「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自己非承認への反応方法 (4)

2015年11月27日 21時01分31秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
o ゆっくりとした変化を促す (2)
 
ex. 高校を中退して、 12年間自傷と自殺傾向があった クライアント(女性)が、
 
 医学部へ行きたいと 思うようになりました。
 
 高卒でない、 長年コントロール不能状態にあった 30過ぎの女性が、
 
 実際に 医学部を卒業するのは難しいと、
 
 筆者 (臨床家) は 彼女に伝えませんでした。
 
 代わりに、 彼女が医学部に入るために 必要なことをリストアップしました。
 
 さらに 週ごとの学習目標も立て、
 
 目標の達成に対して 彼女が自分に褒美を与える スケジュールも立てました。
 
 もちろん彼女は ギブアップしたくなるときがありました。
 
 自分は馬鹿で、 自分には無理だと思うのでした。
 
 筆者は彼女に、
 
 目標を達するかは分からないけれど、 彼女の力を信じている と伝えました。
 
 誰でも 自分が賢くないと感じるときはある と言い、
 
 彼女を安心させるようにしました。
 
 最終的に、 彼女は 静脈切開の医療職に就きました。
 
 彼女は時間と共に、 医学部は現実的な選択肢ではない と認識したのです。
 
 けれども彼女は、 自己非承認をせずに 感情を許容する方法と、
 
 小さく 達成可能で 強化可能な目標を持つことを 真に学んだのでした。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 


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