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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

聞こえ方もバリアフリーに。難聴者向けスピーカー「COMUOON(コミューン)」に注目!

2014年01月08日 12時42分19秒 | 障害者の自立
「難聴」という言葉。みなさん、どんなイメージを持たれますか?

おそらく、まずイメージするのはおじいちゃん、おばあちゃんの難聴だと思います。最近、耳が遠くてのぅ…と。

が、実は、「難聴」は若い人たちの間でも増えています。特にストレスを要因とした難聴が増えており、もしかしたら、これをお読みのみなさまも難聴を抱えているかもしれません。(参考:ストレスが原因か 20~30代女性に増える低音難聴)。

今月末、ユニバーサル・サウンド・デザイン社が、そんな難聴者の「聞こえ方」を改善する画期的なスピーカー「COMUOON(コミューン)」を発表しました。代表の中石真一路さんのお話を伺うことができたので、ご紹介させていただきます。

研究開発中に、たまたま生まれたスピーカー


「難聴」という言葉。みなさん、どんなイメージを持たれますか?

おそらく、まずイメージするのはおじいちゃん、おばあちゃんの難聴だと思います。最近、耳が遠くてのぅ…と。

が、実は、「難聴」は若い人たちの間でも増えています。特にストレスを要因とした難聴が増えており、もしかしたら、これをお読みのみなさまも難聴を抱えているかもしれません。(参考:ストレスが原因か 20~30代女性に増える低音難聴)。

今月末、ユニバーサル・サウンド・デザイン社が、そんな難聴者の「聞こえ方」を改善する画期的なスピーカー「COMUOON(コミューン)」を発表しました。代表の中石真一路さんのお話を伺うことができたので、ご紹介させていただきます。

研究開発中に、たまたま生まれたスピーカー
画像
中石さんはもともと音響機器の研究・開発の専門家。会社で「遠くまで音が届くスピーカー」の研究をしていたところ、たまたま「難聴の方でも人間の声が聞き取りやすいスピーカー」が生まれたそうです。

最初は聴こえが悪い人にスピーカーで聴こえるようになるわけはないだろう、と思いました。しかし、たまたま私の父が難聴だったので、まず父で試してみようと思い、試作品をつくってみたんです。実家の熊本に帰ると、いつもテレビの音量が大きく、爆音でした。そこで、試作品のスピーカーを使ってみると、テレビの音が半分くらいになったんですよね。


信じられなかったので、父に聞こえているのか何度も確認したんですが、本当に聴こえているとのことでした。これは何かあるぞと思って、会社の方でも軽度と中度の難聴の方に7名ほど集まっていただいて検証した結果、やっぱり聴こえていたんです。

中石さんは仲間たちと「NPO法人 ユニバーサル・サウンドデザイン」を立ち上げ、病院や聾学校、区役所など、全国の100拠点にスピーカーを貸し出す活動を始めます。

貸し出しは大好評。病院の患者呼び出し、区役所の窓口、英語学習の現場などで歓迎されたそうです。


台東区の区立柏葉中学校では、英語の授業で活用しています。軽度や中度の難聴者の生徒にとっては、子音が聞き取りづらいので、スピーカーを使っています。まだ貸している状態ですが、非常に好評です。

たいへん興味深いのは、このスピーカー、「なぜ、人の声がよく聞こえるようになるのか」のメカニズムが完全に解明されていないそうなのです。仕組みがわからないけれど、効果は間違いなく出ている。だったらそれでいいじゃないか、よし製品化だ!というなんともイノベーティブな態度に感動します。メカニズムや指標についても、現在専門家と恊働で研究を進めているそうです。


効果が先に出てしまったので、現在そのメカニズムを解明しようとしているます。東京都立(取材・編集協力:現代ビジネス編集部)
産業技術研究センターの博士の方が協力してくれることになったので、一緒に考えていこうというところです。



2013年11月27日 10時14分  イケダハヤト | ブロガー/ihayato.news 編集長(取材・編集協力:現代ビジネス編集部)

共に生きる:成功へ思い込め揮毫 障がい者芸術文化祭、県庁に実施本部設置 /鳥取

2014年01月08日 02時38分59秒 | 障害者の自立
 県は、今年開催される「第14回全国障がい者芸術・文化祭とっとり大会」の実施本部を県福祉保健部内に1日付で設置した。6日には発足式が開かれ、平井伸治知事らが看板を掛けた。

 看板は、日南町出身で倉吉市の障害者支援施設に入所する高橋俊和さん(38)が揮毫(きごう)。高橋さんは脳性まひのため手足が不自由で、左足の親指と人さし指の間に筆を挟み書き上げた。

 力強い文字が書かれた看板を、高橋さんと平井知事、松田佐恵子・県福祉保健部長の3人で本部前に設置。平井知事は「障害者と共に生きていく、この素晴らしい輪が全国、世界に広がることを期待している。成功に向け、力強く皆さんがサポートすることが大切」と職員に訓示した。高橋さんは「文化祭が成功するようにとの思いで書きました。不自由だからと言って特別視せず、作品を見てほしい」と話した。

 同文化祭は7月12日〜11月3日に県内各地で開催。期間中、全国の障害者が制作した絵画などの芸術作品の県内巡回展や、アーティストと障害者が共同で作品を制作する「アーティストリンク」の作品展示などが計画されている。

毎日新聞 2014年01月07日 地方版

在宅障害児・者の親負担軽減へ 地方の老健施設活用九州初、福岡県が方針 短期入所サービス拡充

2014年01月08日 02時30分30秒 | 障害者の自立
医療型短期入所

 障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つ。在宅で暮らす重症心身障害児・者らを、介護者が病気などの時、一時的に医療機関(病院、診療所、介護老人保健施設)で受け入れ、痰(たん)吸引などの医療的ケアのほか、入浴、食事などのサービスを提供する。障害者支援施設などが、基本的に介護サービスを行う「福祉型短期入所」よりも、介護報酬が高い。

在宅障害児・者の親負担軽減へ 地方の老健施設活用 九州初、福岡県が方針 短期入所サービス拡充

 福岡県は、重症心身障害児・者を在宅で介護する親たちの負担軽減策に絡み、短期入所(ショートステイ)サービスを拡充するため、既存の介護老人保健施設(老健)を活用する方針を明らかにした。日常的に医療的なケアが必要な障害児・者を一時的に預かる施設は特に地方で不足しており、都市部を除く地域の老健に対し、障害児・者へのケアを学んでもらう県独自の研修を実施するほか、必要な医療器具購入の補助も検討する。サービスの地域間格差を解消するため、県が広域的にこうした促進策に乗り出すのは、全国の都道府県でも異例だ。老健の活用は九州では初めて。

 県が昨年、九州で初めて実施した実態調査によると、県内の在宅の重症心身障害児・者は1757人。痰(たん)の吸引や管を使った栄養注入(経管栄養)など、医療的ケアが必要な子どもを預けられる施設を求める親が多いことが判明、県は、医療的ケアに対応できる「医療型短期入所」施設の拡充を進めている。

 短期入所は、一般入院の診療報酬と比べて収入が低く、既存の病院の参入が少ないことから、同じく医師や看護師が常駐する老健に着目。兵庫県での先行事例も参考に、活用を検討することにした。

 福岡県によると昨年4月現在、県内の医療型短期入所施設は18カ所しかなく、ほとんどが福岡、北九州市など都市部に集中している。老健の活用を想定するのは、こうした施設がない宗像、筑紫、甘木・朝倉、八女・筑後、直方・鞍手、京築の6地域。新年度予算に、県独自の研修費や医療器具・資機材の購入補助費を盛り込む方向で検討する。

 県幹部は「親の負担を考えれば県内全域に短期入所できる施設が必要。受け入れ先の確保を急ぎたい」と話している。


 ●空白区ゼロを優先 課題は「質」の確保

 【解説】福岡県が、在宅の重症心身障害児・者を一時的に受け入れる短期入所施設拡充に「専門外」の介護老人保健施設(老健)の活用を検討し始めたのは、介護する親たちの間で、身近にこうしたサービス拠点を求める声が高まっているからだ。

 実態調査をもとに、県は県内で医療的ケアが必要な在宅の障害児・者を約660人と推計。在宅の障害児・者全体では、主な介護者の約9割が親で、介護者の約半数の睡眠時間は、毎日5時間以下。自宅近くに一時預かりの施設ができるなど、「利便性が高まれば短期入所を利用したい」との回答が約6割を占めた。

 介護度が高くない高齢者向けにリハビリ訓練などを行う老健は県内に計168カ所。障害児・者を受け入れる短期入所を実施した場合、通常の高齢者の利用に比べ、収入が高くなる利点もあり、県側は老健を活用し、まず地方での「空白区ゼロ」を急ぐ構えだ。

 ただ、先行する兵庫県で、同県から障害児・者の受け入れを打診された老健関係者は「高齢者と比べ、親が求めるケアのレベルは高く、そう簡単ではない」と打ち明ける。障害者の親などでつくるNPO法人「ニコちゃんの会」(福岡市)の森山淳子代表は「施設増は歓迎するが、障害は一人一人異なる。障害者を理解した上でケアできる職員をどう育てるかが重要」と指摘する。施設を増やすと同時に、質の高い医療的ケアを提供できる職員の育成や環境づくりが求められる。

西日本新聞(2014年1月7日掲載)

2020年の主役たち:広島からTOKYO五輪へ/5 障害者投てき・皆川理さん /広島

2014年01月08日 02時27分04秒 | 障害者の自立
 ◆障害者投てき 広島市職員・皆川理さん(37)=安佐南区

 ◇かっこいい姿を家族に

 希望は、青空に向かっていった。

 「パラリンピックが東京に決まり、いよいよやる気が出てきた」

 視覚障害を持つ投てき種目のアスリート。現在はパラリンピックの正式種目ではないソフトボール投げなどに取り組んでいるが、6年後に照準を合わせ、種目変更に取り組むつもりだ。

 安佐北区出身で、中学から大学まで陸上の短距離選手として活躍した。大学卒業後は地元企業に就職。順調な毎日を送っていた。

 ところが30歳を過ぎた頃、仕事で車を運転中、不意に信号機が視界に入らなくなった。不安を感じて病院で診察を受けると、視界が極端に狭くなる「網膜色素変性症」と診断された。「食欲もなくなり、未来に希望が持てなくなった」と、当時を振り返る。

 失意から立ち直るきっかけは、地元の友人の紹介で妻(39)と出会ったことだった。病院勤務の経験があった妻は、障害に対しての理解が深かった。夫婦間には今、4歳と1歳の男の子2人がいる。将来を考え始めた2011年、市の障害者採用に応募し合格した。職場には電車と徒歩で通っているが、安全に歩くためのつえが欠かせない。

 障害者スポーツを始めたきっかけは、転職後に妻から勧められたためだ。広島市で障害者大会が開かれると聞き、陸上部時代の血が騒いだ。走る際に視界の狭さは恐怖感を生むため、ソフトボール投げで出場。いきなり優勝した。練習すればするほど、記録が伸びていく。成長していく自分に喜びを感じた。

 昨年10月には全国障害者スポーツ大会に出場し、ソフトボール投げと小型のやりを投げる「ジャベリックスロー」で、それぞれ2位になった。長男に銀メダルを見せると、「すごい」とはしゃいだ。

 実力を伸ばしてきたが、パラリンピックに出場することは現実的なものとして受け止めていなかったという。意識が変わったのは東京開催が決まったこと。早朝から起き出して見た開催決定のテレビニュースは、遠い存在を身近な目標へと変えてくれた。開催が決まってからは、練習時間も増やした。仕事を終えて自宅に帰っても筋力トレーニングを欠かさず行う日々だ。

 6年後、次男も物心が付いているだろう。大観衆が見つめる舞台に立つためのハードルは、決して低くはない。だからこそ、挑戦を続けたいと思う。

 「障害に負けない、かっこいい親父(おやじ)の背中を見せたい」家族の声援が背中を押す。

毎日新聞 2014年01月07日 地方版


障害者の地位向上を目指す「エイブル・アート」という流れ

2014年01月08日 02時07分22秒 | 障害者の自立
  障害を持っているからというイメージではなく、一人の人間だと認識した時に障害者が持つ個性や表現能力の可能性は、必ずしも一般の人たちに劣っているとは言えないものだ。時に、その独創的で枠に囚われない表現が大きな評価を得ることもある。時に、何か一つのものに没頭して書き続けた絵画や彫刻などは、一般の人では考えもつかない方法で表現を行うことがある。そうした個性を持った人の活動や、その表現活動によって作られたプロダクトとしての価値を 認めていかない限り、いつまでたっても障害者たちの立場は改善されない。

エイブル・アート、そして「Good job!展」へとつながる、社会的マイノリティが持つ個性をデザインに活かす活動

障害者によるアートを捉え直す動きは、以前から起き始めている。1995年から始まったABLE ART MOVEMENT(可能性の芸術活動)という活動は、エイブル・アート・ジャパンが主導する運動で、障害者芸術自体を「エイブル・アート」といった用語としても一般的に定着している。

目的は2つあり、それまで価値の低いものとみられてきた障害者芸術の素晴らしさを広め、障害者自体の地位を高めること。もう一つはそうした活動を通じて誰もが疎外されない社会を目指すことだという。この考えに共感したトヨタ自動車は、1996年からこれまでに34都市で63回開催した「トヨタ・エイブル・アート・フォーラム」を行ってきた。このフォーラムはエイブル・アート・ムーブメントが地域に根付くことを目的としており、2年連続で開催して1年目はシンポジウム、2年目はワークショップで構成されていたという。他にも、近畿労働金庫と取り組んでいるアートプロジェクト「エイブルアート近畿ひと・アート・まち」や、明治安田生命と舞台表現の可能性を追求した「エイブル・アート・オンステージ」など、さまざまな団体や企業が、障害者アートに関連した活動を行ってきた。


企業とコラボした新しいデザイン製品の展示「Good Job!展」

こうしたエイブル・アート・ジャパンの活動の中心を担っている団体の一つが、財団法人たんぽぽの家だ。 たんぽぽの家は、障害のある人たちのための場作りや、自分らしくありたいと考える個人の生き方を支えるためのコミュニティづくりを行っている。また、これ までのプロダクトのメインターゲットから外れていた高齢者や障害を持った人たちを積極的にデザインのプロセスに参加させる「インクルーシブデザイン」をも とにしたユーザー参加型のワークショップの企画・コーディネートなども企画するなど、共創社会を見出す活動を行っている。今回、これまでのエイブル・アー トを通じて生まれた数十名のアーティストたちの表現の可能性の幅を広げるために、企業と協働して新しい製品開発を行なうGood Job!プロジェクトがスタートし、その展示会として「Good Job!展」がスタートした。

Good Job!展は、たんぽぽの家が運営事務局として11月29日から12月1日まで東京の渋谷ヒカリエにて、12月15日から12月17日まで宮城のせんだい メディアテークにて開催された。また、2014年2月15日から17日まで、福岡のイムズでもGood Job!展が開催される。出展には、靴下専門店のTabioとハンカチ専門店のH TOKYO、Able Art Campanyがコラボして2013年9月から販売しているハンカチと靴下や、コクヨファニチャーとたんぽぽの家、Able Art Campanyで制作したロビーチェア、博多織織元のサヌイ織物とNPO法人まるが製品開発して完成したブランド「marugococi」による風呂敷など、10数点以上ものプロダクトが展示・販売がされている。


社会貢献という意識から脱却し、ものづくりとしてのプロダクトへと昇華

たんぽぽの家の岡本太郎氏に、展示期間中のヒカリエで話を聞くことができたので、今回の目的などについて話を伺った。 ヒカリエの8階にある展示スペースでは、アートやデザインといったクリエイティブに興味関心のある人が集まりやすい。せんだいメディアテークでも、同様に クリエイティブに関心の高い人たちが集いやすい。そうした場所で展示を行うことで、これまでのエイブル・アートといったアートに興味がある人たちだけでは なく、デザインやプロダクトに関心の高い人や、デザイナーといった人たちにも、その実物を触ってもらうことを目的としている。より、一般の人たちに対して も注目してもらうためにも、アクセサリーや靴下、織物や椅子といった一般の人たちの普段の生活に馴染みのあるプロダクトを軸に製品が作られている。

今回のGood Job!展を通じて感じるのは、これまでの障害者デザインのイメージを払拭し、しっかりとしたプロダクトデザインとしての色合いが強いことだ。同時に、展 示されているプロダクトそれ自体のクオリティも高く、一般的に企業が制作したプロダクトとも遜色ないものだ。アーティストとしての表現力と、ものづくりに 向き合うデザイナーや企業とが手を組み、これまでにない新しいプロダクトが作られている。やもすると「障害者が作った」というメッセージが強く出すぎると、プロダクトとしての価値を評価しずらいというイメージがあるが、Good Job!展ではあくまでプロダクトとしてのクオリティをあげ、製品としての価値を見出そうととしている。

「企業の方たちも、社会貢献という意識だけではなく、きちんとしたプロダクト のデザインとして認識した上で、クオリティにもこだわって私たちも含めて互いにプロ意識を持って商品開発に取り組んできました。一般の方たちも一プロダク トとして見てもらいながら、価値を認識して購入していただいたり製品を気に入ってもらったりしています」(岡本氏)

製品の多くも、メイドインジャパンや素材にこだわって作られている。アーティストの個性がうまくデザインに活かされているという意味でも、多様な立場や業種の人たちが協働して作られている製品と言える。す でに、全国の企業やクリエイターからも問合せがきており、こうした展示やセミナーなどを全国に広げていきたいと岡本氏は語る。Good Job!プロジェクト事務局としても、アーティストと企業の間に入り、新しいプロダクトづくりのための活動を引き続き行っていきながら、今後はここでしか できない製品づくりも提案していきたいという。

福祉=社会貢献という意識から脱却し、本来のものづくりとしてのプロダクトへ と昇華させていく。施設のものづくりという価値を見直し、障害者に対して単純労働や低価格のお金しか支払われない現状から脱却し、デザインとしての価値を 高めることで福祉活動としての価値を見出すGood Job!展のプロダクトは、従来の「かわいそう」といった同情から脱却し、社会貢献を通じたプロダクトの再構築を図る動きかもしれない。


福祉と仕事のこれからの関係を見直すために

エイブル・アートと比較されるものとして、アウトサイダー・アートと言われて いるものがある。アウトサイダー・アートとは、アートに関連した教育訓練を受けておらず、既成のアートの流派や傾向、モードに一切とらわれることなく自然 に表現した作品のことを指し、障害の有無に関わらず既成の芸術概念の枠組みやしきたりに囚われることなく独自に生み出したアートであると考えられている。 内なる欲求や表現活動に突き動かされて制作された作品からは、作者そのものが持つ魅力をひしひしと感じさせ、魂を震わせるものも多い。

エイブル・アートとアウトサイダー・アート。同じように捉えがちなものではあ るものの、前者はより障害者の地位向上といった社会運動に近い。今回のGood Job!展で言えば、企業とのコラボレーションなどを通じて製品価値を高めるという意味において、もはやアートではなくデザインの領域に寄っているものな のかもしれないと、私個人としては考える。障害のある人たちの社会において新しい仕事を生み出すこと。タイトルにもあるように「Good Job!」を作り出すためには、デザイン思考をもとに製品としての価値を見出すことを主眼にしている。

アートは、作者が持つ表現欲求といったより内発的なものであるとするならば、 デザインは製品価値といったユーザーのための設計を行うという意味では、外発的なものに起因する。もちろん、どちらが良くてどちらが悪いというものではな いが、アートでデザインを明確に分ける一つの基準として考えておくべきものだ。Good Job!展に展示されているプロダクトは、障害をもつ人が表現した作品をいかにプロダクトデザインに落としこむかという、企業の技術やデザイナーとの協働 作業が求められる意味でも、デザイン的思考をもとにしている。

障害者がもつ可能性や個性ある表現を、アートで見出すかプロダクトデザインで見出すか、どちらの可能性も大いにある。障害者も含めた社会的なマイノリティの居場所を作り出し、誰もが生きやすい社会を作るという意味では、さまざまな方法が考えられる。福祉と仕事のこれからの関係を見直す意味でも、今回のGood Job!展は、これまでにない新しいアートとデザインを考えさせるものだと言えるかもしれない。

記事 江口晋太朗 (取材協力:日本財団) 2014年01月07日 06:58