蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

渋滞!渋滞!―道路建設は不要か?―

2009-08-08 00:13:18 | 時事所感
8月7日(金)じめじめ天気いまだあけやらず。

  先日、親戚に不幸があって久しぶりに山梨から神奈川へでかけた。中央高速、八王子までは平日の午前中とあってか苦もなく着いた。
  八王子ICを下りて、16号線にのった。とたんに大渋滞である。ほんの僅か立体交差の自動車専用道路が続いたと思ったらあとはほとんどが平面交差の一般道だ。ところどころ立体化工事現場らしきところに出たが、何故か工事が活発に行われているふうはみられない。

東京に住んでいた時から16号線と聞けば魔の渋滞道路と条件反射で思い浮かべていた。その状態が未だに解消されないで続いているのだ。もう半世紀にもなるのではなかろうか。
  よくまあ、東京近辺の首都圏に住む人々はおとなしくも我慢していられるもんだと今更ながらその我慢強さに感嘆するほかはない。
  私のように半隠居爺で何時着いてもかまわない者ならいい。だが、渋滞の中で周りをみれば、トラック、ライトバン、皆、何がしの業務用と思われる車ばかりである。よくこれで仕事になるもんだと感心しきりである。

  これが、我が山梨県内であれば、どこを走っても道はすいすい、ほぼ予定通りで目的地に着ける。ありがたいことである。猿か鹿しか通らないような道でも二車線の素晴らしい道路が縦横にはしっている。県内で舗装されていない道を走る時はよほど気をつけなければならない。いきどまりかなにかであるからだ。

  これに比べて、首都圏はどうだろうか。東京を中心とした放射線道路は高速道路を主として随分整備されてきたが、これを環状に結ぶ道路の建設が一向に進んでいない。
   東京外環、圏央道、ですら肝心の南側方面、神奈川方面へはいつのことやら皆目不明である。よくもこんな状態を放置しておいて、あの夜郎自大都知事閣下は再度の東京オリンピックなんてほざけたものではないか。
  これもみんな民主主義の最大のおかげなのかもしれない。全く民主主義という奴は、我慢強くなくてはいけないらしい。

  この、不景気。地価もさがり、人も余ってっているときこそ、一気に国策としてこれらの環状道路を整備できないだろうか。ちまちました景気対策を小出しにやっているよりなんぼか景気浮揚を期待できるのではないだろうか。
地方の美しい自然を切り裂いて猿や狐のための立派な無駄な道路を作ろうというのではないのである。

首都圏での道路作りは、ごちゃごちゃとスプロール化して、火災や震災に弱い既成市街地を美観に優れ環境の好い都市再生への大いなる起爆剤になるのではなかろうか。
  こういう使い方なら赤字国債も次代へのいたづらな付けとはならないのではなかろうか。

  ところで、このような首都圏の道路整備がいつまでも進まないのは、いまの都道府県の枠組みも大きな足かせとなっているのではなかろうか。
  もし、関東州というものができれば、このような状態を放置できるものでもなく、もっと早く関係者の協議がまとまり実現への運びとなったのではなかろうか。

  久しぶりの渋滞、川崎市旭区の親戚の家につくまで2、30キロしかない行程に2時間以上を要した。その道々こんなことを強く思った。恐らくは我が目の黒いうちにこの渋滞が解消されるのを見ることはあるまい…。
  これが、我が日本の民主主義行政の有難い成果なのだろうか。