GOCCIのオトコヲミガク旅(w)

旅行記や、日常の面白い、或いはキレイなモノの写真を中心に
取留めの無い話題を「備忘録」代わりに綴っております。

「手紙」東野圭吾著、読んでみました。

2007年02月06日 | *本*BOOKS*

  
「手紙」東野圭吾著、読んでみました。



「東野圭吾」15作目です。かなり重い内容ですし、楽しい話じゃ無いんですが、作者の力量もありどんどんページが進みました。

「剛志」が犯した「重罪」の波紋が、消える事無く「直貴」に訪れる「幸せの芽」を悉くかき消して行きます。直貴を取り巻く社会の大人たちの振る舞いも、殆どが「善と偽善」の狭間のような対応なだけに、直貴自身も納得できてしまうのが「つらい現実」に感じます。

本人が全く悪い事を何一つしてないだけに、読者の殆どがその「やるせなさ」「憤り」を感じる展開なんですが、実際、「自分自身はどうだろう」と真剣に考えると多分、多くの人が、直貴に接してきた人々と同じような対応しか出来ない自分に気が付くのではないかと思います。 

苦労して苦しんでいる直貴への剛志からの「手紙」は、悪気は無いんだろうがすこし「能天気」気味で、より一層直貴の不幸を際立たせ、読者を苛立せます。

「音楽のデビュー」「大学進学」「叶わぬ恋愛」「家電量販店への就職」等色々なエピソードやそれに伴う出会いがあるが、直貴を献身的に支える「白石由美子」「平野社長」との出会いは大きかったですね。苦しみながらも試練に耐え、懸命に生きていることに天は少しの「幸と啓示」を与えたのだと思います。 

直貴が剛志に送った「最後の手紙」の部分から、直貴が被害者への謝罪に行き「剛志の手紙」を読むくだりは本当に心を揺さぶられるものが在り、刑務所で「イマジン」を歌おうとするシーンはあまりにも切なすぎました。




                                                           ランキング参加中です⇒ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へにほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ