、高さ10メートルに積み上げても、約1161メートル四方の土地がいる。

すると、東京電力と東芝とIHIにも責任をとってもらうしかない。


広島G7サミットは岸田政権浮揚のための見世物か

2023-05-22 00:13:14 | 国際政治

読売新聞の5月の世論調査で、岸田政権の支持率が57%台にのった。G7サミットで岸田が指導力を発揮していると「思う」が53%、首相の目指す「核兵器のない世界」に向けて国際的な機運が高まると「思う」も57%と、それぞれ半数を超えたと言う。

私はまったくそうおもわない。いま、ロシアは、ヨーロッパやアメリカがウクライナの反転攻勢に加担し、ロシアの領土に損害をもたらすなら、核兵器を使用すると脅しをかけている。アメリカ政府は、戦争の拡大を恐れ、ウクライナに強力な兵器を与えることを避けている。

これでは、核兵器を使うと言った者が得する世界になっている。こんなことで、「核兵器のない世界」が実現するだろうか。ありえない。

「核兵器を使う」との脅しに対抗するには、「核兵器を使ったらとその責任者を処刑する」と脅しをかけるのが正しい在り方ではないか。

「核兵器を使う」という脅しは、戦闘に関係しているか否かにかかわらず、国民をまとめて殺すということである。この国民とは敵国だけでなく、自国民も対象にしている。自国民を人間の盾に使っている。

核兵器に核兵器をぶつける必要はない。ウクライナ侵攻を続け、核兵器を使うかもと脅す最高責任者を処刑のターゲットにすると脅す方が良い。これなら、非戦闘員を殺し合いに巻き込むことはない。

今年の3月22日、岸田が突然ウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領とも会談した。その際のお土産に、広島の地元名産品の一つである宮島の「必勝しゃもじ」を贈呈した。

「しゃもじ」を贈呈してもロシアのウクライナ侵攻を止めることができない。ウクライナに送るべきは医療品や生活必需品でなかったのか。

今回、岸田がG7を広島で開いて、各国の首脳を原爆資料館に招き、原爆ドームに献花させても、「核兵器のない世界」が実現することはない。アメリカ政府は日本に原爆を落としたことに何の反省もしていない。きょう、ゼレンスキーは、日本人記者の心ない質問に怒って、広島の焼け野原の写真と同じ光景がウクライナに広がっていると答えていた。悲惨なのは原爆が落とされた広島市民だけでない。

岸田は、ウクライナ侵攻を利用して、日本の重武装化を図っている。岸田をはじめ自民党議員は、中国を敵国とし、ミサイルによる敵基地攻撃能力をもつと言っている。そのうち、自民党は核兵器をもつと言い出すだろう。じっさい、死んだ安倍晋三は核兵器をアメリカとシェアする構想をぶち上げていた。また、各国が開発から撤退した核燃料のリサイクルが、依然として日本の国策になっているのは、プルトニウム爆弾を開発する可能性を保持するためである。

だから、今回の広島G7サミットは、岸田政権支持率向上のための、国内向けの見世物にすぎない。現実のウクライナ侵攻から目をそむけて平和を祈っても平和をやってこない。

ウクライナ支援を求めて来日したゼレンスキー大統領には気の毒な結果だった。アメリカは自国の戦闘機をウクライナ政府に供給することを拒否した。NATOの国々がウクライナ政府に供給することは禁じないが、アメリカ政府は供給しないと答えた。軍事研究者の小泉悠は、ゼレンスキーの求めている最新鋭の戦闘機はアメリカ以外の国々にほとんどないと言う。ゼロ回答を言いつくろっているだけだと言う。

岸田は、G7の首脳を接待して、いかにも国際政治をリードしているふりを、日本国民にしているだけである。これに騙される日本国民はバカとしか言いようがない。

日本国民は目を覚ませ。