きょうの午後1時から自民党総裁選が行われる。
この3年間に岸田文雄はいつの間にか、軍備増強、原発推進に舵を切った。自民党総裁選で、軍備増強、原発推進に慎重な姿勢を示すのは、石破茂ただ一人である。聞くところによると、経済自由主義の小泉進次郎か、軍事派マッチョ保守の高市早苗がトップ争いをしているようだ。
軍備増強にしろ、原発推進にしろ、国を二分する話である。それなのに、これらに慎重な自民党総裁選候補が9人中に1人しかいないのに、私は日本の将来に不安を感じる。立憲民主党の新代表、野田佳彦はちゃんとこれらに反対するのかも心配である。
軍備増強はきりのない軍備拡張競争に落ち込む。現在、自衛隊員志願者が少なく定員割れを続けているのに武器や戦闘機や戦艦にお金をどんどんつぎ込むということは、政治家と軍事産業との癒着を深めることにならないのか。軍事費は身の丈にあった程度でいいのではないか。平和外交のほうがだいじではないか。
年初の能登大地震で、珠洲に原発を作らないで良かったね、志賀原発を再稼働しなくてよかったね、と地元では言っているのに、自民党総裁候補のほとんどが原発推進を言っているのはいただけない。また、使用済み核燃料を保管する場所がないのに、原発を稼働して使用済みの核燃料を増やしていいのだろうか。核燃料サイクルの名のもとに、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すことは新たな問題を引き起こすのではないのか。
核燃料サイクルの問題は、プルトニウムを燃やす発電炉の技術ができていないのに、プルトニウムを使用済み核燃料から取り出すという不思議な展開になっていることだ。
また、ウラニウム核燃料は放射性物質の閉じこめが施されている。それを破壊してプルトニウムを取り出せば、放射性物質が拡散する。プルトニウムを燃やせば、ウラニウムと同じく、放射性物質が生産される。核燃料サイクルに何もメリットはない。
総裁候補の河野太郎は、かつて核燃料サイクルに反対していた。しかし、総裁となる野心に負けて、自分の意見を引っ込めている。
自民党の多数が個人的野心のなかで狂いだしているとき、野党はもっとしっかりしないといけない。