「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

気分の不安定さ (4) (他の疾患との関連)

2008年05月05日 22時50分22秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54073186.html からの続き)

○BPDと統合失調症

 BPDや統合失調症の人は、

 幻覚,妄想,偏執,その他の精神症状を 起こすことがあります。

 共に、自傷や自殺に 至る場合もあります。

 統合失調症の場合は 精神症状の結果ですが、

 BPDの精神症状は たいてい一時的で、意図的な行動です。

 また、統合失調症の人は 情緒や表情が乏しく、人と関わることを避けます。

 ここが双方の 大きな違いでしょう。

 一般的に、両者の診断が 同時に付くことはありません。

○BPDと解離性同一性障害

 BPDの人は、突然失踪して その間の記憶がなかったり、

 非現実感を 体験したりすることがあります。

 解離性同一性障害の患者の大半は、子供時代に 過酷なトラウマがあり、

 BPDの診断を伴っています。

 しかし BPDの患者はほとんど、解離性同一性障害の 診断基準を満たしません。

 多くのBPDの人は、自分のパーソナリティの 特異な部分に気付いていますが、

 完全に意識が分離したり、独立した別人格の存在を知らない ということはありません。

 心子は 広義の解離性同一性障害立ったと 主治医に解釈されました。

 それぞれの人格の意識が 繋がっているため、記憶を共有しており、

 外からは 人格が変わっていることは分かりません。

 しかし 後に気付いたのですが、心子は普段は 自分のことを 「あたし」 と言い、

 怒っているときなどは  「私」 と言っていました。

 これは 人格の交替だったのでしょうか。

○BPDと衝動的・強迫的行為

 BPDの人は、内的な不安を 解消するためには、

 行動で表現するしか 手段がないと感じています。

 怒りの爆発,強迫的な賭け事,過食,強迫的な 抜毛や自傷なども、

 内面的な緊張や動揺を 軽くするための方法です。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54293725.html

〔 参考文献: 「BPDを生きる7つの物語」 (星和書店) 〕
 

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