「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性人格障害の心理的メカニズム--「見捨てられ感」(3)

2006年07月15日 11時03分26秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/37590496.html からの続き)

 いずれの場合でも、子供は主体的な人格を 育成できなくなります。

 独り立ちできない、見捨てられるのを無意識に恐れる 子供になってしまうのです。

 親に見捨てられるということは、自己の全存在を 抹殺されることと同じなのです。

 そして 大人になってからも、人に見捨てられることが恐くて、

 誰かに依存しなければ 生きていけなくなってしまいます。
 

 ボーダーの人の親もボーダー、ないしはボーダー的である というのはよく言われることです。

 親の親から 連綿と受け継がれてきた場合もあるでしょう。

 遺伝ではなく、環境による世代間連鎖です。

 この悲劇の再生産を 断ち切る尽力をしていくことが、

 我々の世代に 要請されていると思います。

(なお現在は、ボーダーには 遺伝的,生物学的な因子が第一にあって、

 それに環境要因が加わって 生じると言われています。)
 

 ボーダーの人は 世の中の灰色に染まらず、

 “大人”になることを 拒否しているかのようにも見えますが、

 これは 見捨てられ感が関与すると言われています。

 大人になるというのは 親の傘の下から外へ出ていくことで、

 見捨てられ不安が 呼び起こされてしまいます。

 そのため 純潔な子供であり続けますが、

 それは プラスとマイナス両面の アンビバレントな価値をはらんでいるわけです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/37676178.html
 


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