「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「私はかつて小さな幼虫でした。」

2014年10月20日 20時32分17秒 | 心理
 
 僕が通っている 「カウンセラー養成講座」 で、

 今 「カウンセリング概論」 という講座を受けています。

 そのセッションで、

 自分を探るひとつの方法として 物語を書くという課題がありました。

 書き出しだけが決まっている 文章があり、

 それに続けて 物語を短時間に書くというものです。

 物語ることによって 何かに気付いたり、 自分をつかむのが目的だそうです。

 書き出しの文章は、 「私はかつて小さな幼虫でした。」 というものでした。

 主人公の 「私」 には、 自ずと自分自身が反映されます。

 その課題で、 昨日の日記の さなぎのことを書きました。

 以下のような物語です。

                   *

 「私はかつて小さな幼虫でした。」

 私は もごもご蠢いていました。

 私は 黒い毛が一杯生えた 毛虫でした。

 人は 私をみると嫌がります。

 私は これからどうするんだろう?  どうなるんだろう? 

 私は何故か、 ある家の方へ這っていきました。

 私は玄関のドアに 辿り着きました。

 家のおじさんが 私を見つけて、 気持ち悪いと思いました。

 朝出かける時だったから 忙しかったのか、 触りたくもなかったのか、

 おじさんは 私をそのまま放っておきました。

 やがて、 私は さなぎになることを知りました。

 私はドアにへばり付いて さなぎになりました。

 黒いさなぎでした。

 おじさんは さなぎになった私を見ました。

 黒い体に、 小さな金色の斑点が 並んでいます。

 毛虫の私を 気味悪がったおじさんは、

 金色に光る斑点を きれいだと思ってくれました。

 そして、 私が羽化するまで、 私を玄関に付けたままにしようと 思いました。

 私は いつ羽化するでしょう。

 きれいな蝶になるのでしょうか?

 見た目の悪い 蛾になるのでしょうか? 

 私にも分かりません。

 でも、 私はどっちでもいいと 思うようになりました。

 そして、 家のおじさんも、

 私がどんな姿で 出てくるとしても、

 飛び立つまでそのままにして、 見守っていようと思ってくれました。
 


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