「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「クロッシング」 (1)

2010年05月05日 22時16分03秒 | 映画
 
 北朝鮮から中国に渡った 親と子の悲劇を描いた、

 キム・テギュン監督の手による 韓国映画。

 炭鉱で働くヨンスは、 妻ヨンハ、 11歳の息子ジュニととに、

 貧しくも平穏な 生活を送っています。

 ある日 ヨンハが肺結核で倒れ、 ヨンスは 薬を手に入れるため、

 我が身の危険を顧みず 中国へ入国するのです。

 その甲斐もなく ヨンスは息を引き取り、 ジュニは父を追って 国境の川を渡ります。

 しかし身柄を拘束され、 強制収容所に送られてしまいます。


 北朝鮮での撮影は 不可能なので、

 緻密な調査と 100人以上の脱北者への 取材を重ね、

 北朝鮮の惨状を 稀有なリアリティで 再現しています。

 スタッフには 実際の脱北者が 多数含まれており、

 我々が 隠しカメラによる映像でしか 目にできない北朝鮮の現状や、

 映像が存在しない 強制収容所の実態も、

 フィルムに焼き付けることに 成功したのです。

 実際の脱北路を再現するため、 韓国, 中国, モンゴルを結ぶ

 8000キロの海外撮影が 敢行されました。

 脱北者問題に冷淡だった ノ・ムヒョン政権下で、

 企画, 制作は 徹底的に極秘裏に行なわれ、 4年を費やしたといいます。

 しかし この映画は、 金政権を直接批判したり、

 声高に アジテーションすることもありません。

 ある善良の家族、 親と子の 涙ぐましい姿を描くことによって、

 今もこの世界で 起きている現実を、 我々の胸に突きつけてきます。

(次の記事に続く)
 


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