「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「シティ・オブ・ゴッド」, 「シティ・オブ・メン」

2008年08月21日 23時50分00秒 | 映画
 
 1960年代、国際的な観光地である リオデジャネイロ。

 高級ホテルが立ち並ぶ 美しい海岸から わずか数百メートルの丘には、

 ファヴェーラと呼ばれる 貧民街があります。

 ギャングが横行し、ブラジル人であっても 近づかず、

 隔絶された 裏社会になっています。

 しかし ブラジル人特有の活発さと、サンバのリズムに乗った スラム街は、

 世界一陽気な地獄 と言われるのです。

 登場するのは 少年や青年たち。

 文字も読めない彼らが 強盗を働き、銃を乱射し、麻薬を売買し、

 抗争が繰り広げられます。

 快活な笑顔と 容赦ない残酷さ、そのギャップに 付いていけないほどでした。

 「シティ・オブ・ゴッド」 は、2002年の フェルナンド・メイレレス監督作品。

 衝撃的なバイオレンスで、カンヌを震撼させたといいます。

 鮮烈な映像と 絶妙なリズム,緻密な構成,ユーモアを交えた語り口で、

 観る者を引き付けてくれます。

 メイレレスの手腕は、2005年の 「ナイロビの蜂」 へと 結実していきます。

(「ナイロビの蜂」 http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/35889275.html )

 「シティ・オブ・メン」 は2007年、メイレレスが制作に回り、

 監督は メイレレスのパートナーである パウロ・モレッリが務めました。

 同じくファヴェーラを舞台した 全く別の話ですが、

 「シティ・オブ・ゴッド」 の 暴力的描写に加えて、

 友情や親子の情を テーマに描いています。

 ブラジルの知られざる一面を 見せてくれた、刺激的な映画でした。

 でも 黒人のスラム街を 舞台にした作品では、

 2006年 アカデミー賞 外国語映画賞を受賞した

 南アフリカの 「ツォツィ」 (ギャヴィン・フッド監督・脚本) のほうが、

 僕は 遥かに感動的でした。

(「ツォツィ」 http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46674911.html)

 暴力の中で 育てられた子供は、暴力しか 生きる方法を知らず、

 人の愛情を知ったとき、初めて自分も 愛することができる。

 そのテーマが ボーダーにも通じ、特に僕には 響くものがあるのですね。
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿