「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

裁判員裁判ならではの無罪判決? 

2010年12月11日 11時26分23秒 | 死刑制度と癒し
 
 鹿児島夫婦強殺事件に 死刑が求刑された裁判員裁判で、 無罪判決が出されました。

 有罪に対し わずかでも合理的な疑いがあれば、 有罪にはしないという思いは、

 職業裁判官よりも 裁判員のほうが強いという、 専門家たちの意見があります。

 裁判員は一回限りの裁判で 後悔しないよう、

 裁判官より純粋に 証拠を判断するという、 裁判員経験者の意見も。

 確かに 過去の冤罪事件を見ると、

 明らかに 有罪に合理的な疑いが 幾つもあるのに、

 一体どうして 死刑判決を下せるのかと 思わざるを得ません。

 被告が嘘をついていると、

 裁判官は 有罪の方向へ向かってしまうと言う 専門家もいました。

 「疑わしきは被告人の利益に」 とする 裁判官も大勢いると思いますが、

 全裁判のデータは 僕は持ち合わせていません。

 でも裁判員裁判によって、 従来より冤罪を 減らすことができるとするなら、

 裁判員制度の ひとつの目的が達成される 大きな意義があります。

 今回の事件では、 現場の窓ガラスからは 被告の指紋やDNAが発見されましたが、

 凶器のスコップからは 指紋などは検出されませんでした。

 被告は 現場に一度も行ったことはない と主張し、 それは嘘と認定されましたが、

 それをもって 被告が犯人とは言えない とした判決は、 妥当なものだと思います。

 ただ、 今回の裁判員は 被告に質問をしなかったそうですが、

 何故 被告が嘘をついたのか、 また、

 凶器の指紋を拭き取った 痕跡はなかったのか、 報道だけでは疑問が残ります。

(読売新聞は、 「スコップから被告の痕跡が 全く検出されなかった」

 という表現ですが、 これは拭き取った痕跡もない ということなのでしょうか。)

 このような不備を もっと解消していくよう、 情報公開を含め、

 今後の裁判員裁判は 研鑽されていってほしいと望まれます。
 


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