蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

夜半の目覚め

2005-12-24 04:40:49 | 田舎暮らし賛歌
 2月24日(土)午前3時過ぎ

 寝ていて突然目が覚めた。何か夢を見ていたようだ。カーディガンを羽織ってトイレにたつ。ドアを開けると踊場の冷気がほほを打つ。

 寝室に戻りベッドに入る。最前のように闇の中で目をつむってみる。だが眠気はどこかへ蒸発してしまったようだ。今、見ていた夢の輪郭が気になりだした。誰かと会話していた。祖父のようでもあり、そうでないようでもある。誰か親しい中年の男である。
 相手はこれからどこかへ急用ができでかけるようである。不破という地名がでた。東北線の不破の関のことのような気がした。

 急いで切符の手配が必要になったらしい。私が「そうだ、インターネットで調べよう」と提案したらしい。相手は「いや、これでいい」といって何か卓上計算機のようなものをとりだした。そんなものでと私は思った。

 次に、中学生ぐらいの時の長女の後姿のようなものが見え、何か赤いランドセルのようなものを背負っているようである。

 相手はの男も何か(手提げかばんのようなものか?)子どもにねだられてそう必要ようでないと思われるものをこれからかい買いに行こうとしているようであった。

 その相手の男が祖父のようでもあるような気がして、私の頭のなかは、もう40年以前も昔に亡くなった祖父のことがあれこれとスナップ写真のように思い出されてきた。

 こうなるともう完全に眠れなくなってしまった。

 私は、再びベットから起き出し、戸襖一枚で仕切ってある隣室の妻を目覚めさせぬよう軽く着替えをし音をしのばせて階下の居間へ下りた。

 障子を開けて居間へ入ると、薄暗い補助灯のもとで囲炉裏のなかので埋め火がぽっと紅く残っていた。

 このままでは眠れぬ、少し飲むかと思い、残り酒をレンジでお燗し炉辺に座った。

 埋め火を掘り起こし、炭を一つつぎたした。

 夜半のしじまが辺りを領している。益子の小さなぐい呑みを口元に運びながら、さっきの夢の続きを思うとも無く追ってみた。

 囲炉裏にくべた炭火がほつほつと熾ってくる。

 何か祖父の思い出までもがあったまってくるような気がした。

 その思い出をどこかへ書き記しておきたいと思った。