「金閣寺」三島由紀夫著読んでみました。
昨年の12月に「金閣寺(鹿苑寺)」を訪ねたり、2月に「その時歴史が動いた」で金閣寺に纏わるエピソードが紹介されたりと、このところ「金閣寺」付いているので、
三島由紀夫の名作「金閣寺」と水上勉の「五番町夕霧楼」を読んで、さらに金閣寺についての造詣を深めようと思いました。
図書館に行ったら三島由紀夫著の「金閣寺」が有ったので、早速読んでみる事としました。
三島由紀夫の著作は中学生くらいの頃に「潮騒」を、大学生の頃に「英霊の聲」を読んで以来なので、もの凄く久々です。
読み始めて、著者の登場人物の心理描写や金閣を始めとする風景描写は改めて天才と呼ばれるに相応しいと思われるものでした。
しかし「呴り」にコンプレックスを持つ主人公「溝口」の暗く屈折した「思考・想像」は相当違和感を感じさせました。
時代がそうさせたのかもしれないし、環境がそうさせたのかもしれないが、かなり「心が病んでいる人」のような気がしました。
著者のバックグラウンドを鑑みると「鶴川」は彼の陽の部分、「溝口・柏木」は彼の陰の部分、「有為子・まり子」は彼の女性へのコンプレックスを表現しているように思えました。
それにしても「柏木」のキャラクターはすごいですね。彼を主人公とした小説を読んでみたくなりました。
また「柏木」はかなりの部分で「三島由紀夫」の本質が表現されているような感覚さえしました。
「* *と天才紙一重」と昔から言われますが、この作品は著者が内に秘める「狂気」と「理性」が入り混じり昇華した結果もたらされた物だと思いました。