「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「クラッシュ」

2006年02月23日 18時37分30秒 | 映画
 
 アカデミー賞最有力と言われるヒューマンドラマ。

 ひとつの交通事故をきっかけに、様々な人間たちのドラマが交錯し、ぶつかり合って(クラッシュして)いきます。

 愛あり、悲劇あり、涙あり、希望あり……。

 ひとつのエピソードは感動を呼び起こし、ひとつのエピソードは絶望的に終わり、ひとつのエピソードはおとぎ話のように……。

 人種差別主義者が自らの命も省みない正義感だったり、若く純粋な青年が己の罪を隠滅したり……。

 とにかく一筋縄ではいかない、善と悪とが常に隣り合わせに併存している映画です。

 作劇の基本の起承転結など超越し、いくつものエピソードが次々と繰り広げられていきます。

 普通の映画は、一人の主人公の視線でドラマが進み、クライマックスでカタルシスを迎えるわけですが、この映画は全員が主人公で、ハッピーエンドと惨劇とが共存しています。

 観終わったあとは複雑な気持ちに捕らわれました。

 しかし正にそれこそが人間であり、世界であるわけでしょう。
 


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