「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「武士の一分 (いちぶん) 」 (1)

2006年11月23日 13時16分28秒 | 映画
 
 山田洋次監督,藤沢周平原作の、時代劇三部作。

 「たそがれ清兵衛」 「隠し剣 鬼の爪」 に続き、

 木村拓哉主演で その最後を飾ります。

 山形の下級武士である 三村新之丞 (木村拓哉) は、

 妻・加世 (壇れい) と つましく 楽しく暮らしています。

 藩主の毒味役を勤める 新之丞は、ある日 毒に当たって 失明してしまいます。

 新之丞の上士・島田藤弥は、新之丞の身分を保証するという引き換えに、

 加世を寝取ってしまいます。

 新之丞は 武士の一分をかけて、島田に復讐を誓うのです。

 ストーリーだけを見れば いたって単純。

 シーンも多くは、二部屋しかない 新之丞の狭い家の中。

 派手な演出や 凝ったカメラワークが あるわけでもありません。

 しかし 山田監督の視線は、そこに深いドラマを凝視し、

 観る者の心に ぐいぐいと迫ってきます。

 随所にユーモアを 散りばめながら、

 人間の内面を 力強く描写する名作です。
 

 障害者福祉の概念など なかった時代、

 失明して 人の情けと施しを受けなければ 生きていけなくなった新之丞は、

 武士の誇りを砕かれ、人間としての価値も見失い、

 自ら死のうとしますが、妻・加世の 愛情に救われます。

 しかし その加世は、新之丞を守るために 島田の罠に落ちていくのでした。

 愛情と 武士の一分の 葛藤は、真に迫って 涙腺を刺激されました。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42574517.html
 


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