「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

岡本太郎「明日の神話」(1)

2006年08月02日 11時00分00秒 | Weblog
 
 いま 汐留に展示されている、岡本太郎の巨大壁画

 「明日の神話」 を観てきました。

 1970年の大阪万博のシンボル 「太陽の塔」 と同時進行で描かれた、

 5.5m×30mの威容を誇る、岡本太郎の最高傑作です。

 メキシコのホテルロビーを飾る 壁画として制作されましたが、

 何と ホテルは経営悪化で 開業直前に倒産。

 悲運の 「明日の神話」は 公開されることなく、

 何度も人手に渡るうち、行方が分からなくなってしまいました。

 その後 35年を経て、岡本太郎のパートナー岡本敏子が 執念で、

 メキシコの資材置き場に ひっそりと保管されていた 壁画を発見したのです。

 しかし 野ざらしにされた壁画は ひび割れ、穴があき、

 損傷状態はひどいものでした。

 敏子は、何としても これを元通りに復元して、多くの人に見せたい

 という悲願で 奔走しました。

 多くの人の気持ちが結集して 再生プロジェクトが立ち上げられ、

 苦難の修復作業の結果、ついに昨年末、太郎の最高峰が蘇ったのです。

 ところが 壁画が日本に到着する直前、

 敏子は やるべきことをやり終えた というかのように、

 太郎の下へと 旅立っていったのでした。

 太郎の手によって完成してから 長い眠りについていた 「明日の神話」は、

 数奇の運命をくぐり抜けて、ついに白日の下に 姿を現しました。

 7月と8月、汐留の日本テレビで 無料で一般公開されています。

 「明日の神話」は 太郎と敏子の心血を注いだ結実 と言えるでしょう。

 久しぶりに 太郎の絵画に触れてきました。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/38449064.html