日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 いやーとうとうその時代が到来しました。

 待ちわびましたよ。私なんか約3年待ちました。ようやくです。香ばしくなって参りました。

 株式投資の話です。従軍記者とどういう関係があるのかはこちらを。当ブログにおけるごく初期のエントリーです。

 ●株式投資は従軍記者より危険な職業!(2004/08/16)

 思えば新華社も最近はこういうぶっ飛んだ記事を配信しなくなりました。さびしいものです。

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 都市部の住民が株式売買に熱中している、という話題が、最近上海市場の株価指数がウナギのぼりというニュースとともによく語られるようになりました。確かに目下のところ右肩上がりで大型連休をはさんだ後もその勢いに衰えなし。

 で、そういう記事を目にした市民が新たにわらわらと参入してきます。1日平均20万人増だそうです。いくら人口が多いからってこれは異常な数字でしょう。アカウント総数は9394.54万。機関投資家とかも含んでいるでしょうけど、大半は個人投資家でしょう。それもたぶん多くは都市部住民でしょうから、相当な浸透率ということになります。

 香港紙『明報』(2007/05/10)によると、陝西省・西安市では株狂いの和尚さんも出現。いままで貯めてきたお金を増やしてより善事を行うためだそうで、

「南無阿弥陀仏、善事は一儲けしてから」

 だそうです。このほか大学生、中学生、小学生も投資家の列に加わっているとか。

 いや、これは3月か4月に私も中国国内の報道で目にしました。大学生の話は『中国青年報』だったか、「経済学の実践」とか言っていたと記憶しています。学生寮の自室のPCにかぶりついているそうです。

 小学生の話は確か「新華網」。舞台は南京だった筈です。旧正月でもらったお年玉を元手にやっていて、朝の挨拶は「昨日はいくら儲けた?」とかなんとか。いやー実に香ばしい。

 ●『明報』(2007/05/10)
 http://www.mingpaonews.com/20070510/cca1.htm

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 これまた狂奔の証なんでしょうけど、国歌の替え歌である「株歌」も登場しています。一応歌詞を書いておきますと、

 起來,還沒開戶的人們,
 把�們的資金全部投入誘人的股市,
 中華民族到了最瘋狂的時刻,
 每個人都激情地發出買入的吼聲!
 快漲、快漲、快漲!
 我們萬�一心,懷暴富的夢想,
 前進!前進!前進!進!進!

 なかなかお見事です。ただ私は株のことは一切わかりませんけど、こういう歌が広まる時期というのは往々にして機を見るに敏な連中が売り抜けにかかっているのではないでしょうか。

 ●『東方日報』(2007/05/10)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c02cnt.html

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 中国では何事も極端から極端へと針がふれます。その理由をあれこれ考えるだけで楽しめるのですが、ともあれ当ブログは
「いつでも何でも大躍進」と称しています。政治や経済政策から社会問題ひいては農民の商品作物生産に至るまで、「ほどよさ」というものがありません。

 そういう「大躍進」をあらゆる面でやり続けたために「ほどよさ」を政権が呼号しなければならなくなりました。それが現在「胡温体制」の唱える「科学的発展観」「和諧社会」です。無理でしょうけどねえ。愚民教育を続けているうちはまず無理でしょう。

 この株ブームがどういう形で終息するかは正に見物です。この右肩上がりがあと2カ月くらい続いてより多くの市民を吸収しておいて、いきなりドカーンと底無し大暴落、というのが党大会の前哨戦の時期とも重なってオイシイと思います。

 ある程度政府は市場をコントロールしているのでしょうけど、それでも過去に暴落は何度も起きています。それが雪崩現象の引き金になっても不思議ではありません。

 バブルがはじけて云々という難しい議論は私にはわかりません。でも何十万何百万何千万という市民が株で大損して途方に暮れたり路頭に迷ったりという図は非常にわかりやすいです。

 逆ギレして証券取引所に爆弾を仕掛けたり、果ては腹に爆弾を巻き付けて証券会社に突入自爆なんてケースが出てくるかも。

 ともあれリスクなど微塵も考えることなく株に踊るこの狂奔ぶりを「胡温体制」がどう収拾するのか、という以前に一体政府の力で収拾できるのかどうか。

 冷ややかな五輪になりかねません。……あ、もしやれるのなら、の話ですけど。(笑)




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