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素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)
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「五・一二公開」をつい待ちかねて。
閑話
/
2007-05-02 23:15:14
えーと、迷っていたのですが封切りを待ちかねてつい凸してしまいました。
メイキング・俺は、君のためにこそ死ににいく
東映
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「メイキング」とある通り、映画版の副読本といった体裁です。出演者・制作者インタビューや自衛隊における軍人らしい動作の訓練、元特攻隊員や特攻隊員と交流した地元女学生の証言などです。それからちょっとだけ長めの予告編。米軍による特攻機対策マニュアルなども紹介されていました。
ひとつだけ、以下は統率の外道であることは疑いようのない特攻という戦術の是非は別として、銘記しておきたい数字があります。ごく最近機密扱いが解けて公開された米軍資料の中に、特攻隊の「命中率」に関するデータがありました。
それによると、直撃(敵艦突入)率は何と39%にも達し、これに至近弾扱い(敵艦近くに墜落し搭載爆弾が爆発して艦体や乗員に被害を与えた)を含めると、直撃・至近率は56%にものぼっていたということです。
緒戦時に比べると飛躍的な進歩を遂げていた米艦隊の防空能力を考えると、これは驚くべき数字です。
――――
それを知って改めて思い出すことがありました。以前にも当ブログにて紹介したことがありますが、海軍報道斑員だった作家の故・山岡荘八氏が、特攻隊の基地になっていた鹿児島県・鹿屋基地で行った有名なインタビューです。師範学校を卒業して出征するまでは教員をしていた特攻隊員の西田高光・中尉(戦死後少佐に特進)に対し山岡氏が、
「この戦を果して勝抜けると思っているのかどうか?もし負けても悔いはないのか?今回の心境になるまでどのような心理の波があったか?」
と尋ねたところ、教え子たちからの手紙に返事を書いていた西田中尉はその手を休めて、
「学鷲は一応インテリです。 そう簡単に勝てるなどとは思っていません。しかし、負けたとしても、そのあとはどうなるのです………おわかりでしょう。われわれの生命は講和の条件にも、その後の日本人の運命にもつながっていますよ。そう、民族の誇りに………」
と返答するのです。
http://www.yasukuni.or.jp/siryou/1404.html
その2日後、西田中尉が爆装した零戦で出撃していくのを見送りながら、山岡氏は涙が止まらなかったそうです。
――――
特攻で散華した当時の若者たちの多くが自爆テロのような信仰とか洗脳とかではなく、理性を以て任務を受け止め、思い悩み、懐かしい人たちや故郷の風景に想いを残しながら、それでも出撃し散華していったことは、特攻隊の嚆矢とされている有名な敷島隊の隊長で海軍兵学校出身、つまり学徒出陣ではなくプロの軍人としての経歴を有する関行男大尉(戦死後中佐に特進)の報道班員に対する述懐でも明らかです。
「僕は天皇陛下のためとか、日本帝国のためとかで行くんじゃない。KA(夫人のこと。海軍の隠語)を護るために行くんだ。最愛の者のために死ぬ。どうだ、すばらしいだろう」
統率の外道であり戦術ともいえぬ戦術ながら、直撃率39%、至近弾率を含めると56%という数字は、特攻隊員が決して犬死にではなかったこと、つまり西田中尉の談話にあるように、その生命を燃焼させることで確かに講和の条件にも、その後の日本人の運命にもつながっていたことを再確認できたような気がしました。
いや、つながっているのです。60年以上を経た現在を生きる私たちにもしっかりとつながっているのではないでしょうか。いかに愚劣な作戦であろうと、後事を私たちに託して散っていった人々がいることに、緑のまぶしい季節の中で思いをはせてみるのもいいのではないかと思います。
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