蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

平成不況の大波せまる!―いかにしてこの苦境から脱するか?―

2009-08-03 00:32:19 | 時事所感
8月2日(日)雨雲去来往々、山雨降々。

  徒然草155段に云う。「死期は序(ついで)を待たず。死は前よりも来たらず、かねて後ろに迫れり。…沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満が如し。」と。好きな言葉だ。
  
  ところで、この“ 死期”と言う言葉を現下の“平成不況”に置き換えてみると、今の私の心境にぴったりくる。
  
  現下の不況、今日までは申し訳ないことながら、年金生活者の私にとっては、今更どうあがきようもないどこか他所事、まさに“沖の干潟”と思ってきた。
  しかし、夏休みで、息子や、娘一家が久しぶりにやってきて、こもごもその近況を聞いて驚いた。
  先ず、息子の会社はその業容の大半を自動車業界に負っている。そのため会社は受注の大半を失い、危急存亡の中にあるとか。そんなな中で、独身の息子は半ば強制的に給料3割カットで1カ月のリフレッシュ休暇をとらされることになったという。
 また、娘婿の会社は不動産業界。こちらもマンション不況で会社は危急存亡の淵に瀕しているという。
  まさに“平成不況”という大波は、“磯より潮の満が如し”なのである。

  何故、急にこんなことになったのだろうか? 息子の会社も、娘婿の会社もつい2、3年前は株価が急騰して、将来のストップオプションに夢を咲かせていたのにである。
  
  二人の話を聴いていると、この先、近い将来には、とても明るい展望はみいだせないという。
  長く公共企業体しか知らないできた私にとって、民間企業というのは、まさに板子一枚下は地獄の漁師の世界と何ら変らないのだということを改めて思い知った。

  それに比べて、私が生きてきた公共部門というのは、何と世間知らずの能天気の極楽トンボの世界だったことか。
  
  今、この不況、格差社会からの脱出を謳い文句に、与野党が口角泡を飛ばしている。だが、その候補者たちにどこまで現下の状況の深刻さと状況打開の困難さを真に自覚し、それに渾身の力を尽くそうと志している者がどれほどあろうか?
 
  少なくとも今回の選挙では、あまりにもその待遇に天と地の差ができた、公的部門の全てを見直して、少しは民間で働く者の痛みを癒してくれるような、ダイナミックな政策を断行してくれる政党を選ぶ事でしかないと思う。
 
  しかし、聞くところ見る所では、自民党は高級官僚の代弁者・走狗に均しく、民主党以下の野党は、下級・現業公務員の利益擁護に汲々とするかに見えてしょうがないのはどうしたものなのだろうか。
  一体、いつになれば、国民多数の福祉実現のために、公務員を文字通りパブリックサーバント(公僕)として、使いこなせる政党が出てくるのだろうか…。思うや切である。
  そのためには、国家行政組織法、国家公務員法、地方公務員法等の抜本的見直しが急務ではないか。