蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

“トランプ旋風”の意味するもの!?

2017-02-22 00:00:00 | 時事所感
2017/02/21(火)

 トランプ旋風が毎日世界を吹き荒れている。この旋風に煽られてか、EUのジャンヌ・ダルクとも目すべくメルケル首相の敗色が報じられている。
 
 今や世界中が、自国第一主義こそが正当とばかりに、臆面も無く露骨に、かつは声高に主張し始めた。
 トランプ大統領が自国第一主義を主張して、大方の予想を覆して当選したのも、思えば故無きことではなかったのだ。

 アメリカは、産業構造、経済の急激なグローバル化にともない自国内の多数の失業者を出しながら、その人々の痛みをホローしないまま、戦後絶え間ない外国への軍事介入をしてきた。すなわち、反共、民主化のイデオロギーのために…国民の生命と国富を蕩尽しつくしてきた。
 これは、反面では、東西冷戦の表面的な終結で余剰となったアメリカの軍需産業のはけ口としてではなかったか。
 アフガン介入からイラク戦争。そのあげくのISの跳梁跋扈。テロと難民の欧州への怒濤のような拡散。

 こうした状況のなかで、今、世界中の人々が、一度立ち止まって、それぞれの国家の枠の中でお互いの関係がどうあるべきか、考え直してみようということではないだろうか。

 我が国においてもそうだ。
 自国の防衛を日米安保条約の下、いつまでも大船に乗ったつもりでいるのはどういうものだろうか…。東西冷戦の終結で、今や、アメリカは日本をその傘下にしっかりと、これを無力化して押さえ込んでいる必要性はないのだ。
 やはり、基本は自分たちの国は自分たちで守ることを第一義にするべきではなかろうか。それで足らないところ、不安な部分について改めてアメリカなり価値観を同じくする国と対等の同盟関係を結ぶのが当然のことではないか。
 その上で、世界史の歴史に学べば、国家間の紛争は永続的かつ究極には一時的な軍事力によっては絶対に解決できるものではないことを肝に銘じて、なんとしても世界平和の仕組み作りに、当面は国際連合の改革に向けて、先頭にたって提言し取り組んでいくべきではないだろか。

 人類の歴史は、一歩後退二歩前進ではないだろうか。今は残念ながら一歩後退の時期のようである。これを一日も早く二歩前進にむかっていくことこそ、今を生きる我々のつとめではないだろうか。