「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

文化放送 「死刑執行」 (4) (死刑囚の心中)

2008年05月09日 12時11分24秒 | 死刑制度と癒し
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54126666.html からの続き)

 番組では、元検察官への インタビューもしていました。

 自分が担当した死刑囚から、手紙をもらった検察官の話です。

 その死刑囚は拘置所で 文鳥を飼うことを許可され、

 文鳥を世話することを通して、人間的な感情を回復し、成長していったといいます。

 また、舎房から外を眺めていると、雀をはじめ 多くの野鳥が見えるそうですが、

 あるとき雀の雛が カラスに襲われました。

 母雀は小さな体で カラスに立ち向かっていき、我が子を救おうとしました。

 しかしそれも叶わず、雛はカラスに 噛み殺されてしまいました。

 死刑囚は、その時ほど カラスを憎いと思ったことはなく、

 そして自分が このカラスだったのかと、自分を呪いました。

 しかし 過去の大罪を呪い、苛まれることによって、

 自分も成長するのではないか と思ったということです。

 彼の執行が決まったとき、彼から検事には お礼の手紙が届きました。

 自分に死刑を 求刑したことよりも、

 取り調べのとき 自分の話をよく聴いてくれた ことに対する感謝でした。

 検事は 刑の恩赦ができないかと 思っていたほどなので、

 彼に執行をする 必要があったのかという 思いになったといいます。

 ただし、この死刑囚が このような敬虔な気持ちになったのも、

 死刑制度があったからこそ だと思っている、と。

 
 番組で放送された死刑囚は、強盗を犯したうえ、警察官を射殺しました。

 死刑が確定してから 仏教に目覚め、次第に平静な心を 取り戻していったといいます。

 そして、ついに 執行のときを迎えるのです。

 刑場で所長と 固い握手を交わしますが、所長は感極まって 言葉になりません。

 立ち会いの検察官に 自らの罪を詫び、言葉を交わします。

 読経の中、死刑囚は刑務官に抱えられて 刑壇に進み、目隠しと手錠をさせられて、

 ロープが首に掛けられる、というナレーションが続きます。

 そしてガタン! という 刑壇が外される大きな音、

 滑車(?)の音、ロープがきしむ音が 響きます。

 読経、鐘を叩く音。

 医官が聴診器を当てる作業を 説明するナレーション。

「報告します。 死刑執行、2時59分。

 刑終了、3時13分2秒。

 所要時間 14分2秒。終わり。」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54159247.html
 

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